限られた予算でも高級車の真髄を味わうことができる

「高級車」の定義が難しいところですが、新車時に贅沢な存在であったという前提で選んでみました。多少、古くなってきている車ばかりですが、それでも"良さ"が味わえるものばかりです。とてもじゃありませんが、100万円台前半で買えるような車とは思えないでしょう。乗れば乗るほどに、車を運転するたびに贅沢な雰囲気も満喫できます。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。

第10位はホンダS2000(絶版)。高級車という位置づけに入るか否か、議論の余地があるかもしれません。ただ国産車で、実用性に乏しいと言われるオープン2シーターで、新車時価格が400万円近いという事実は立派な贅沢品でしょう。あらゆる部品はS2000のためだけに開発されており、コストがかかっています。F1マシンのフロントノーズのような尖ったデザイン、どんなワインディングもスッといなす走り、1L当たり100psオーバーのエンジン、どれを取っても一流な出来映えです。

第9位はリンカーンコンチネンタル(絶版)。たっぷりとしたボディサイズながら、エレガントにまとめられたデザインが特徴的です。誰が見ても100万円ほどで購入したとは思わないでしょう。おおらかさとエレガントさの両立は、アメ車ならではの技。フラットライドを追求した足回りは柔らかさが際立っていますが、ダラーっとのんびり快適に走る究極の選択だと思います。車のグローバルスタンダード化が進むなか、アイデンティティを残している貴重な存在。

第8位はM・ベンツSクラス(旧々型)。古くなっても、安くなっても、M・ベンツのフラッグシップは、いつまでも新車時の凄さを味わえます。静粛性、快適性、そして当時の最新技術によるドライバーへのアシスト。年式的にちょいちょい壊れてくるのも事実ですから、整備記録簿でメンテナンス内容をチェックしたいところです。歴代Sクラスに当てはまるのは、疲れ知らずな走り。古いモデルでも例外ではありません。高級車としての普遍の地位、さすがです。

第7位はジャガーXJ(旧型)。ジャガーを模したようなデザインは、いつの時代でも躍動感と筋肉美を感じさせてくれるものです。前期型はライバルの欧州車に比べて、足回りがドタバタした印象を受けます。後期型は足回りも引き締まった印象で、ライバルと遜色ない走りを満喫することができます。100万円台前半でも十分狙えるので、過去の整備内容や納得できるコンディションのものを選ぶといいでしょう。壊れやすい印象があるのか中古車、不人気で安いです。

第6位はランドローバーレンジローバー(旧型)。現代のSUVがセダンと遜色ない走りを披露するのに比べると、旧型レンジローバーは旧態依然なSUVと呼べるでしょう。腰高な印象を受ける重心、右に左に深くストロークしながらコーナリングする雰囲気、どれを取っても古いんです。でも、古き良きものを堪能することができます。本革と木目パネルの使い方には、歴史と職人の技芸を感じます。ガンガンに攻める、という走り方さえしなければ満足度の高いSUVです。

フォトコレクション

写真:第10位:ホンダS2000(絶版)|なんでもベスト10

第10位:ホンダS2000(絶版)

写真:第9位:リンカーンコンチネンタル(絶版)|なんでもベスト10

第9位:リンカーンコンチネンタル(絶版)

写真:第8位:M・ベンツSクラス(旧々型)|なんでもベスト10

第8位:M・ベンツSクラス(旧々型)

写真:第7位:ジャガーXJ(旧型)|なんでもベスト10

第7位:ジャガーXJ(旧型)

写真:第6位:ランドローバーレンジローバー(旧型)|なんでもベスト10

第6位:ランドローバーレンジローバー(旧型)

Report / 古賀 貴司