レクサス IS≪モデル概要&購入アドバイス編≫
2010/05/21
強力な欧州のライバル車に真っ向勝負を挑む
走りを追求したプレミアムスポーツセダン
モデル概要
トヨタ自動車が展開するプレミアムカーブランド、レクサス。このFR系モデルの中で、最もコンパクトかつスポーティな位置づけなのがISだ。欧州車ならメルセデス・ベンツCクラスやBMW3シリーズが同じクラスに属すライバルだが、ことに操縦安定性についてはBMWが明確なターゲットになっていた。
グレードはエンジン排気量別にIS250とIS350があり、それぞれ標準車、上級仕様のバージョンL、スポーツ仕様のバージョンSというバリエーションでデビュー。後に標準車の装備を充実させたバージョンIのほか、ハイパフォーマンスなIS F、コンバーチブルのIS250Cといった派生モデルも加わっている。
メカニズム
3種類のV型エンジンをラインナップ
プラットフォームは、よりプレミアムなモデルであるレクサスGSやトヨタクラウンと共用。ISのボディサイズに合わせ、ホイールベースが短縮されている。サスペンションは前ダブルウィッシュボーン/後マルチリンク方式を採用。エンジンはIS FがV8、それ以外の全グレードはV6を搭載する。V8は5L、V6は2.5Lと3.5Lと2種類の排気量が用意されており、いずれもガソリン直噴方式。5Lと3.5Lエンジンはポート噴射も併用するツインインジェクター方式を採用しており、燃焼の安定化を図ることで高出力と低燃費の両立を果たしている。
トランスミッションはIS Fが8速になる以外、全グレード6速AT。ステアリングから手を放さずに変速できるパドルシフトを、全車に標準装備する。
ドライブフィール
車との一体感が味わえるモデル
インテリジェントスポーツの名に違わぬ硬派なドライブフィールで始まったISシリーズも、年次改良を経てテイストを修正。初期型が“スポーツ”にウェイトを置いていたのに対し、次第に軸足が“インテリジェント”に移ってきている。特に顕著な改良が加えられたのが、2008年9月以降のモデル。応答性や乗り心地をマイルドにしながらも、車との対話感が増した懐の深い乗り味となっている。この改良では、静粛性や走行安定性が一層向上している点にも注目したい。
動力性能は2.5Lでも十分満足できるレベル。3.5Lは、公道ではその能力を存分に発揮できる機会はないほどパワフルだが、低回転を常用できるため静かで燃費も良い。「上質感のために3.5Lを選ぶ」という選択も十分にありだ。
内外装
随所に盛り込まれた日本の美意識
デザインテーマの根底にあるのは、レクサス車共通となる「L-Finesse(エル・フィネス)」。「先鋭」を意味するリーディング・エッジと、フィネス=精妙という異なる2要素の両立を狙いとする。象徴となるのが「アローヘッドデザイン」。コーナー部分の先端を鋭角にしながら内側を曲線とするこの手法は、フロントグリルの左右端や、側面から見た際のCピラー面に使われている。それ以外にも、華道で意図的にバランスを崩す“外し”や、日本刀の太刀筋をイメージした“切り返し”など、内外装には和の美意識に基づいたさまざまな手法が用いられている。 居住性や使い勝手に関しては、サイズ相応のオーソドックスなもの。肌触りの良い本革シートは、バージョンLとIS Fに標準装備となる。
購入アドバイス
狙い目グレード
特にこだわりがないなら2007年式以前から
全体的に流通量が少ないため、探しやすさ第一で考えるならIS250がおすすめだ。なかでも流通量が多いのは標準車とバージョンL。両者の違いは本革シートやメモリー機能付きドアミラーといった装備の有無だが、これらにこだわらないなら標準車でも十分にレクサスのプレミアム感を味わえる。走行性能を求めるなら2008年9月以降のモデルだが、どのグレードも2007年式を境に流通量が減少し、相場は大幅にアップするので、それ以前のほうが探しやすい。購入時チェックポイント
動かせる個所はすべて動作チェックを
いかにプレミアムカーでも、丁寧に使われていたとは限らない。前オーナーの使い方で変わるものなので、内外装ともヘタリ具合をしっかりチェックしよう。シェードやチルトステアリングなどが電動の場合は、動作チェックも忘れずに。リコール情報はいくつかあるが、特に対象台数が多いのは前席シートベルトの不具合。これは2005年9~12月に生産された車両の一部に見られるものなので、該当する場合は対策品と交換されているかを整備手帳で確認しよう。日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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