トヨタ bB(現行型)≪モデル概要&購入アドバイス編≫
2010/03/05
イカツいルックスとクールな内装で
エッジな若者層を狙った個性派モデル
モデル概要
現代の若者のライフスタイルを徹底研究し、“クルマ型ミュージックプレイヤー”という大胆なコンセプトで作られたのがトヨタbB。開発キーワードは「音・光・まったり」。「まったり」には、くつろぐという意味だけでなく、他者から干渉されずに、ストレスを感じないという意味も込められている。車という空間の隔絶性を新たな価値として提案した一台だ。
全長3.8mというコンパクトなサイズながら、全高を1635mmと高めに取ることで、ゆったりした室内空間を確保している。
開発はダイハツと共同で行われており、同社仕様はクーという名前で販売。スバルのデックスも、bBをベースに仕立てたモデルだ。
メカニズム
2種類のエンジンに4ATのみの組み合わせ
ベースとなるのは、トヨタとダイハツが共同開発したコンパクトカーのパッソ/ブーン。前ストラット/後トーションビーム(4WDは3リンク)のサスペンションは、これらのモデルと共用している。エンジンは1.3Lと1.5Lの2種類。いずれもDOHCの4バルブヘッドで、吸気側に可変バルブタイミング機構VVT-iを採用する。排ガス浄化装置には、ダイハツが開発したインテリジェント触媒を採用。自己修復機能をもっているため、走行距離が延びても排ガス性能の悪化が少ないのが特徴だ。
トランスミッションは全車電子制御の4AT。駆動方式はFFのほか、前・後輪間に回転差が生じるとビスカスカップリングが作動し、後輪にトルクを伝えるオンデマンド式の4WDも用意される。
ドライブフィール
乗り心地はソフトだがパワーは十分
bBは開発キーワードどおり、乗り味も“まったり系”だ。乗り心地はソフトでゆったりしており、総じて快適。ハンドル操作力は停車中から走行時まで軽く、操舵応答性もマイルドだ。とはいえ、Qバージョンなどの185/55R15タイヤ装着車はタイヤの硬さ感が目立たない一方で、操舵応答性はややシャープ。175/65R14タイヤを装着したZやSよりも、“まったり感”は弱まっている。エンジンは1.3Lでも取りたてて不満はなく、発進からの加速が力強い。さらに、80km/hからの追い越し加速も100km/h巡航も軽快にこなす。
1.5L車は1.3Lの特性をそのままに、トルクを厚くした印象。ギアレシオが同じでクルージング時の静粛性は1.3Lと変わらないため、“まったり派”なら1.3Lで十分だろう。
内外装
押し出しの強い外観とDJブース風の室内
bBがイメージしたのは“とんがった若者”。具体的には、サイバー系やクリエイター系、ロコ系、b-Boy(ヒップホップ)系だというが、フロントマスクにはb-Boy系のイメージが最も濃く表れている。ニラミを利かせた威圧感は、“ちょい悪”ではなく“ハッキリ悪”だ。内装色は2008年10月のマイナーチェンジでベージュが投されたが、基本的には黒がメイン。インパネはクラブのDJブースがモチーフで、カップホルダーやスピーカーにはLEDイルミネーションが点灯する。
前席に“まったりモード”が採用されたのも特徴。シートスライドを最後端にすると、別のレバー操作でさらに85mm後退し、80mm沈み込む。ベルトラインが高いこともあって、室内の隔絶感が高まり“まったり”できる、というわけだ。
購入アドバイス
狙い目グレード
“音と光”を重視するなら最上級グレードを
2008年10月のマイナーチェンジ以降のモデルは流通量が少なめ。この時の変更点は内外装のデザインが中心なので、特にこだわらないなら2008年式以前で探そう。特に2006年式は流通量が豊富で、気に入った物件に出会う確率も高い。グレード別では、9スピーカー(2007年8月以降は11スピーカー)+11イルミネーションの1.5Z Qバージョンが最も豊富。「bBの真骨頂は、乗り味よりもクラブライクな室内空間」と思うなら、ぜひおすすめしたい一台だ。購入時チェックポイント
内装を中心とした動作チェックを
音楽を聴きながらシートを倒して、車内でまったり…という使われ方がされていたなら、やはりオーディオとシートの動作確認は必須。また、ガラスエリアが狭めなので、運転席に座って視界の広さを前後左右とも確認しておこう。リコール情報として挙げられているのは、ステアリングシャフトとギアボックスの連結部分での不具合。2006年1月から2007年3月に生産された車両の一部が対象なので、該当する場合は整備手帳などで確認してみよう。日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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