Report / 古賀 貴司

見かけによらず速い車って、面白い!

人間は“ギャップ"を楽しむ動物なんだと思います。期待をイイ意味で裏切ることがユーモアであり、これも一つの差別化です。ここでは見かけによらず凄い車、というものを選び出しています。気になる車は中古車カタログや物件でチェックしてみてください。

第10位はフォードフォーカス(現行)。ヨーロッパではVWゴルフよりも人気がある、コンパクトハッチバック。なかでも羊の皮を被った存在としては、2.5Lターボエンジンを搭載した「ST」があります。パッと見、おとなしそうなのにとにかくヤンチャ。エンジン、足回り、ボディ、そしてドライバーが一体となって振り回せる感じがするのはエライです。最高出力225ps、最大トルク320N・mと控えめなスペックですが、1430kgの車重にはこれで十分。中古車物件は、ほとんどありません。見つけたら買い!

第9位はVWゴルフ(現行)。フォーカスがターボを搭載するなら、とばかりにゴルフは3.2LのNAエンジンと4WDを組み合わせた「R32」があります。VWグループが誇るセミAT・DSGを搭載し(フツーのMTも選べます)、とにかく“サイボーグ"のような雰囲気すら漂っています。日本の流儀とも呼べる技術武装を、VWがゴルフで用いた感じです。ゴルフなのに新車時価格は400万円クラスだし、何から何までギャップだらけ。それを楽しむ通な選択肢と言えるでしょう。

第8位はVWルポ(現行)。3ドアコンパクトハッチバックの最強モデルといえば、ルポGTIです。6速MTを駆使しての0→100km/h加速は8秒ちょっとで、この手の車にしては速いほうです。最近、様々な車がステロイドを摂取したかのようにパワーアップしているなかで、ルポGTIの1.6Lエンジンは正常なトレーニングを受けたアスリートのようです。無理をしている感がまったくなく、ドライバーが一生懸命、車がもつポテンシャルを引き出してやることができるのです。

第7位はM・ベンツC55AMG(旧型)。M・ベンツの最小セダンであるCクラスをベースに、AMGの5.4LのV8エンジンを搭載した究極のドーピングマシン。“ちっちゃなM・ベンツ"なのに新車時価格は1000万円弱、最高出力367psとすべてがぶっ飛んでいます。もちろん足回りのチューニングやエアロパーツの装着など、差別化には余念がありません。アウトバーンでそんじょそこらのスポーツカーと競争しても、C55AMGは負けません。ドライバーは優越感に浸れることでしょう。

第6位はホンダエリシオン(現行)。低床コンセプトをミニバンに持ち込み、ミニバンらしからぬ走りを実現したホンダですが、「プレステージ」ではちょっと冒険をしたと思います。エンジニアは、ミニバンとしての極限まで走りを追求したのではないでしょうか? でなければ最高出力300psを誇る3.5LのV6エンジンなんて搭載しようと思わないはずです。ハッキリ言って売れてはいませんが、このホンダらしい走りへのこだわりは評価すべきです。ぜひ、お試しあれ!

木曜日には第5位から第1位を発表します。

フォトコレクション

写真:第10位:フォードフォーカス(現行)

第10位:フォードフォーカス(現行)

写真:第7位:M・ベンツC55AMG(旧型)

第7位:M・ベンツC55AMG(旧型)

写真:第6位:ホンダエリシオン(現行)

第6位:ホンダエリシオン(現行)