フォルクスワーゲン ゴルフ VS シトロエン C4 PART.4 総合評価編
2009/06/19
フォルクスワーゲン ゴルフ 総合評価
主要諸元のグレード:TSIコンフォートライン | |||||
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ボディサイズ [mm] |
ミッション | エンジン種類 | 最高出力 [ps] |
最大トルク [kg-m] |
10・15モード燃費 (km/L) |
4210×1790×1485 | 7AT | 直4DOHC+ターボ | 122 | 20.4 | 16.8 |
「この車いいよね」と素直に言える新型ゴルフ
ゴルフがフォルクスワーゲンのスタンダードだという定義は、今でも通用する。けれどトヨタ車でいえば、今やカローラではなくプリウスかもしれないし、ホンダならシビックではなくフィット…と、他社のスタンダードは世のすう勢に合わせ変化しているようにも見える。
愚直なまでにずっとFF・2ボックススタイルを守り続けてきたこと。ゴルフにとってそれは大きな財産だ。たとえ初代オーナーが、今再び乗りたいと思っても、同じゴルフが今もある…なんてシアワセではないか。その見方でいうと、必ずしも最新型ではなく、歴代ゴルフのどれかに今から乗ってもいい。もちろん世代が違えば、現在に対し、時代分の技術の進化、センスの違いがあるかもしれない。が、今から見ても、歴代のどのゴルフであっても発見があるし、実際に乗ってフォルクスワーゲンの車作りの理念に肌で触れ勉強にもなったりする。
最新ゴルフは、すでに触れたとおり先代の大幅な進化版だ。だが、そのしたたかな戦略は、決して景気の良くない今だからこそ光るように思う。ゴルフは常にこのクラスの教科書であると同時に、自らがいつも模範解答なのだと思う。
そして実際に乗ってみても、決して先代の焼き直しなどとは思わない。静かで乗り心地も良くなっているし、走りだって十分。だから、何の不満も感じない。もしかすると評論する余地さえないのではないか!? と思わせられる車。「この車いいよね」と素直な気持ちで言える車だ。
シトロエン C4 総合評価
主要諸元のグレード:1.6T エクスクルーシブ | |||||
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ボディサイズ [mm] |
ミッション | エンジン種類 | 最高出力 [ps] |
最大トルク [kg-m] |
10・15モード燃費 (km/L) |
4295×1775×1480 | 4AT | 直4DOHC+ターボ | 140 | 24.5 | 10.5 |
今も色あせない雰囲気&実用性を備えたC4
個人的な話を一つだけお許しいただくと、以前に一度リポーターは、このシトロエン C4セダンを自分で購入する寸前まで話を進めたことがあった。排気量、ボディカラーも決め、フェイスリフト前のクーペのフロントバンパーをセダンに移植できないか?(開口のディテールが違ったが形状が同じで交換可能そうだった)などと問い合わせるまで行った。
結局、縁がなくその話は立ち消えに。しかし、当時そう思った根拠を思い出すと、シトロエン C4が「実用車なのに個性が楽しめそうな、シトロエンらしい車に思えた」からだった。車に限らずコンピュータでも、鞄でも、自分が使って楽しい気持ちになれるようなモノと常に過ごせたら楽しいではないか。シトロエン C4の個性的なデザインには「この車、楽しいよ」のメッセージが込められていたように思ったのだった。
無論、その思いは今も変わらないし、同じクラスでもゴルフとは方向性が180度違う車だとも思っている。なのでC4を選ぶユーザーは、実質より雰囲気重視かもしれない。が、決して実用がおろそかではなく、室内は広く明るく、乗り味もいいし…とC4の魅力は今でも色あせていない。
が、ツインスクロールターボ搭載の最新型のあの目覚ましい加速といったら!! “普通にノーマルな外観”のクセに、まったく驚かされた。
ゴルフが機能にかけて完璧だとしたら、C4は個性が得意科目で、両車の方向性は違っている。この両車の対決は、異種格闘競技とさえ言っても過言ではないだろう。そうした違いを認めた上で、あえて両車を比較した場合の評価となると、やはりゴルフが満点の5点で、C4は4点だろうか。
走り | 居住性 | 使い勝手 | 総合 | |
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フォルクスワーゲン ゴルフ | 5点 | 5点 | 5点 | 15点 |
シトロエン C4 | 4点 | 5点 | 4点 | 13点 |
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