▲桜のトンネルを満喫するにはオープンカーがピッタリ ▲桜のトンネルを満喫するにはオープンカーがピッタリ

日本各地にあるトンネル状になった桜の名所

3月の下旬あたりから徐々に桜が満開になる地域も増えてきて、いよいよお花見も本番。近隣の名所で場所取りにいそしむ人も多いことだろう。しかし、今年はちょっと趣を変えて、「ドライブxお花見」といった志向はどうだろうか。といっても、ドライブがてらお花見、というわけではない。

キーワードは「桜のトンネル」。全国各地には、沿道に桜を植えて、トンネル状になっている名所が多くある。「ドライブxお花見」は、まさに桜のトンネルをドライブしてみようという提案だ。

まずは、関東を中心にいくつか有名どころを紹介しておこう。

福山雅治の名曲「桜坂」の舞台も桜のトンネル

桜の名所で有名な埼玉県秩父郡長瀞町には、「北桜通り」「南桜通り」と呼ばれる桜のトンネルが存在する。長瀞駅から荒川に沿って高砂橋までの「北桜通り」は、約400本の桜が沿道に植えられており、約2.5kmの桜のトンネルが続く。歩道があり道も広いので、車でも安全に走ることができる。上長瀞駅前から長瀞駅前につながる「南桜通り」は約200本の桜からなるトンネルが約1.5km続く。ただし、こちらは道路が狭いので、通行には注意したい。長瀞町観光協会によると、見ごろ予想時期は3月30日~4月7日とのこと。

▲写真は長瀞の桜並木。車はもちろん、歩道をのんびりと歩いて桜を楽しむこともできる▲写真は長瀞の桜並木。車はもちろん、歩道をのんびりと歩いて桜を楽しむこともできる

東京都内では、福山雅治のヒット曲「桜坂」で有名になった大田区の「桜坂」も桜のトンネルを楽しめる。また、都心である港区赤坂・六本木にまたがる複合施設のアークヒルズにも約700mの桜トンネルが存在。外周に沿って植えられた約150本のソメイヨシノが、都会の空を淡いピンクに彩る。

▲写真はライトアップされた大田区の桜坂。都内にも桜の名所は数多く存在する▲写真はライトアップされた大田区の桜坂。都内にも桜の名所は数多く存在する

静岡県伊東市の伊豆高原では、オオカンザクラやソメイヨシノからなる総延長約3kmの桜のトンネルが見事。3月下旬からはライトアップが行われる予定なので、幻想的な雰囲気の桜トンネルを満喫することができそうだ。

▲写真はライトアップされた伊豆高原の桜。東京近郊にお住まいの方はちょっとした旅行で訪れてみてはいかがだろうか▲写真はライトアップされた伊豆高原の桜。東京近郊にお住まいの方はちょっとした旅行で訪れてみてはいかがだろうか

栃木県宇都宮市には、その距離の長さから全国屈指の桜のトンネルといわれる名所がある。同市の宮環上戸祭町交差点から日光市山口まで続く「日光街道桜並木」だ。その距離、なんとおよそ16km。ウェザーマップによると、宇都宮市の満開予想日は4月3日頃とされている。

小田原から伊豆・箱根を結ぶ有料道路「箱根ターンパイク」では、箱根小田原本線の2km地点から7km地点に渡って「桜のトンネル」が存在する。沿線には、ソメイヨシノやヤマザクラ、マメザクラなど約1000本の桜が植樹。有料道路なので、信号もなく、歩行者もいないので、まさに「桜のトンネル」を駆け抜けることができる。ゆっくりと見たい人は、途中には駐車場もあるので、車を止めて楽しむのもいいだろう。「箱根ターンパイク」は標高が高く、市街地よりも1週間から10日ほど開花が遅れるので、お花見を逃した人にもオススメだ。

春先の季節だけ楽しめる桜ドライブ

関東以外でも、有名な桜のトンネルは各地に存在する。北海道では登別市中登別町のJR登別駅から温泉街までの沿道8kmに渡り咲き誇る「登別温泉 桜並木」や北海道浦河郡浦河町の優駿の里公園入口から約3kmに渡り約1000本が植えられた「優駿さくらロード(西舎桜並木)」が有名。

東海地方では、三重県桑名郡木曽岬町の「鍋田川堤桜並木」が、約1500本の桜が約4kmに渡り空を彩る。関西では、五月山から箕面市止々呂美方面と箕面ダム方面に抜けることができる、大阪府池田市の「五月山ドライブウェイ」や琵琶湖岸沿いに約4kmの桜トンネルが続く滋賀県高島市の「海津大崎の桜」などがある。

▲写真は海津大崎の桜のトンネル▲写真は海津大崎の桜のトンネル

中国地方でオススメしたい桜のトンネルは、広島県呉市の「野呂山さざなみ スカイライン」。麓の川尻町から山頂にある野呂高原ロッジまでの約30分、ソメイヨシノや八重桜などを楽しめる。九州では、熊本県水俣市の湯の児温泉近くにある「湯の児チェリーライン」がオススメ。海岸線約5kmに渡る桜のトンネルと海が織りなす風景は一見の価値がある。

桜のシーズンになると、日本にはこんなに桜が多いのか、毎年再認識してしまうほどだ。有名でなくとも、桜のトンネルは日本各地に存在している。そんな場所を車で走ってみるのも、また一興。今しか楽しめないドライブだ。

text/コージー林田
photo/ピクスタ