【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、自営業者の車選びを考える
カテゴリー: クルマ
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2014/05/13
全国の自営業者諸君、次はガイシャに乗りましょう!
持ち物で値踏みされる我々には「輸入車」が必要だ
これをお読みの方の大半は、正規・非正規雇用を問わず、いわゆるサラリーマン(被雇用者)でいらっしゃると思うが、しかし世の中には「自営」の人もけっこう多いものだ。
総務省統計局によれば、日本の15歳以上の有業者は約6200万人で、そのなかで被雇用者は約5140万人。冒頭で申し上げたとおり大半の人は広義のサラリーマンであるわけだが、逆に言えば全国には1000万人以上の、オーナー社長を含む「自営業の人」がいるわけだ。
で、筆者も「自営業の人」だからよくわかるのだが、自営業者というのは持ち物や乗っている車などで判断されるというか、値踏みされるケースがけっこう多い。それが良いとか悪いとかの話ではなく、とにかくそうなのだ。それゆえだろうか、例えば自動車メディア業界におけるフリーカメラマンの輸入ステーションワゴン比率は異常に高い。
さて、自動車メディア業界は特に「乗ってる車」で値踏みされがちな世界なわけだが、それとは全然違う業界・産業で活躍されている自営業者の皆さんにも、お伝えしたいというか提案したいことがある。
あなたの営業車兼自家用車を「輸入車」に替えてみてはいかがか?
いやもちろん、今さら「ガイシャ=ステイタス」みたいな時代じゃないことは重々承知している。しかし根深いところでの「輸入車神話」のようなものは、いまだに色濃く残っているのだ。
それが証拠に、自宅ポストに投函される分譲マンションのチラシをご覧いただきたい。完成予想イラストに描かれている車はほぼ100%、輸入車だ。「日本のマンションなんだから日本車を描こう」という勇気あるプランナーはいない。「輸入車=ステキ、おしゃれ、お金持ち」的な古くさい観念が、21世紀の日本にも色濃く残っている証左である。
人は儲かってそうな店や人にお金を投じるものです
その本質的な善悪について論じるのは他のマジメな先生方に任せるとして、筆者が言いたいのは「そんなステレオタイプなイメージがまだ強いんだから、自営業者としてはそれを利用してみてはどうですか?」ということだ。
あなたがどんな業界の自営業者さんかは知らないし、ホンダフィットが悪いわけでも決してないのだが、しかしクライアントとの商談にはフィットで行くよりも、例えばだがフィアットの現行パンダで行くほうが「繁盛してる業者感」は強くなる。なぜか単価も上がりそうだ。芸人でもラーメン屋でもそうだが、人は繁盛しているものに弱い。繁盛している店や人にお金を払いたがる。その習性を利用するのだ。
もちろん、経営者としてコスト低減は常に意識したいため、無駄に高額な輸入車など買う必要はない。いや買いたければアストンマーティンでも何でも買えばいいとは思うが、基本的には現行パンダのレベルで十分「繁盛してる感」は演出できる。
下記物件リンクは、さしあたり筆者が選んだ「車両200万円以内、総額200万円ちょい以内の“センスがよくて繁盛してる自営の人”感が演出できる輸入車」の数々である。もちろんそういった演出だけでなく、実際乗って楽しい車種だけを集めてみたつもりだが。
ということで今回の伊達セレクションはずばり「自営業者向け(?)ヨーロピアン・コンパクト」だ!
昨年6月に登場したフィアットの現行パンダ。新車価格は車両だけで200万円超ですが、中古車なら支払総額で見て190万円台ぐらいでイケるはず
非同じVWポロでも普通のポロだと少々おしゃれ感に欠けますが(※個人の感想です)、クロスポロならグッとセンスの良い仕事人に見えるかも!
おしゃれ自営業者といえばミニのクラブマンやクロスオーバーが定番。荷物を積む必要がない職種ならば普通のハッチバックのミニでもいいでしょう
【伊達軍曹 Sergeant DATE】東京都杉並区出身の輸入中古車研究家。外資系消費財メーカー本社勤務の後、出版業界に。現在は「輸入中古車は、その価格にかかわらず素晴しい!」との見方を核とする輸入中古車研究家として各誌で活躍。雑誌「カーセンサーEDGE」では「中古車相場 威力偵察隊」を連載中