高い動力性能としっかりした足回りで
意のままに操れるスポーティなFRセダン

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モデル概要

日本を代表するトラディショナルな4ドアセダンとして親しまれてきた日産スカイライン。初代は昭和32年に誕生し、現行のV36型で12世代を数える。

3代目で登場したGT-Rのイメージが強かったため、ユーザーからは常に高いスポーツテイストが求められてきた。V36型は感性に訴える走りで、その要望に応えている。低回転、高トルクで燃費を稼ぐ時代にあって、あえて高回転型のエンジンを採用。左右完全対象の吸排気系レイアウトなどで、濁りのないサウンドを作り込んでいる。

特に、インフィニティ“G”シリーズとして販売される北米での評価は高く、現地ではBMW3シリーズの好敵手という存在だ。

メカニズム

エンジンは3種類で、5ATと7ATが存在

全モデルにV型6気筒のVQ型エンジンを搭載。これは北米の雑誌社が主催する“10ベストエンジン賞”において、14年連続で選ばれた世界唯一のエンジンだ。排気量は2.5Lと3.5Lでスタートしたが、2008年12月の一部改良で3.5Lを3.7Lに換装。このエンジンには、連続可変バルブリフト機構“VVEL”が採用されている。

トランスミッションには、減速時にエンジン回転数を合わせてスムーズに変速できるシンクロレブ制御を採用。デビュー時は5ATだったが、2008年12月に3.7L車が、2010年1月には2.5LのFR車が7ATとなった。

サスペンションは前ダブルウィッシュボーン/後マルチリンク。前後輪の操舵角を制御し、高速での安定性や応答性を向上させる4輪アクティブステアをオプションで設定する。
日産 スカイライン 3.7Lエンジン|人気中古車完全カタログアクセルの踏み込みに応じて、吸気バルブ の作動角とリフト量を制御するVVELを搭載した3.7Lエンジン。鋭いレスポンスと高出力、低燃費、排ガスのクリーン化を実現している
日産 スカイライン シフトレバー|人気中古車完全カタログシフトレバーは扱いやすいショートストロークタイプ。通常のDモードに加え、よりスポーツ走行に適した変速を行うDSモードも装備する。マニュアルモードは全車に採用

ドライブフィール

高回転域までしっかり回せるエンジン

走りのしっかり感は、国産車屈指。欧州車と比較しても、その走行性に劣るところは感じられない。ステアリング操作に対する反応は常に一定で、コーナリング中の安心感が高いのはもちろん、大きなギャップを通過した後でも、振動はすぐに収まってくれる。

動力性能的には、2.5Lでも一般的なドライバーには十分。エンジン回転数の限界を表すレブリミットは7500rpmと、ライバル他車より1000rpm前後高く、高回転までよどみがない。サウンドも官能的で、回す楽しさが存分に味わえる。

3.5Lエンジンはさすがにパワフルで、腕に覚えのあるドライバーなら、高いシャーシ性能を存分に楽しめるだろう。その上の3.7Lになると、公道でパフォーマンスを使い切るのがはばかられるレベルだ。
日産 スカイライン 走り|人気中古車完全カタログ高剛性・低振動ボディや、応答性が高くショックも低減するサスペンションなど、走行性と快適性を重視して開発。素直なハンドリングで意のままに操る快感も味わえる一台だ
日産 スカイライン 左右完全対象型の吸排気システム|人気中古車完全カタログレーシングカーには常識となっている、左右完全対象型の吸排気システムを採用。吸排気効率を向上させるだけでなく、クリアで心地よい排気音にも貢献している

内外装

躍動感と上質さも併せ持った内外装

V36スカイラインのデザインテーマは、「ダイナミックフォース、モダンウォームス、クラフトマンシップ」だ。FR車らしいロングノーズのプロポーションで躍動感を演出。抑揚のあるラインとしたことで、モダンでありながら有機的な温かみや色香を表現し、人の手で磨き込んだような面のつながりを重視している。

フロントマスクは“ダブルアーチグリル”を先代から継承。リアコンビネーションランプには、4代目から採用された丸型4灯式が引き継がれている。

インテリアはスポーティセダンらしい骨太さに上質さをプラス。標準装備のアルミパネルは、表面研磨によって和紙のイメージを表現している。後席はリクライニングができるほか、アームレスト部はトランクスルーとしても活用可能だ。
日産 スカイライン 外観|人気中古車完全カタログ上下に孤を描くダブルアーチグリルは、立体的な造形でより質感を向上。抑揚のある面が生み出す表情は、アスリートや競走馬の筋肉をイメージしたもので、生命力を感じさせる
日産 スカイライン インパネ|人気中古車完全カタログコックピットのような囲まれ感をもつ運転席回り。ステアリングとシフトノブは本革巻きだ。写真の本木目パネルはオプションで、高級家具にも見られる素材を採用する

購入アドバイス

狙い目グレード
できるだけ流通量の多いグレードで探そう
改良を重ねるごとに装備が充実していくが、比例するかのように流通量も減少。特に2008年式以降はかなり少ないので、2007年式以前で探すのが得策だ。もともと装備が充実しているので、改良前のモデルでも不満はないはず。グレード別では、流通量の最も豊富な250GTがおすすめ。2.5Lでも動力性能は申し分なく、スカイラインらしさを十分に味わえる。さらなるパワーを求めるなら、2007年式の350GTタイプSもしくはタイプSPが探しやすくて◎。
購入時チェックポイント
チューニングが施された物件も多数
スポーツ走行が行われていた物件なら、クラッチやシフトの動作に注意したい。外装も下回りまでしっかりチェックしよう。エンジンや足回り も気になるポイント。試乗できない場合も、せめてエンジンをかけて異音のチェックはしておきたい。リコール情報では、運転席側エアバッグの不具合が挙げられている。これは2009年9月から10月にかけて製造された車両の一部が対象。該当車の場合は、エアバッグ交換が行われたかを整備手帳で確認しておこう。