トヨタ クラウン 【ちょい乗り試乗】
2008/03/13
■レクサスとの差別化は、やはり“ニッポン”志向にある!?
トヨタクラウンの試乗会へ行ってきました。
新型は、旧型のゼロクラウンのシャーシをキャリーオーバー。それだけ旧型がよくできた車であったという証でもあるわけです。新型はそこに筋肉増強剤のごとく、電子デバイスをふんだんに投入してきました。
最初に乗ったのは3.5Lのアスリート Gパッケージ。旧型アスリートは足が硬めでしたが、新型は動き出すとすぐに、そのソフトな乗り心地に気づきます。ディーラーの周りを一周する程度で、明らかに旧型とは違うと、誰もが気がつくレベルです。
そのまま西湘バイパスへ繰り出してみました。速度に乗るほど締まった乗り心地になりますが、その分、細かい凸凹を少し拾います。また大きな段差ではさすがにガツンっときます。とはいえ旧型よりは押さえ込んでいます。これをスポーツモードにすると(ここまではエコモード)AVS=アダプティブ・バリアブル・サスペンション・システムによって足回りがさらり引き締まり、旧型アスリートに乗っている感じすらしてきます。
ただし、段差のショックはNAVI-AI-AVSが解決してくれるかもしれません。このシステムは学習によって、道路の路面状況に合わせたサスペンションの減衰力制御を行うというものです。この日は同じ車で同じ道を何度も走っていないので“学習”できませんでしたが。
また、残念ながらこの日はワインディングを試す機会はありませんでしたから、この足で駆け抜ける楽しさを得ることはできませんでした。代わりにと言ってはヘンですが、直線でグンと踏んでみました。これが、とめどなく加速していくのです。エンジンもさることながら駆動力統合制御システム(DRAMS)が利いているのかもしれません。ウルトラスムーズです。加速感も気持ちよく、エンジン音の演出は過剰ではないので心地よいです。この加速を体感しただけで「アスリートの3.5Lを買ってよかった」と思えるはずです。
続いて3.0ロイヤルサルーンGにも試乗しました。よりマイルドです。可変ギアステアリングシステムのあるアスリートと違い、ステアリングもその分ダルめですが、サーキットや狭い峠道を攻めない限り、まったく問題ありません。
大きな段差を乗り越えると、ブルンッときますがマイルドな乗り心地を保ち続けます。とはいえ間違ってもフニャフニャではありません。しかし“明らかに締まった乗り心地”とは異なります。最後の最後に芯が残っている、という感じ。
実はこの日帰社してから残業となり、タクシーで帰ったのですが、その際に旧々型のクラウンロイヤルサルーンに乗りました。乗り心地的には旧型より、この旧々型にそっくりです。ただ(新車だからということもあるとはいえ)新型のほうがボディのしっかり感が強いし、また芯がある乗り心地です。
そのほか2.5Lのロイヤルサルーンや4WDモデルにも乗りました。2.5Lは、2人で乗りましたが十分すぎるパワーです。4人で乗って急斜面でも走らない限り、問題ないのではないでしょうか。メーターにはエコドライブインジケーターがあるので、運転しているとついエコドライブを心がけてしまいます。2.5Lでエコモードにしていても、アクセルレスポンスは悪くないです。高速道路で追い越しをする際でも不満はありません。もちろんスポーツにすればもっと俊敏になります。また4WDは、その存在すら気づかないくらい、ほかのロイヤルサルーンと変わりませんでした。
後席は余裕の一言。足を組もうと思えば組めます。リクライニング機構を装備したモデルもあります。基本的にアスリートもロイヤルも、エンジン音は静かです。しかも走行中でもクラシック音楽のピアニシモまでよく聴けました。ただ逆にそれだけ静かな分タイヤノイズや、段差を乗り越える時にする、パンっというような音が気になりました。もちろん前席と後席の会話がしづらいことはありませんが、個人的には、もう少し抑えてほしいと思いました。まぁこれもクラウンだからこそ、言いたくなる文句のようなものです。ほかの車だったらまったく気にしません。
内装の質感も高いです。本当の木のような表情の木目調パネル。それに合わせられた表皮巻きパネルは、細かいステッチが高級感を醸し出します。またグレーのファブリックシートは、上質な和紙のように、光の加減できめ細かに光ります。本革シートにはベンチレーション機能が付いていて、背中からも送風されますから、特に夏場は重宝しそうです。後席重視ならオットマンも選べます。
クラウンは、やはり日本車なのだと改めて思います。旧型は少し欧州車寄りだったけど、それはレクサスの役割であって、クラウンは日本車の最高峰を目指せばよいのだということです。その昔マークIIを新車で買って5年も乗っていた私としては、まさにトヨタのFR車としての正常進化が、今回のフルモデルチェンジだと思いました。
