すでに兆しアリ!ランサーエボリューションの中古車相場は高騰する可能性大!?
2015/08/04
絶版となったことでランサーエボリューションの中古車相場は高止まりする?
三菱 ランサーエボリューション(以下、ランエボ)がついに絶版となりました。ランエボはかつてWRCで活躍した日本を代表するスポーツカーで、海外で「EVO(イーヴォと英語では呼ばれています)」といえば、イギリスの老舗自動車雑誌ではなく、ランエボを指す言葉となっているほどです。
レースでの勝利は自動車メーカーにとって絶好のプロモーションの場となります。三菱は1962年、マカオグランプリを皮切りに世界のレースシーンにおいて常連となっていました。中でも輝かしい歴史を築き上げたのがランエボです。1996年から1999年までランエボを駆るトミ・マキネンは前人未到の4年連続ドライバーズタイトルを獲得し、1998年には三菱にとって初めてとなるマニュファクチュアラーズタイトルをもたらしました。
初代ランエボは1992年にWRCのホモロゲーション(規定)を満たすために市販されました。今よりも車への関心が高かったから、とは言いたくありませんが……テレビCMの類は一切行わず2500台の限定車が3日で完売したんです。
そんなランエボも前述のとおり絶版となりました。いずれはアウディ クワトロ、ランチア デルタインテグラーレEVOといった車のように、ランエボの中古車相場も高止まりとなること間違いありません。
手が届く今のうちに狙っておきたい“ベリーベリージャパニーズカー”
原稿執筆時点(2015年8月2日現在)でカーセンサーネットに掲載されている1世代目(I~III)は12台、2世代目(IV~VI)は59台、3世代目(VII~IX)は155台、4世代目(X)は132台。平均車両価格を見てみると、1世代目が約142万円、2世代目が約84万円、3世代目が約161万円、4世代目が約248万円となっています。
いずれの世代も直近3ヵ月の中古車相場は上昇傾向にあり、特に3世代目が顕著です。なにせ5月上旬は約134万円でしたから約27万円も値上がりしています。逆に4世代目の値上がりはゆるやかで、約5万円ほど平均車両価格が上昇しています。ただ、これは単純に平均走行距離が約4万3000kmから約4万kmへと約3000kmほど下落したことが影響しているのかもしれません。
昨今、国産、輸入車問わず、スペシャリティ(特に絶版となったスポーツカー)はネオクラシックになるとグングン相場が上昇しがちです。需要と供給、ノスタルジー、差別化などが要因だと思われます。ランエボに関していえば、もはや“割安感”では車選びがしにくくなっています。
純粋に平均車両価格だけを見れば2世代目がお買い得なのですが、もはや一般的な中古車の割安感はありません。そういう意味では、ランエボに思い入れがある方は、好きなモデルを狙うのがいちばんだと思います。ランエボにさほど興味はないけれども、ちょっと気になる、という方は割安感うんぬんではなく、予算の許すものを狙えばいいでしょう。
そして投資目的という意味ではなく、将来的に値上がりして手が届きにくくなると“予測される”のは初代と最終型です。個人的にはまだ絶版間もなく、新車時登録からさほど時間の経っていない最終型を狙います。いずれは日産 スカイラインGT-R(R34型)のように評価される日が来ると思います。「ああ、ちょっと懐かしいし乗りたい」と思った日にはプレミアム価格で取引されて手が出しにくい、なーんてことが容易に想像できます。
ランエボは時代、時代におけるハイテク満載で、外国人にとっては“ベリーベリージャパニーズ”なようです。日本人が気づきにくい「日本らしさ」とはおもてなしもしかりですが、このハイテク武装にあるんです。まだ手が出せるうちに狙っておきたい車です。
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