外環道の大泉JCT~東名JCT間が着工
カテゴリー: ドライブ
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2012/09/19
東京外環自動車道(外環道)の大泉JCT(関越道接続)~東名JCT(仮称・東名高速接続)の建設工事(16.2km)が、9月5日に始まった。完成すれば、現在は日中に1時間前後かかる区間が、12分程度に短縮される。東京都は誘致を目指す2020年の夏季五輪開催までの完成を目指しているが、課題は山積みだ。
外環道は東京都心を環状型に囲む「三環状」の真ん中の路線。現在のところ大泉JCTから三郷南ICまでの「埼玉区間」(約34km)が共用されている。三郷南IC~高谷JCT(東関東道接続)までの「千葉区間」(約16km)は現在整備中。2015年度に開通する見込みだが、環境破壊と「1mあたり1億円」とされる巨額の整備費用には反対意見も根強かった。
今回着工された「東京区間」は環境面への配慮や巨額の用地買収を回避するため、地下40m以深の大深度トンネルによる建設が予定されている。しかし地盤沈下への不安や、JCTやインター付近の地上の用地買収が1割ほどしか進んでいないこと、完成後にトンネル内で事故や火災が起こったときの安全対策など課題は多い。
総事業費は1兆2820億円。「1mあたり8000万円」と千葉区間ほど高額でないように感じるが、並行する一般道(東京外かく環状道路・国道298号線)の建設は棚上げになっているだけに実質的には割高といえる。しかも、建物が密集しているので地表を開いた掘削が事実上不可能という前例のない工事になる。予想外の障害や工費増につながる可能性も高い。
2013年度には、「三環状」の内側である首都高速中央環状線の大橋~大井間が、外側である圏央道も中央道~東名高速間の開通が見込まれている。首都圏の自動車ユーザーにとっては、環八道路や環七道路の渋滞が緩和され利便性が向上するのは想像に難くない。
「東京区間」が完成すると中央道へ接続するJCTのほか、目白通りと接続する「目白通りIC」(仮称。東名高速方面へのハーフIC)、青梅街道と接続する「青梅街道IC」(仮称。関越道方面へのハーフIC)と、東八道路に接続する「東八道路IC」(仮称)が設置される予定だ。