トヨタクラウンの試乗会へ行ってきました。
新型は、旧型のゼロクラウンのシャーシをキャリーオーバー。それだけ旧型がよくできた車であったという証でもあるわけです。新型はそこに筋肉増強剤のごとく、電子デバイスをふんだんに投入してきました。
最初に乗ったのは3.5Lのアスリート Gパッケージ。旧型アスリートは足が硬めでしたが、新型は動き出すとすぐに、そのソフトな乗り心地に気づきます。ディーラーの周りを一周する程度で、明らかに旧型とは違うと、誰もが気がつくレベルです。
そのまま西湘バイパスへ繰り出してみました。速度に乗るほど締まった乗り心地になりますが、その分、細かい凸凹を少し拾います。また大きな段差ではさすがにガツンっときます。とはいえ旧型よりは押さえ込んでいます。これをスポーツモードにすると(ここまではエコモード)AVS=アダプティブ・バリアブル・サスペンション・システムによって足回りがさらり引き締まり、旧型アスリートに乗っている感じすらしてきます。
ただし、段差のショックはNAVI-AI-AVSが解決してくれるかもしれません。このシステムは学習によって、道路の路面状況に合わせたサスペンションの減衰力制御を行うというものです。この日は同じ車で同じ道を何度も走っていないので“学習”できませんでしたが。
また、残念ながらこの日はワインディングを試す機会はありませんでしたから、この足で駆け抜ける楽しさを得ることはできませんでした。代わりにと言ってはヘンですが、直線でグンと踏んでみました。これが、とめどなく加速していくのです。エンジンもさることながら駆動力統合制御システム(DRAMS)が利いているのかもしれません。ウルトラスムーズです。加速感も気持ちよく、エンジン音の演出は過剰ではないので心地よいです。この加速を体感しただけで「アスリートの3.5Lを買ってよかった」と思えるはずです。
続いて3.0ロイヤルサルーンGにも試乗しました。よりマイルドです。可変ギアステアリングシステムのあるアスリートと違い、ステアリングもその分ダルめですが、サーキットや狭い峠道を攻めない限り、まったく問題ありません。
大きな段差を乗り越えると、ブルンッときますがマイルドな乗り心地を保ち続けます。とはいえ間違ってもフニャフニャではありません。しかし“明らかに締まった乗り心地”とは異なります。最後の最後に芯が残っている、という感じ。
実はこの日帰社してから残業となり、タクシーで帰ったのですが、その際に旧々型のクラウンロイヤルサルーンに乗りました。乗り心地的には旧型より、この旧々型にそっくりです。ただ(新車だからということもあるとはいえ)新型のほうがボディのしっかり感が強いし、また芯がある乗り心地です。
そのほか2.5Lのロイヤルサルーンや4WDモデルにも乗りました。2.5Lは、2人で乗りましたが十分すぎるパワーです。4人で乗って急斜面でも走らない限り、問題ないのではないでしょうか。メーターにはエコドライブインジケーターがあるので、運転しているとついエコドライブを心がけてしまいます。2.5Lでエコモードにしていても、アクセルレスポンスは悪くないです。高速道路で追い越しをする際でも不満はありません。もちろんスポーツにすればもっと俊敏になります。また4WDは、その存在すら気づかないくらい、ほかのロイヤルサルーンと変わりませんでした。
後席は余裕の一言。足を組もうと思えば組めます。リクライニング機構を装備したモデルもあります。基本的にアスリートもロイヤルも、エンジン音は静かです。しかも走行中でもクラシック音楽のピアニシモまでよく聴けました。ただ逆にそれだけ静かな分タイヤノイズや、段差を乗り越える時にする、パンっというような音が気になりました。もちろん前席と後席の会話がしづらいことはありませんが、個人的には、もう少し抑えてほしいと思いました。まぁこれもクラウンだからこそ、言いたくなる文句のようなものです。ほかの車だったらまったく気にしません。
内装の質感も高いです。本当の木のような表情の木目調パネル。それに合わせられた表皮巻きパネルは、細かいステッチが高級感を醸し出します。またグレーのファブリックシートは、上質な和紙のように、光の加減できめ細かに光ります。本革シートにはベンチレーション機能が付いていて、背中からも送風されますから、特に夏場は重宝しそうです。後席重視ならオットマンも選べます。
クラウンは、やはり日本車なのだと改めて思います。旧型は少し欧州車寄りだったけど、それはレクサスの役割であって、クラウンは日本車の最高峰を目指せばよいのだということです。その昔マークIIを新車で買って5年も乗っていた私としては、まさにトヨタのFR車としての正常進化が、今回のフルモデルチェンジだと思いました。
<カーセンサーnet編集部デスク・ぴえいる>
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