【オンリーワンを探せ】世界200台強しか存在しないAMG190E
2012/12/18
原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2012年12月13日に発見したのは「AMG 190E3.2」です。生産台数は200台ちょっと、というレアな車です。日本での生息台数の少なさは想像に難しくありません。新車時価格は1000万円オーバーで、同じAMGのEクラスとほぼ一緒でした。ちなみにこの頃、AMGはまだ独立チューナーでした。
ノーマルのM・ベンツ車にAMGのエアロ、ホイール、マフラーを装着した“仕様”は数多く存在しますが、これは正真正銘AMGが手がけた190Eです。当該車両の珍しいのは、エアロパーツ未装着仕様なところ。ファースト・オーナーがそうしたのでしょうが、かなり“通”な選択肢です。パッと見では、AMGホイールとマフラーエンドを装着しただけに見えますが、実際には羊の皮をかぶった狼です。
ボンネットを開けると、そこには3.2L直6エンジンが。これは当時のEクラスが搭載していた3L直6をベースにロングストローク化したもので最高出力234ps、最大トルク32.2kg-mまでパワーアップされています。今となっては大した数値ではないかもしれませんが、190Eというコンパクトセダンには十分過ぎるパワーでした。ハイパワー化にともない足回り、ブレーキなども手が加えられたほか、内装もAMG専用に仕上げられています。
販売店によると、当該車両はヤナセでしっかりメンテナンスされてきたようで、ショックアブソーバー4本やラジエターリザーブタンク、AMG専用エアクリ追加ダクトホースなども交換済みとのことです。あとは油脂類やタイヤ交換といった基本的なメンテナンスさえ怠らなければ、21年前の車とて普通に乗ることができそうです。
250万円という金額は高く感じるかもしれませんが、それだけレアな車であり「250万円でも欲しい」という方がいるからこその値段なのでしょう。もはや相場がないような車で、立派なネオクラシックカーです。そして、Sクラスを凝縮したような車にSクラスの動力源にもなりえるパワーユニットを搭載しているのですから、走りが気持ち良くないわけがありません。乗れば“特別な車”であることをハッキリ認識させてくれますよ!
Text/古賀貴司(自動車王国)
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