▲「旧型」と呼ぶにはまだまだ新しすぎる感もある1世代前のアウディ A4ですが、新型の登場により10~11年付近の好条件物件も車両価格100万円台で狙える状況になってきました ▲「旧型」と呼ぶにはまだまだ新しすぎる感もある1世代前のアウディ A4ですが、新型の登場により10~11年付近の好条件物件も車両価格100万円台で狙える状況になってきました

普通なら新型登場の影響が相場に現れるのはもっと先なのだが……

「ヤンエグ」というのも今や死語かもしれません。しかしヤングエグゼクティブ、つまり「若いのにビジネスでガンガン稼いでるイケてる人」に見られたいという思いは、多くの人が抱くものです。かく言う筆者こと編集部Tも、できることならヤンエグに見られたい。

そのための簡単な方法は、例えば最新モデルのアウディを買うことです。短絡的かもしれませんが、ヤンエグといえばアウディしかないでしょう! しかしそれにはハッキリいってけっこうなお金がかかりますし、(筆者には)そんなお金はありませんので、何か別の作戦を考えなくてはなりません。

▲こちらは発売となったばかりの現行アウディ A4。新車価格は518万円~ ▲こちらは発売となったばかりの現行アウディ A4。新車価格は518万円~

そんなときにぜひ採用したいのが「中古のアウディを買い、それを乗り回す」という作戦です。そして数あるアウディ車のなかでも、今狙うべきは「旧型になったばかりのA4セダン」と「まだギリギリ現行型のA4アバント」でしょう。

いちばん小さなA1からいちばん大きなA8まで、世の中には様々なアウディ車が流通していますが、そのなかでもなぜ上記のA4およびA4アバントが今狙い目なのかといえば、ご存じの人も多いでしょうが「フルモデルチェンジ」の関係です。

セダンのA4はすでに今年2月19日、最新の「B9系」と呼ばれる型にフルモデルチェンジしました。そしてステーションワゴンであるA4アバントは、今年の第2四半期に新型へ切り替わることが正式にアナウンスされています。

……セダンの方はモデルチェンジ済みとはいえ、新型登場からまだ日が浅いですし、新型アバント(ステーションワゴン)に至ってはまだ登場すらしていません。となると、旧型(アバントの場合は現行型)の中古車流通量が増え、それにつれて相場がグッと下がるのはまだまだ先のような気がしないでもありません。

しかし旧型アウディ A4セダンの方はすでに割と大きく平均価格を下げ、A4アバントも、さすがにセダンほどではありませんが、2月後半あたりから徐々に下げてきているのです。両者とも特に14年式以降の高年式物件でその傾向が顕著です。

▲08年3月から16年1月まで販売された旧型アウディ A4。1972年に登場した80から数えると8世代目となるアウディのミドルクラスサルーンです ▲08年3月から16年1月まで販売された旧型アウディ A4。1972年に登場した80から数えると8世代目となるアウディのミドルクラスサルーンです
▲こちらはステーションワゴン版であるアウディ A4アバント。アバントはこのB8系がいまだ現行モデルですが、2016年の第2四半期には新型のB9系が日本でも発売されます ▲こちらはステーションワゴン版であるアウディ A4アバント。アバントはこのB8系がいまだ現行モデルですが、2016年の第2四半期には新型のB9系が日本でも発売されます

モード系デザインにとって「歳月」は天敵か?

「フルモデルチェンジされる→旧型の相場が下がる」というのはどんな車にもほぼ当てはまる一般的な現象ですが、アウディでは特にその傾向が強いように思えます。

近年のアウディ車というのは非常にデザイン性が高いというかモード系のデザインですので、新しいうちはかなりおしゃれです。しかし「モード」というのはちょっと古くなると途端に、実際以上に古く見えてしまうもの。それを恐れるおしゃれ系(それこそヤンエグ系の)ユーザーがこぞって旧型を手放した結果、この相場状況が早くも生まれているのではないかと推測しています。

ということで、例えば新車価格453万円だった14年式2.0 TFSIの走行数千kmレベルの個体も、車両価格300万円ほどで狙えてしまうのが最近の旧型A4市場なんです。

ですが、セダンの場合はすでに「旧型(型遅れ)」になっていますし、ステーションワゴンのアバントも近いうちに確実に旧型になりますので、できればもっとグッと手頃な予算で手に入れた方が「納得感」は絶対に強いはず。場合にもよりますが、例えば「車両価格100万円台後半」ぐらいの予算感でステキな旧型アウディ A4(または現行A4アバント)を手に入れられたら、それって何かと最高かもしれません。

▲写真はアウディ A4の2012年モデル。基本的なフォルムは不変ですが、8年の長きにわたり生産された旧型A4だけあって細部はモデルイヤーごとにいろいろと異なっています ▲写真はアウディ A4の2012年モデル。基本的なフォルムは不変ですが、8年の長きにわたり生産された旧型A4だけあって細部はモデルイヤーごとにいろいろと異なっています

まさか100万円台で買ったとは、仏様でも見抜けまい!

「でもそんな予算で高年式アウディが買えるわけ?」と思うかもしれませんが、それが実は十分買えるんです。走行4万km台ぐらいでも可と考えるのであれば、セダンですと例えば10~11年式付近の1.8 TFSIを車両160万~190万円ほどで狙えますし、ステーションワゴンは09~10年式付近のアバント1.8 TFSIが車両180万~200万円あたりで検討可能です。

当然これらは、発売されたばかりの現行A4セダンや、今年4~6月のどこかで登場する新型A4アバントともしも「直接対決」をするならば、性能の面ではさすがに完敗です。でも、両者を直接乗り比べるなんてのは自動車雑誌やWEBサイトの特集企画内だけの話で、実際はそういったことをする機会はほとんどありません。

つまり旧型をそれ単体で運転している限り、新型との圧倒的な性能差なんてものはほとんど感じないものなのです。ちなみに10~11年式付近の旧型A4だって、性能的には十分以上に満足できる素晴らしい車です。またそのビジュアルも、車に詳しくない人からすれば「現行も旧型も見分けがつかん……」といった感じでしょう。ちなみに筆者も、よく見ればもちろんわかりますが、パッと見では現行と旧型の見分けがイマイチつきません。

フルモデルチェンジのおかげで、どこからどう見ても100万円台で買ったようには見えないビジュアルで、なおかつ運転自体の歓びも十分以上に堪能できる1個前世代のアウディ A4およびA4アバントが今、市場に急増しています。ぜひこの機会を逃さず積極的に検討していただき、そしてステキなヤンエグ(?)を気取っていただけたらと、大いに願う次第です。

▲アウディ A4 2012年モデルのコックピット。死語かもしれませんが「ヤンエグ!」としか評しようのない、このシュッとした内装デザインと質感も、近年のアウディ車全般に共通する美点です ▲アウディ A4 2012年モデルのコックピット。死語かもしれませんが「ヤンエグ!」としか評しようのない、このシュッとした内装デザインと質感も、近年のアウディ車全般に共通する美点です

text/編集部
photo/アウディ