“メルセデス AMG GT 4ドアクーペ”▲2020年10月27日発売の『カーセンサーEDGE』はAMG特集。メルセデス・ベンツのエンジンをベースに高出力化したモデルから、自社開発したAMGオリジナルエンジンまで、名機と呼ばれるユニットを数多く開発し、世に送り出してきたAMG。今回の特集ではその「エンジン」に着眼し、その魅力に迫ってみたい

性能の高さでブランド価値を高め続けたAMG

日本ではメルセデス・ベンツのハイパフォーマンスモデルとして認知されているAMG。その歴史はメルセデス・ベンツのチューナーとして活躍したことから始まり、その後は同ブランドのグレードのひとつとしてラインナップ。1990年代になると日本でもC36などが正規販売されるようになり、続々と名車を発売していった。

現在は、AMGが1から開発した初のモデル「GT」をはじめ、多くのモデルを取り揃えている。

専用の装備品やサスペンションセッティングなど、AMGの魅力は様々だが、最大の武器はやはり高出力のエンジンである。今回の特集ではそのエンジン、パワーをテーマに最新モデルまでの歴代AMGを取り上げている。
 

“メルセデス AMG”▲数多くのエンジンを世に送り出してきたAMG社。2000年代は63、65、その前も55と搭載エンジンの種類は少なかったが、現在は2Lの直列4気筒からV8まで用意されており、最高出力730PS(AMG GT ブラックシリーズ)というモンスターエンジンまで揃えている。Aクラスのようにモデルによっては2タイプのエンジンが選べる車種も存在するほどだ

“メルセデス・ベンツSL 65 AMG”▲AMGの本当の凄さ、価値を味わいたいなら知っておかなければならないモデルがある。それが歴代2ドアモデルだけに追加されてきたAMGの頂点、ブラックシリーズである。高出力化されたエンジンにワイドボディ、ワイドタイヤを組み合わせ、ポテンシャルを引き出すように軽量化も施されたスペシャルモデルである。中古市場には激レアなブラックシリーズがごく希に流通する。写真はSL 65 AMGで価格は2100万円(取材協力・Mars tel.03-5933-9939)

最新世代のAMGを選ぶか、過去の過激な名車を選ぶか

AMGを味わい尽くすなら、手は2つ。最新世代のスペックに酔いしれるか、過去のモデルをオイシイ価格で頂くか。前者であればAクラスなどに用意されているA35やA45、CLA45など、コンパクトなAMGを選ぶのもいい。後者であれば新車価格2000万円オーバーのモンスターAMGが、割安で買える中古車。特に6L以上の大排気量ハイパフォーマンスエンジンは、税金や燃費を気にする人が多いからか驚くほど割安になっている。

中古車の価格、性能のバランスで言えば、今回の特集でも登場しているM156型と呼ばれる6.3Lエンジン搭載車がオススメだろう。搭載車種はCクラスからSクラスまであり、AMG製エンジンとして広く知られている。例えば、コンパクトなC63 AMGは名車と評価されているモデルだが、中古車であれば200万円を切る価格から探すことも可能だ。

小排気量化や燃費重視のターボ化は経済的にはウレシイものの、ちょっと刺激が足りないという車好きであれば、中古車のAMGという選択肢は大いにありである。今後、自然吸気の6LオーバーのエンジンやV12エンジンの登場はごくごく限られてくるのだから……。
 

“AMG TOKYO Setagaya▲ 東京都世田谷区にあるAMG TOKYO Setagayaは、日本では唯一、世界でもごくわずかなAMG専売拠点である。最大の特徴は日本には設定のない色、日本の法規にあったものであれば内外装のパーツまでをオーダーできるという点。正規ディーラーやAMGパフォーマンスセンターでも頼むことができない仕様でAMGを楽しみたい人が訪れる、まさに同社の発信基地である(取材協力・AMG TOKYO Setagaya tel.03-5758-2511)
文/編集部、写真/デレック槇島、イラスト/あべ あつし

カーセンサーEDGE 12月号
AMGはパワーで選べ。

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