100万円以下という予算を最大限“効かせる”なら旧型BMW 1シリーズに限る?
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2015/10/27
マニアからの評価は高くないかもしれないが、そんなの気にする必要なし!
輸入中古車評論家を自称するわたしだが、自慢じゃないがカネはない。いや日々の食事に困窮するほど貧乏しているわけではないが、毎朝のランニングで履く黒いロングタイツは1万5000円ぐらいの高機能品ではなく、それとなんとなく似た感じの類似品を5000円ぐらいで買い求めつつ、ニッポンの中流ど真ん中を生きている。
しかしそんなわたしにも、見栄というかなんというか「そこそこの金持ちに見られたい」という欲求はある。それゆえ、遠目からはナイキかアシックスか無名メーカー品かわからないランニング用タイツは無名品でお茶を濁すものの、そのブランド名やモデル名が遠目からでも一目瞭然な車に関しては、できれば「おっ、ステキなブランドのお車にお乗りですね」と言われそうなモノに乗りたいと思っている。
輸入車における「ステキなブランド」といえばフェラーリやポルシェ、アストンマーティンなど様々あるが、もう少し一般的な線で(つまり普段使いを重視した際に)ステキなブランドといえばメルセデス・ベンツとBMW、アウディという「ドイツ御三家」に集約されるだろう。できればわたくしもそれら御三家に乗りたい。乗って、「なんだ、あいつ意外と金持ってるじゃないか」と思われれたい。
しかしその際に問題となるのが「ドイツ御三家の車はたいてい高い」という現実だ。
例えば現行メルセデス・ベンツ Cクラスワゴンを買おうとすると、今のところ全国最安値の中古車でも350万円以上(2015年10月26日現在)。自慢じゃないがそんなカネはない。もちろんもっと安い、具体的には50万円とか60万円ぐらいで買える御三家の中古車もあるにはあるが、そういったものは(たいていの場合)かな~り古い年式であるため、それに乗ったところで「そこそこの金持ちに見られる」という筆者の目的が達成されることはないだろう。
さて困った……と勘案する日々の中で、ギリギリの最適解と思われる選択に思い当たった。
100万円以下の初代BMW 1シリーズである。
ご承じのとおり、BMWのエントリーモデルとして2004年に登場した初代1シリーズは、1.6~3Lの直列エンジンを搭載して後輪を駆動するプレミアム5ドアハッチバックだ。とはいえ、いわゆる自動車マニアの間では、初代はさほど高い評価を得ていないような感がある。
特にエントリーモデル中のエントリーモデルであった116iは(総額100万円以下にはコレが多い)、正統派の自動車マニアからは鼻で笑われたうえで「同じ1シリーズでも2代目の現行なら、走りもデザインもいいんですけどねぇ……」とやや上目線で語られる場合が多いように思える。
そういった意見に賛同する部分もある筆者だが、しかし100%同意することはできない。
確かに現行1シリーズの走りは素晴らしく、アレと比べてしまうと初代1シリーズは正直見劣りする。しかし問題は「何と比較するか」だ。初代1シリーズを、そしてそれが仮に116iであったとしても、同じような中古車価格で探せるハッチバックと比べるならば、初代1シリーズの乗り味は十分以上に「プレミアム」である。それでいいじゃないかと、個人的には思うのだ。
デザインについては人それぞれの趣味嗜好により評価が変わるため何ともいえず、そして「初代よりも2代目前期の方がデザインがいい。初代はひどかった……」とする人がいることも承知だ。
しかしどうだろうか? まったくの勝手な主観に過ぎないが、ビッグマイナーチェンジを受けた2015年5月以降の現行後期型は確かにかなりシュッとしたデザインになったが、現行前期よりは初代の方が比較的スタイリッシュなのではないかと、少なくとも筆者は感じている。
そして肝心の、初代BMW 1シリーズに乗ることで「なかなかの金持ちに見られるかどうか」という問題だが、これはもう「相手による」としか言いようがない。
仮に相手が筆者のような中古車変態であれば、ほぼ瞬時に「……車両価格はだいたい82万円ぐらいで、総額98万円ってところかな? フッ、おつかれさん」と看破するだろう。しかしそんな人間は全国で推定120万人ぐらい、つまり全人口の0.1%ぐらいしかいないはずだと推測する。たいていの人は「これってビーエムですか? ああ、いいですね」ぐらいのものなのだ。
だから、これでいいのだ。