フォルクスワーゲン ゴルフ VS シトロエン C4 PART.2 走行編
2009/06/17
フォルクスワーゲン ゴルフ 走行
主要諸元のグレード:TSIコンフォートライン | |||||
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ボディサイズ [mm] |
ミッション | エンジン種類 | 最高出力 [ps] |
最大トルク [kg-m] |
10・15モード燃費 (km/L) |
4210×1790×1485 | 7AT | 直4DOHC+ターボ | 122 | 20.4 | 16.8 |
走る・曲がる・止まるがちゃんとした“完璧”な車
今回試乗したVW ゴルフのグレードはTSI コンフォートライン。走らせてみてまず実感するのは「何と完璧な自動車なのだろう」ということ。走る・曲がる・止まるがちゃんとしている…文字でこう書けてしまえるほどのスキのなさなのが、とにかく凄いところだ。
特に乗り味のしっかり感、安心感はたいしたもの。高い実力だったV型に対しても、さらに磨きがかけられた。前回、窓の形状がV型と同じことに触れたが、実はフロントガラスとドアガラス(前席)はモノが違い、厚み、構造を変更し室内の静粛性を上げた。そのことも効いているし、ボディ剛性も相変わらずの高さであり、フラットで大入力も受け止めるボディと足は、乗員に“守られている感”をしっかり味わわせてくれる。
またステアリングの電動パワーアシストも、ポンプ式だった頃の“スムーズで適度な重み”がついに完璧に再現された。なので街中でもコーナリング中でも、常に安心して走りに集中できる。参考までに山道では、ツインチャージャーよりコチラのほうが、車自体がより身軽で自然な身のこなしを実感させてくれる印象でもある。
もちろん1.4Lシングルチャージャーは、これ以上の性能は不要と思える十分な動力性能で、7速DSGがその性能を一滴も無駄にせず走りに変換している感じ。ツインクラッチのつなぎ目のないスムーズな変速も、先代以上に自然さを身につけた。
シトロエン C4 走行
主要諸元のグレード:1.6T エクスクルーシブ | |||||
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ボディサイズ [mm] |
ミッション | エンジン種類 | 最高出力 [ps] |
最大トルク [kg-m] |
10・15モード燃費 (km/L) |
4295×1775×1480 | 4AT | 直4DOHC+ターボ | 140 | 24.5 | 10.5 |
スペック以上の力強い加速を示すC4セダン
新しいC4(グレードは1.6T エクスクルーシブ)を走らせて、まずそのパワフルさに驚かされた。
アクセルを踏み込んで、ほんとうに「冗談でしょ!? 」と感嘆してしまったくらいだ。従来型がまるでゴム長靴で100m走をさせられていたように思えるほどで、とにかく目覚ましく速い加速を示す。140ps/24.5kg-mのスペックは、実はミニクーパーSやプジョー308GTiより35psも控えめなチューンなのだ。が、体感上はまったく同等の感覚で、グイグイと車が前に引きつけられる(または押し出される)。野蛮な、とか、ジャジャ馬的な…といった粗暴なマナーでこそないのが、むしろ不思議なほど。アクセルワークに対し、柔順にというよりヴィヴィッドに反応してくれるサマは、目から何枚もウロコが落ちる。
対して乗り味およびサスペンションのマナーは、普通のC4セダンだった。つまり前述のハイパワーに対応させ、ことさら締め上げた足になっている…という風ではない。なので、エンジン性能をもとに攻め込むと、欧州車には珍しく“エンジンのほうが速い”ことを体感させられる場面も。が、理性を働かせておだやかに走っている領域ならば、本来のシトロエン C4らしい、おっとりと懐の深いストローク感とフラットライドが楽しめた。その意味では従来型の2Lタイプよりも17インチタイヤの悪影響は少なく、快適なドライブが楽しめるようになっている。
本文でリポートしたとおり、C4の新しいエンジンには、走らせて目が覚めた。なので4速ATなのが何とも歯がゆく思えたのも事実。4速のギア比は0.710だが、ミニのように6速なら、より積極的な走りが楽しめる幅が広がるだろうに…と思う。対して新型ゴルフは、相変わらず実用車の鑑としての説得力にあふれている。というかキャリーオーバーの部分を信頼性の高さにつなげ、生かし、高い商品性をイキなりモノにしている印象だ。
フォルクスワーゲン ゴルフ | 5点 |
シトロエン C4 | 4点 |
次回はVW ゴルフとシトロエン C4の居住性&積載能力をチェックするぞ!