【オンリーワンを探せ】レーシングカーで公道を走る、というコンセプトのトミーカイラ ZZ
カテゴリー: クルマ
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2013/11/26
原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2013年11月18 日に発見したのは「トミーカイラ ZZ」です。日本初のチューニングカーメーカーで、ZZが発表されたのは1995年のことでした。ちなみに「ゼットゼット」ではなく「ジージー」と読みます。
トミーカイラは冨田氏と解良氏が設立したメーカー。両氏が「自分たちの手による車を作りたい」という夢を実現したとき、既に“爺さん”になっていたので「冨田爺さんと解良爺さん→爺と爺→ジージー」と名付けられたそうです(笑)。
アルミ製のモノコックシャシーに、4輪ダブルウイッシュボーンのサスペンションを取り付け、FRP製のボディを被せたレーシングカーと同じ構成を採用。ミッドシップされたエンジンは当時の日産 プリメーラに搭載されていた2L直4エンジンでしたが、ドライバーの好みに調整できるよう、電子制御式燃料噴射装置からケーヒンのキャブレターに交換されています。
最高出力は180ps。数値だけ聞くと大したことはないのですが、車両重量が710kgですから当時のロータス エリーゼに勝る動力性能でした。エンジン以外を独自設計したのは光岡自動車のゼロワンと同じですが、ゼロワンはロータス セブンのレプリカと言っても過言ではありません。その点、ZZは唯一無二のオリジナルです。
開発コンセプトは色々うたわれていますが、基本は「レーシングカーで公道を走る」というもの。軽量にこだわりつつも、維持しやすいこと(主要部品の供給体制は自動車メーカー直結)も考えられていたのが凄いんです。
ZZはイギリスで生産され、200台強しか作られなかったそうです。ある意味、フェラーリの限定車よりも希少価値が高いんです(笑)。レーシングカー設計のセオリーで作られていますから走らせる喜び、運転する楽しさや達成感は、そんじょそこらのスポーツカーには負けません。
大切に乗るもよし、サーキットで楽しんでもよし、最新の技術でどんどんアップデートしていくのも良いでしょう。16年落ちのZZですが走行距離はたったの6000㎞。前オーナーは色々と手を加えたようですし、新車時に498万円だった車が「338万円」もしてもやむを得ません。「乗り手を選ぶ」と当時のカタログにうたわれていたレーシングカー、チャレンジしてみませんか?
Text/古賀貴司(自動車王国)