THE!対決

PART3 取り回しや駐車のしやすさが優れているのは?

Report/島崎七生人 Photo/奥隅圭之
トヨタ ヴェルファイア
トヨタ ヴェルファイア 縦列駐車|THE!対決 トヨタ ヴェルファイア 車庫入れ|THE!対決
↑インテリジェントパーキングアシストを採用。画面上で目標位置をセットすることで、縦列駐車、車庫入れを超低速の“自動運転”で車が行ってくれる。コツは目的位置の認識のさせ方だ
トヨタ ヴェルファイア 前方視界|THE!対決 トヨタ ヴェルファイア 後方視界|THE!対決 トヨタ ヴェルファイア 駐車システム|THE!対決
日産 エルグランド
日産 エルグランド 縦列駐車|THE!対決 日産 エルグランド 車庫入れ|THE!対決
↑アラウンドビューモニターは装置としてなかなかの力作。上空から自分の車を眺めながら操作しているかのような感覚で、駐車スペースの枠とその周辺の確認が可能
日産 エルグランド 前方視界|THE!対決 日産 エルグランド 後方視界|THE!対決 日産 エルグランド 駐車システム|THE!対決

革命的なエルグランドのアラウンドビュー

今回の試乗車は、どちらも全長は4800mm台。全幅はヴェルファイアでは1840mmに達する。

多分、実際に自分で運転したことのないドライバーだと「こんな大柄な車、自分に運転できるのかしら?」と気後れしてしまうかもしれない。だがご存じの通りミニバン(やSUV)は、高めの運転席による視界の広さが大きなメリットの一つ。実際に運転してみれば、思いのほかすんなりと走らせられる。

同様に縦列駐車、車庫入れといったリアルワールドでの取り回しも、想像するより苦心しない。今回のロケでも、縦列駐車時の前後の車の間隔はいつもどおりの6m。が、ソコへ入れようとしていた車が大柄だったせいか、スタッフから「今回は間隔を広げましょうか?」の声まで出た。が、心配は無用だった。

といっても、実はリポーターの技量ですべてまかなったというわけではない。両車それぞれの“駐車支援システム”が助けてくれたから。というか、「大助かりだった!」と太字で書いておいてもいいくらい、しっかり役割を果たしてくれたのを実感した。

特にエルグランドの「アラウンドビューモニター」は、装置としてもなかなかの力作。カーナビで地図を俯瞰で眺める“バードビュー”を最初に打ち出したのも日産だったが、同様にあたかも上空から自分の車を眺めながら操作しているかのような感覚だ。車の4方向のカメラ画像を、あたかも360度のパノラマで見渡しているように画面上でつながって見えるように処理。精緻とは言えないまでも、駐車スペースの枠とその周囲の確認は可能。

登場時、宙に浮いたドライバーが車を操作するCMがあったが、上空から“もう一人の自分”が自分の車を見下ろしながら操作している感覚・・・といえば、よりわかりやすいか。画面は左側方の死角確認用にも切り替え可能。いずれにせよ、駐車支援の補助装置としては、なかなか“使える”と判断できた。

コツはあるものの、有効性は不変のインテリジェントパーキング

もう一方でヴェルファイアだが、コチラにも秘密兵器(秘密ってわけではないが・・・)があった。それが現行プリウスからトヨタ車に設定される「インテリジェントパーキングアシスト」だ。超音波センサーを利用し、画面上で目標位置をセットすることで、縦列駐車、車庫入れを超低速の“自動運転”で、クルマが代わって行ってくれるというもの。新型車のすべてにコレが付いていれば、リポーターのこのパートの仕事が楽になる(なくなる!?)というものだが、今回のロケでもその有効性は再認識できた。

コツは目的位置の認識のさせ方で、クルマとの間隔や角度(実行前の停止位置ということ。離れすぎていると“近づけ”と案内がある)の取り方を心得さえすれば、ちょっと慎重に車を車庫入れする人程度の所要時間で作業は完了。ステアリングから完全に手を離した状態で、目の前でスルスル・・・とステアリングを回しながら車が自分で車庫に入ってくれるサマは、躾けの行き届いた飼い犬が自らケージに入っていく感じ。コチラもギミックの域を超えた、実用的な機能だ。

・・・というわけで、今回の2車には、それぞれオプション設定のユニークな機能が装備されていたので、それを試すことをメインとした。もちろん、それらの助けもあり、大柄なボディでも取り回し時の負担は小さいし、視界関係も不満は感じなかった。
視界チェック計測結果
  前方視界
車から1mはなれて
後方視界
車から1mはなれて
トヨタ ヴェルファイア 93cm 137cm
日産 エルグランド 90cm 127cm

今回のまとめ
インテリジェントパーキングアシストの投入技術は脱帽もの。が、エルグランドのアラウンドビューモニターは、実際に使うまでは「本当に使えるの!?」と思えるが、本文でリポートしたとおり、違和感なく利用できる。言葉は古いがなかなかの「スグレモノ」であった。駐車支援装置として斬新な視点を提案したエルグランドの勝ちとする。
今回のテスト車両
トヨタ ヴェルファイア フロント|THE!対決
トヨタ ヴェルファイア リア|THE!対決
トヨタ ヴェルファイア インパネ|THE!対決
トヨタ ヴェルファイア
テスト車両 3.5Z Gエディション
416.0万円
駆動方式 2WD(FF)
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 4865×1840×1900
ホイールベース(mm) 2950
車両重量(kg) 2000
最小回転半径(m) 5.9
乗車定員(人) 7
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 3456
最高出力
[kW(ps)/rpm]
206(280)/6200
最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm]
344(35.1)/4700
使用燃料 無鉛プレミアム
燃料タンク容量 65L
10・15モード燃費
(km/L)
9.5
実用燃費 (km/L)
e燃費提供
8.2
タイヤサイズ 235/50R18
※実用燃費のデータはe燃費の提供です
日産 エルグランド フロント|THE!対決
日産 エルグランド リア|THE!対決
日産 エルグランド インパネ|THE!対決
日産 エルグランド
テスト車両 350ハイウェイスター
ブラックレザーエディション
386.4万円
駆動方式 4WD
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4835×1815×1910
ホイールベース(mm) 2950
車両重量(kg) 2160
最小回転半径(m) 5.7
乗車定員(人) 8
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 3498
最高出力
[kW(ps)/rpm]
177(240)/6000
最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm]
353(36.0)/3200
使用燃料 無鉛プレミアム
燃料タンク容量 76L
10・15モード燃費
(km/L)
8.0
実用燃費 (km/L)
e燃費提供
6.5
タイヤサイズ 215/60R17
※実用燃費のデータはe燃費の提供です