THE!対決

PART2 使い勝手が優れているのはどっち?

Report/島崎七生人 Photo/奥隅圭之
トヨタ ヴェルファイア
トヨタ ヴェルファイア 運転席|THE!対決 トヨタ ヴェルファイア 後席|THE!対決
↑ 先代に対し、全高を45mm、フロアも55mm低めたため、自然なポジションで馴染みやすい。もちろん乗降性も、よじ登る感覚ではなくなった。インパネ回りの仕上げレベルの高さは、さすがトヨタ車
トヨタ ヴェルファイア ラゲージ(通常時)|THE!対決 トヨタ ヴェルファイア ラゲージ(2列目格納時)|THE!対決 トヨタ ヴェルファイア ラゲージ(2列目・3列目格納時)|THE!対決 トヨタ ヴェルファイア 格納&リアゲート|THE!対決
日産 エルグランド
日産 エルグランド 運転席|THE!対決 日産 エルグランド 後席|THE!対決
↑ ヴェルファイアより床が高い感覚はあるものの、スペースは十分。特にサードシートのゆったり感は魅力。シート座面部分のクッションの厚みはがんばっているが、背もたれの高さが低めなのは残念
日産 エルグランド ラゲージ(通常時)|THE!対決 日産 エルグランド ラゲージ(2列目格納時)|THE!対決 日産 エルグランド ラゲージ(2列目・3列目格納時)|THE!対決 日産 エルグランド 格納&リアゲート|THE!対決

ヴェルファイア、エルグランドともに広大な居住空間をもつ

両車ともに最上級クラスのミニバンであるだけに、基本的に居住空間は“豊か”だ。

ヴェルファイアは、先代(アルファード)に対し、全高を45mm低くし、フロアも55mm低めた。なので運転席からの視界は、先代ほど見晴らし感が極端でなく自然なポジションなので馴染みやすい。もちろん乗降性も、よじ登る感覚ではなくなった。

インパネ回りの仕上げレベルの高さに「さすがトヨタ車!」と納得させられる。センターパネル部の仕上げは、クラシカルな万年筆やライターによくある表面処理をイメージしたものだそう。実際に金属粉を使った凝った塗装で、質感が高くセンスも良い。

2列目は、フル乗車時に「前席より座面がもっと高くてもいい」とのコメントがあった。好み次第でもあり、リポーターは前席との関係性において適度に沈み込み感のある現状でも満足できる。

また先代アルファード以来だが、足元のカーペットのフチを樹脂の敷居部分に潜り込ませる仕掛けになっていて、カーペットがスッキリと敷かれ、足元でゴソゴソしないのもいい。

サードシートはスペース、窓の大きさなどは不満なし。座面が床から低めなのは残念だが、その分、頭上空間を稼いでいる。

広さは互角だが細部の作り込みはヴェルファイアが勝る

エルグランドは、垢抜けたインパネのセンスはいまだに魅力に感じる(途中、質感を高める手直しも実施された)。ただし最新のヴェルファイアと比べると、設計年次の差が随所に。

前席では中央部分の床がやや盛り上がっているのが気になるし、セカンドシートも分厚いカーペットが“型どおり”ではあるが、いかにも床の上に載っけてあります的。窪みのレール部分に足を置くと滑ることもある。

とはいえヴェルファイアより床が高い感覚はあるものの、スペースは十分。とくにサードシートのゆったり感は魅力。シートは座面部分のクッションの厚みは頑張っているが、背もたれの高さが低めなのは、かつての1BOX時代からの日産車の特性の一つである。

ラゲージスペースは、ヴェルファイアも先代(アルファード)より床が低くなり、エルグランドとともに、どちらも十分な低さになった。3列目を使用した状態(かつ位置はリアモースト)では、エルグランドのほうがスペースを残す。ただしヴェルファイアの3列目シートは、格納時にチカラをアシストしてくれるようになり、これは超便利。

また電動開閉式のバックドアは、手を伸ばすことなく、手元のリモコンで操作可能で便利。エルグランドは、見るからに真四角なバックドアの開口部形状に好感がもてる。上部がすぼまっていないから、大きな箱状の荷物の積み下ろしがスムースだ。
今回のまとめ
エルグランドも初期型より樹脂部品の質感など上げてはいる。が、最新のトヨタ車が相手では歯が立たない。仕上げ、機能の両面で細部への気配りが行き届いているヴェルファイアの勝ちとしたい。
今回のテスト車両
トヨタ ヴェルファイア フロント|THE!対決
トヨタ ヴェルファイア リア|THE!対決
トヨタ ヴェルファイア インパネ|THE!対決
トヨタ ヴェルファイア
テスト車両 3.5Z Gエディション
416.0万円
駆動方式 2WD(FF)
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 4865×1840×1900
ホイールベース(mm) 2950
車両重量(kg) 2000
最小回転半径(m) 5.9
乗車定員(人) 7
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 3456
最高出力
[kW(ps)/rpm]
206(280)/6200
最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm]
344(35.1)/4700
使用燃料 無鉛プレミアム
燃料タンク容量 65L
10・15モード燃費
(km/L)
9.5
実用燃費 (km/L)
e燃費提供
8.2
タイヤサイズ 235/50R18
※実用燃費のデータはe燃費の提供です
日産 エルグランド フロント|THE!対決
日産 エルグランド リア|THE!対決
日産 エルグランド インパネ|THE!対決
日産 エルグランド
テスト車両 350ハイウェイスター
ブラックレザーエディション
386.4万円
駆動方式 4WD
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4835×1815×1910
ホイールベース(mm) 2950
車両重量(kg) 2160
最小回転半径(m) 5.7
乗車定員(人) 8
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 3498
最高出力
[kW(ps)/rpm]
177(240)/6000
最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm]
353(36.0)/3200
使用燃料 無鉛プレミアム
燃料タンク容量 76L
10・15モード燃費
(km/L)
8.0
実用燃費 (km/L)
e燃費提供
6.5
タイヤサイズ 215/60R17
※実用燃費のデータはe燃費の提供です