▲かつては幹線道路沿いの憩い場だった「オートパーラー」。コンビニエンスストアの隆盛によって姿を消したが、今も元気に営業している店があった▲かつては幹線道路沿いの憩い場だった「オートパーラー」。コンビニエンスストアの隆盛によって姿を消したが、今も元気に営業している店があった

そもそも「オートパーラー」って??

みなさんは「オートパーラー」をご存じだろうか? オートパーラーは、その名のとおり、車社会の発達が著しかった昭和期に「オート=自動車」で立ち寄る「パーラー=人々が集って、くつろぐ場所」として、幹線道路沿いに作られたレジャースポット。ゲームセンターや自販機コーナー、休憩所など様々な施設が併設され、地方ごとに独自の発達、変化を遂げている。いわゆるドライブインの一種で、似たような施設に「オートレストラン」があるがオートパーラーとの明確な線引きは難しく、「That’s オートパーラー」という定義は定かではないようだ。

現在はお目にかかることが少なくなった施設だが、一部地域ではパーラーはまだまだ元気だ。特に、多くの施設がいまだ営業している群馬県はもはや“聖地”と化しているという。そのことを筆者が編集担当たけだに伝えたところ、「え、オートパーラーって、普通にありますよね?」というポンコツ返答。聞けば、埼玉県の大動脈である国道17号線沿いにオートパーラーがあり、埼玉県出身のたけだにとっては、昔からなじみのある施設だとか。そして、なんとそこには“トーストの自販機”があるという。

無類のトースト好きの筆者はいてもたってもいられず編集たけだを誘って、現存するオートパーラーの中では都心から最も近いという「オートパーラー上尾」に向かった。

▲高田馬場で編集たけだと合流し、首都高を経由して国道17号線を北上。都心からは車で1時間10分程度だが、今回は渋滞に巻き込まれたため1時間半かかった ▲高田馬場で編集たけだと合流し、首都高を経由して国道17号線を北上。都心からは車で1時間10分程度だが、今回は渋滞に巻き込まれたため1時間半かかった
▲ついに到着! ココが「オートパーラー上尾」か。程近くに某大型家電量販店や某有名紳士服チェーンなどがある中、突如この昭和感あふれる建物が顔を出す。ここだけ時間が止まっているかのようだ ▲ついに到着! ココが「オートパーラー上尾」か。程近くに某大型家電量販店や某有名紳士服チェーンなどがある中、突如この昭和感あふれる建物が顔を出す。ここだけ時間が止まっているかのようだ
▲中に入ると、古いゲーム筐体の他、パチンコやパチスロ機も並んでいた。店内はガランとしていたが、ワイシャツ姿のサラリーマン2人連れがゲーム機に座って打ち合わせをしていた。2~3人に声を掛けてみたところ、地元の人だけでなく国道17号線を利用する方たちの憩いの場になっているようだ ▲中に入ると、古いゲーム筐体の他、パチンコやパチスロ機も並んでいた。店内はガランとしていたが、ワイシャツ姿のサラリーマン2人連れがゲーム機に座って打ち合わせをしていた。2~3人に声を掛けてみたところ、地元の人だけでなく国道17号線を利用する方たちの憩いの場になっているようだ
▲そして、お目当ての休憩スペースを発見! トーストの自販機の他にも、カップラーメン、うどん・そば、瓶入りのコーラ・ハイCなどの自販機がズラリ。いすとテーブルも完備しており、その場で食べることができる▲そして、お目当ての休憩スペースを発見! トーストの自販機の他にも、カップラーメン、うどん・そば、瓶入りのコーラ・ハイCなどの自販機がズラリ。いすとテーブルも完備しており、その場で食べることができる
▲なぜか筆者を差し置いて、トーストを購入する編集たけだ! お金を入れてボタンを押すと「トースト中」ランプが点灯し、焼き上がるまでに約48秒かかった ▲なぜか筆者を差し置いて、トーストを購入する編集たけだ! お金を入れてボタンを押すと「トースト中」ランプが点灯し、焼き上がるまでに約48秒かかった
▲で、今回購入したのは、珍しい「コンビーフサンド(200円)」。塩気のあるコンビーフとたっぷりのマーガリン、こんがり焼けたパンが独特のハーモニーを奏でる。マーガリンの風味が強く、けっこうジャンクな味。好きな人にはたまらないだろう。ちなみに同じ自販機に「ハムチーズサンド(200円)」も用意されていた ▲で、今回購入したのは、珍しい「コンビーフサンド(200円)」。塩気のあるコンビーフとたっぷりのマーガリン、こんがり焼けたパンが独特のハーモニーを奏でる。マーガリンの風味が強く、けっこうジャンクな味。好きな人にはたまらないだろう。ちなみに、同じ自販機に「ハムチーズサンド(200円)」も用意されていた
▲トーストを食べ大満足の筆者だったが、せっかくなので自販機の「天ぷらそば(250円)」も購入。完成まではわずか25秒! なんとカップ麺の5/36の速さだ(←分かりづらい)。で、かき揚げの具はタマネギ、ニンジンなど野菜が中心。わかめとナルトも入っており、学生時代を思い出すノスタルジックな味だった ▲トーストを食べ大満足の筆者だったが、せっかくなので自販機の「天ぷらそば(250円)」も購入。完成まではわずか25秒! なんとカップ麺の5/36の速さだ(←分かりづらい)。で、かき揚げの具はタマネギ、ニンジンなど野菜が中心。わかめとナルトも入っており、学生時代を思い出すノスタルジックな味だった
▲さて、自販機メニューを堪能し、帰ろうとしたところ、編集たけだがとあるクレーンゲームを発見。景品は女性用下着だ。「あー、昔こんなのあったなぁ」と思っていると、おもむろに財布を取り出す編集たけだ。ひたすら「カプセルをつかむ→持ち上げ終了時のバウンドで落下」を繰り返す▲さて、自販機メニューを堪能し、帰ろうとしたところ、編集たけだがとあるクレーンゲームを発見。景品は女性用下着だ。「あー、昔こんなのあったなぁ」と思っていると、おもむろに財布を取り出す編集たけだ。ひたすら「カプセルをつかむ→持ち上げ終了時のバウンドで落下」を繰り返す
▲結局、計3000円を自腹で散財した編集たけだ。なぜそこまで女性用下着にこだわったのか、もし獲得に成功していたら何に使うつもりだったのか。その疑問が脳内を渦巻いたが、帰りの車中で質問をぶつけることはできなかった。なんか怖いし…… ▲結局、計3000円を自腹で散財した編集たけだ。なぜそこまで女性用下着にこだわったのか、もし獲得に成功していたら何に使うつもりだったのか。その疑問が脳内を渦巻いたが、帰りの車中で質問をぶつけることはできなかった。なんか怖いし……
text/小林ぴじお