第76回 ホンダ ラグレイト エクスクルーシブ 【見つけたら即買い!?】
2009/07/08
■アメリカンなプレミアムミニバンの最豪華版
日本と海外で車名が違うという例は、よく見られます。前回ご紹介したように、日産マーチは欧州では「マイクラ」と呼ばれていますし、トヨタヴィッツも海外では「ヤリス」という名前になっています。輸入車も同様で、ルノールーテシアは本国では「クリオ」ですし、フェラーリ599も本国では「599 GTB フィオラノ」というかなり長い名前です。これらとは若干異なるのがホンダのネーミング。国内と海外で、異なるクルマに同じ車名が使われるという、非常にややこしいことになっています。代表的なのがアコード。日本で販売されているアコードは北米で「アキュラTSX」として販売され、日本のインスパイアが北米ではアコードとして売られています。またオデッセイも、北米では日本のものより二回りほどサイズの大きい、独自モデルが販売されています。
しかし、この独自仕様の北米版オデッセイ。2代目に限って、日本でも販売されていました。それがラグレイト。カナダ工場(のちアメリカのアラバマ工場)で生産された逆輸入車で、日本向けに右ハンドルへと改良したモデルです。今回はラグレイトの高級グレードである、エクスクルーシブをご紹介します。
北米でのデビューは1998年10月。日本には翌年の6月に発売が開始されました。エクスクルーシブは発売当初から、後継車のエリシオンに道を譲るまでラインナップされ、登場時の新車販売価格は396万円。ベースグレードに比べ、30万円高の設定です。2001年11月にマイナーチェンジが施され、ミッションが4ATから5ATとなっています。
オデッセイの上をいくプレミアムミニバンで、かつ高級グレード。当時の最新装備が数多く備えられているのが特徴です。特に魅力的なのがリモコン電動式のテールゲートと、同じく電動のクオーターウインド、本革のパワーシート。さらに、キーレス連動の両側パワースライドドア、デュアルエアコン、木目調パネル、前列シートヒーター、AV入力端子などの豪華装備も備えられています。もっとも、DVDナビやMDデッキなどのAV機器は、さすがに時代遅れの感が否めませんが……。
エンジンは3.5LのV6 VTECエンジンを搭載。最高出力は205ps(後期型は240ps)、最大トルクは30.2kg-m(同33.0kg-m)を発揮します。特にパワフルとはいえないエンジンですが、過不足はないレベル。一方で、静粛性や走行安定性は抜群で、さすがはフラッグシップモデルといえる出来です。また取り回しが意外に良く、最小回転半径は5.7mと2代目オデッセイと同じなのには驚かされます。
というのも、ラグレイトのボディサイズは全長×全幅×全高=5105 x 1935 x 1740mmという超ビッグサイズ。オデッセイはもちろん、後継車のエリシオンをもはるかに上回っています。そのため、室内は広々。特にキャプテンシートの2列目は余裕タップリです。シートは、2列目が脱着可能。3列目を床下に収納して、ラゲージを広げられるところは、どこか日本のオデッセイに通じるものが感じられます。
中古車相場は、走行距離と年式によって極端に価格が異なっています。原稿執筆時点でカーセンサーnetに掲載されている物件のうち、最高額は198万円、最安値は23.9万円。100万円以下の物件はほとんどが10万km以上か、それに近い走行距離となっています。ただ、残りの物件も5万kmを下回るものはわずか。程度のいいものを探している人は、ある程度の出費を覚悟したほうが良さそうです。
しかし一方で、修復歴車が1台もないのは好材料です。そもそもボディの大きいラグレイトは通勤や買い物などの街乗りに向いていないため、高速道路中心に使われた可能性が高そう。整備記録簿や販売店の人からオーナー履歴を聞き出せて、これまでの使用方法やメンテナンス状況が推測できるようなら、多走行でも案外「買い」かもしれません。
北米製であるラグレイトはアルファードやエルグランドなど、日本のミニバンとは違ったゆったり感があります。それはクライスラーボイジャーなどのアメ車に通じるおおらかさ。それを「味」ととるか「雑」ととるかは乗る人の感覚次第ですが、ラグレイトがかなり特殊なクルマであることは誰しも感じられるでしょう。普通と違うミニバンに乗りたいと考えている人は、是非お店へラグレイトを見に行ってみてはいかがでしょうか。まずは下の検索窓に「ラグレイト エクスクルーシブ」と入力して検索してみて下さい。
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第76回 ホンダ ラグレイト エクスクルーシブ 【見つけたら即買い!?】/旬ネタ
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