▲2017年末に登場する次期センチュリーには、レクサス LCから採用が始まるTNGA-FRシャーシが流用される。パワートレインには、現行LS600hの5L V8ハイブリッドが改良されて用いられる ▲2017年末に登場する次期センチュリーには、レクサス LCから採用が始まるTNGA-FRシャーシが流用される。パワートレインには、現行LS600hの5L V8ハイブリッドが改良されて用いられる

コスト削減と収益性が意識されたモデルチェンジ

官公庁での使用を前提にしたショーファードリブンの典型ともいえる、トヨタ センチュリー。国産車でありながら、他と一線を画する存在だ。3代目の開発とパワートレインに関する情報を得たので、紹介する。

同じ土俵にいた日産 プレジデントは消え去り、いまやマーケットはセンチュリーの独壇場となっている。そんな中、登場から18年が経過し、トヨタ社内で次期モデルのプロジェクトが立ち上がった。

プラットフォームには、トヨタが数年前から取り組んでいる、新しい開発方針が反映されたTNGA世代のものが用いられる。周知のとおり、FF用は新型プリウスでお目見えし、この後、クロスオーバーSUVのC-HRにも採用される。

一方、FR用は2016年1月のデトロイトショーで発表される、ラグジュアリー2ドアのレクサス LCから実用化が始まる。次期センチュリーのシャーシには、今後のトヨタ&レクサス車と同じものが使われる。

▲発売から30年を経て初めてモデルチェンジされ、1997年に登場した現行モデルは2代目にあたる。専用開発の5L V12エンジンが与えられ、厳かな雰囲気が保たれている。ほぼ手作りに近い状態で生産されている ▲発売から30年を経て初めてモデルチェンジされ、1997年に登場した現行モデルは2代目にあたる。専用開発の5L V12エンジンが与えられ、厳かな雰囲気が保たれている。ほぼ手作りに近い状態で生産されている

レクサスの事情もあり、次期モデルでも威厳は保たれる

搭載エンジンはどうか。現行モデルには、最高出力280ps/最大トルク46.9kg-mを発生する5L V12ユニットが用いられている。このエンジンは、他の車には使われておらず、実質センチュリー専用となっている。量販車向けではなく生産量も少ないため、減価償却が終わっているのか気になるところだが、モデルチェンジを機にこのエンジンは姿を消す。

その代替ユニットとして次期センチュリーに起用されるのは、なんとレクサス LS600hと同じハイブリッド機構だ。現行モデルより燃費が改善されることは想像に難くない。もちろん、性能面でも申し分ないが、「センチュリーならでは」という、ありがたみが薄れるのは否めない。

LS600hは、前後輪が駆動する4WDに仕上がっているが、次期センチュリーへのコンポーネント流用に際して、前輪の駆動機構は省かれてFR化されるという。高速道路や積雪路を走る機会の少ない車だから、2WDでも問題ないだろうとの判断が下されたようだが、もうひとつ理由があるようだ。

それは収益性の改善だという。「え!? センチュリーを作る名誉ではなく、儲けることが第一なの?」と一瞬、耳を疑ってしまうが、センチュリーも例に漏れず、しっかりと利益の出る車に仕立てることが求められた模様だ。こうした理由から、次期センチュリーは、LS600hと同じコンポーネントを使いながら、FRに仕立てられるようだ。

LS600hとセンチュリーの差がなくなってしまうのでは? と心配する声も聞こえてきそうだが、次期LSのハイブリッド仕様は、気筒数が減らされてV6ベースとなる模様。これはライバルである、メルセデスベンツ SクラスとBMW 7シリーズの各ハイブリッド仕様と同等以上の燃費を実現するため、よって、センチュリーがV12からV8に格下げされてもかぶることはなく、センチュリーの威厳は保たれるというわけだ。

エクステリアは、上の予想イラストで再現したとおり、大きく変わり映えすることなく、誰が見てもセンチュリーとわかるルックスが継承される。細いメッキパーツが並んで繊細なイメージを放つラジエターグリル、流行に左右されない四角いヘッドランプ、過剰に存在をアピールしないプレーンなボディ側面など、キープコンセプトのまま洗練される見通しだ。

※2016年1月22日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2017年12月
■全長×全幅×全高:5270×1890×1480(mm)
■搭載エンジン:5L V8+モーター

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、トヨタ自動車