空冷ポルシェ911に乗ればお金が貯まります!?
カテゴリー: クルマ
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2014/07/03
お金持ちほどリセール額にこだわる。ならば私もこだわりたい!
過日、書店にて「ポルシェに乗ると、なぜお金が貯まるのか?」(榎本聡著/ATパブリケーション)なる本が目に入り、パラパラと立ち読みをした。「ポルシェに乗るとウンヌン」というのはおそらく出版社が勝手に付けたタイトルで、中身は、一代で立派な企業を興した著者が考える合理的な出費および節約哲学に関するものだった。全般的になかなか有意義な本と思われたが、特に印象に残ったのは「あぁ、やっぱりお金持ちはリセール価格を重視して車を買っているのだなぁ」ということだった。
詳細は省くが、同書の中で著者は「同じような価格で新車のカローラと中古のM・ベンツCクラスがあったなら、Cクラスを選ぶのが賢い。なぜならばカローラは7年もたてばリセール額がほぼ0円に償却されるが、Cクラスは決して0円にはならない。その分だけCクラスの方が得で、経済的に合理的なのだ(※立ち読みした筆者の記憶による大意要約)」と述べている。
税法的にではなく実際のリセール額として、新車のカローラは本当に7年で0円になるのか? Cクラスのメンテナンス代は? などのツッコミどころはあるが、まぁそこはどうでもいい。なぜならば大切なのはそんな枝葉末節ではないからだ。ポイントは「お金持ちは単なる情念ではなく冷静な計算に基いて買い物をする。逆に言えば、冷静な計算に基いて買い物をするからこそ彼らはお金持ちになれたのだ」ということだ。そここそが本書のキモである。立ち読みした限りにおいては、だが。
榎本氏ほどのお金持ちになれるかどうかはさておき、ビッグでリッチでサクセスフルな男を目指す筆者も、ここでひとつ真剣に「リセール」について考えてみる所存だ。せんえつながらベンツのCクラスではダメだと思う。あのあたりは筆者調べによれば結構値落ちがデカい。EクラスやSクラス、BMWやアウディの主力モデルも同様である。シトロエンやルノーは個人的には大々々好きだが、リセールの観点ではお話にならない。ビッグでリッチでサクセスフルなリセールを目指すならおそらくV8フェラーリが最強だが、実用性の面で若干の、というかかなりの問題はある。アレは乗るための車ではなく、自宅ガレージにあるのを眺めて恍惚とするための車だ。
実用的で、それでいて値落ちしにくい車といえば、やはりポルシェ911か。なかでも「空冷911」である。なぜ水冷ではなく空冷なのか? ご説明しよう。
空冷911の値段は今後、上がることはあっても下がることはない(たぶん)
車としての話ではなく純粋にリセールの観点では、まず初代水冷であるタイプ996(1998~2004)は避けたい。GT3は別として、通常のカレラは人気薄のため今でも十分安く、この先さらに爆安になることも考えられる。特に前期996は何かと難しいだろう。その次の世代であるタイプ997(2004~2011)は、現状まずまずのリセール額をキープしているが、今のところ数が少ない現行991の中古車流通が本格化するとイッキに安くなる可能性も。最新のタイプ991(2011~)はまだ数が少ないため、リセール相場もイマイチ不明確。まぁもうしばらくは間違いなく高値が続くだろうが、その先は不明だ。次世代911が強力な魅力を備えたものだった場合、タイプ991の価格崩壊がないとも限らない。
その点、空冷911は「もう下がりようがない」という地点にいるのだ。空冷エンジンを搭載するポルシェの新車が今後製造される可能性は99.99999%ないため、世界中に星の数ほどいる「空冷911が欲しくてたまらない人」は、今地球上にある空冷モデルの中から選ぶほかない。人気があって、希少で、代替の利かないモノの値段は、上がることはあっても下がることはないのが市場経済の常。それゆえリセールに絞って話をするならば、経済合理的な選択は空冷911なのである。
もちろん、空冷911にはオイル漏れというやっかいな問題がつきまとい、その修理には結構なお金がかかる。そこを考える必要はあるが、少なくとも言えるのは「ネットの掲示板とかで騒がれてるほどしょっちゅう壊れるわけではない」ということと、「安く直す方法もある」ということだ。さらに言えば、決してオススメはしないが「オイルを継ぎ足しながら乗る」という裏ワザだってなくはない。
以上はあくまでもリセール額というか値落ち率だけに話を絞った極論であり、タイトルの「空冷ポルシェ911に乗ればお金が貯まります!?」というのも“つかみ”だけのハッタリだが、空冷911という稀代の名車は、フツーに存在している今のうちに手に入れておいた方がいいのだけは絶対に確か。ということで今回のわたしからのオススメはずばり「空冷ポルシェ911」だ。