▲先代のイメージが色濃く残された現行型から一転、次のモデルチェンジではガラリと印象が変わりそうな日産 セレナ。いかにライバル車と異なるデザインを生み出すか、技量が試されるところだ ▲先代のイメージが色濃く残された現行型から一転、次のモデルチェンジではガラリと印象が変わりそうな日産 セレナ。いかにライバル車と異なるデザインを生み出すか、技量が試されるところだ

ミニバン販売No.1を守りたい、日産 セレナの秘策

6年連続で「ミニバン販売No.1」の称号をモノにしてきた日産 セレナに黄信号がともっている。2014年1月にフルモデルチェンジしたライバルのトヨタ ヴォクシーが市場で非常に勢いづいており、暦年(2014年1~12月)でミニバン販売台数トップに輝いたからだ。

ヴォクシーの販売台数は10万9174台で、セレナの7万6909台に3万台以上の大差をつけた(日本自動車販売協会連合会調べ)。セレナが6年連続で販売No.1を記録してきたのは、4月から翌3月までの台数をカウントする年度ではあるものの、これだけの差をひっくり返すのは至難の技だろう。

そこでライバルに対抗するため、セレナに“秘策”が織り込まれるだろう。それは、ストロングハイブリッド機構の搭載だ。

現行セレナに採用されている1モーター方式のマイルドハイブリッドは、数秒間のモーターアシストや燃費改善といった効果をもたらす。しかし、ヴォクシーに採用されている低負荷時にモーター走行するストロングハイブリッドと比べると見劣りしてしまうのは否めない。

周知のとおり、日産は海外でFF用のストロングハイブリッド機構をすでに実現化しており、まもなく国内でもエクストレイルに設定される予定だ。このシステムはトヨタのTHS-IIと違い、エンジンを切り離せるクラッチが動線に挟み込まれ、効率が良い。新型セレナにも採用される可能性が高く、ヴォクシーハイブリッドの23.8km/L(JC08モード)を超える低燃費となるに違いない。

また、モーターが組み合わされるエンジンの排気量は2Lに設定され、フル加速時のパワーもヴォクシーハイブリッドをしのぐ公算が大きい。

▲現行セレナは、モーターでエンジンを再始動するアイドリングストップ機構が織り込まれ、2012年にマイルドハイブリッド機構へと進化している ▲現行セレナは、モーターでエンジンを再始動するアイドリングストップ機構が織り込まれ、2012年にマイルドハイブリッド機構へと進化している
▲こちらは、ライバルのトヨタ ヴォクシー。“ワル”なデザインや、取扱い販売店の多さ、ストロングハイブリッドの設定などにより、人気を集めている ▲こちらは、ライバルのトヨタ ヴォクシー。“ワル”なデザインや、取扱い販売店の多さ、ストロングハイブリッドの設定などにより、人気を集めている

ラインナップは引き続き、標準車とエアロパーツで着飾るハイウェイスターからなるだろう。とりわけハイウェイスターはヴォクシーに引けをとらない存在感を放つべく、迫力と華やかさに磨きがかけられるはず。記事TOPの予想イラストのように、メッキグリルなどで押し出しの強さがアピールされ、広いグラスエリアによってキャビンの広さも演出される。

衝突被害軽減ブレーキの量販車種への実用化において、日産はトヨタの先を行っていた。現在、ヴォクシーには設定されていないが、改良ないしマイナーチェンジで「トヨタセーフティセンスC」と称する安全装備のパッケージが追加設定されることは確実だ。こうしたトヨタの追撃をかわすためにも、日産は予防安全技術をブラッシュアップし、新型セレナにも投入するだろう。

※2015年3月10日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2016年
■全長×全幅×全高:4695×1695×1860(mm)
■搭載エンジン:2L 直4+モーターなど

text/マガジンX編集部 photo/マガジンX編集部、日産、トヨタ