ランボルギーニビジネス▲「CHEVROLET FAN DAY 2023」の会場でファンにお披露目されたZ06と、イベントに訪れた新旧様々なコルベットたち。コルベット以外にもカマロなどのアメリカ車オーナーがイベントを楽しんでいた

2023年5月、富士スピードウェイで開催された「CHEVROLET FAN DAY 2023」には様々な世代のコルベットやカマロ、往年の名車が集った。その会場で発表されたのが、コルベットに追加されたハイパフォーマンスグレード「Z06」。販売台数が少ないため抽選による限定販売になるという。
 

アメリカ車の地位向上を担う、コルベット(C8型)Z06

コルベットは1954年に初代のC1型が登場。現在は8代目のC8型にまで進化をしている。50年以上、同じ車名で販売されている歴史ある超ロングセラーモデルである。

しかし、コルベットはフェラーリやポルシェ 911のような高性能スポーツカーのイメージは薄く、どちらかというと大排気量を積んだ、いかにもアメリカ車らしいたくましいマッスルカーと思われがち。なにせインパクトのある5L、時には7Lという排気量のエンジンを積んでいたのだから、その印象が強くなるのも当然といえば当然だ。

しかし、2005年に登場したC6型あたりからその印象は大きく変わり、アメリカ車を正しく評価する人々からはライバルの高性能スポーツカーと同等か、それ以上の走行・運動性能を有していると高い評価を集めるようになった。その立役者がZ06やZR1といったハイパフォーマンスグレードだった。

ちなみにZ06のグレード名は、1963年に設定されたパフォーマンスパッケージのオプションコードで、C5型から高性能なスペシャルモデルに使われている。

そのZ06が最新のC8型にも用意されることになり、コルベットファンが集う「CHEVROLET FAN DAY 2023」にて発表されたのだ。

このZ06はサーキット走行を前提に開発され、C8型コルベットとシャシーを共有するレーシングカー「C8.R」を作ったノウハウが生かされている。

エンジンだが、ベースのクーペが最高出力502psの「LT2」に対し、646psを誇る新型5.5L V8の「LT6」を搭載。また、クーペに比べて全幅を85mm拡大させてワイドタイヤを装着。他にもエアベントやリアスポイラー、専用鍛造ホイールなどが用意される。

インテリアも差別化が図られ、コンペティションスポーツバケットシートやトーチレッドのシートベルト、カーボンファイバー製のステアリングなどの特別装備が与えられる。

日本で販売されるのは右ハンドルのみで、ブラックのボディカラーとアドレナリンレッドのインテリアの組み合わせとなる。予定される本体価格は2500万円で、生産台数がかなり少数となるため抽選販売になるそうだ。

ところで、日本におけるアメリカ車に対する評価は昔からビックリするほど低い。いまだに「ドロドロとした音で走る」「エンジンだけが大きくて燃費が悪い」というイメージをもつ人も多い。確かにかつてのアメリカ車はそのイメージがあり、だからこそ、日本ではアメリカ車の販売台数が伸びず、フォードやダッジは日本市場から撤退、クライスラーもほぼJeepブランドという状況を招いたのかもしれない。

しかし、イメージ先行で損をしているスポーツカーファンも間違いなく多い。ライバルのスーパースポーツカーに負けない性能、速さをもつコルベットZ06はまさにその筆頭的存在である。

このZ06を足がかりにアメ車の負のイメージの払拭と現状の地位が今よりも向上することを切に願いたいところだ…。
 

ランボルギーニビジネス▲日本導入のC8型Z06のボディカラーはブラックのみ。割り当て台数が絞られるだけに争奪戦は必至
ランボルギーニビジネス▲FRスポーツカーとして7代続いたが、C8型からミッドシップに移行。Z06のガラスルーフの下には新開発されたLT6エンジンが備わる
ランボルギーニビジネス▲リアスポイラーを含む様々な専用装備が与えられたZ06。アメリカンスポーツカーらしいデザインは残しているところがファンには嬉しい
ランボルギーニビジネス▲C7型から採用されている左右非対称のコックピット。インテリアにもシート、ステアリングなど専用装備が与えられている
ランボルギーニビジネス▲「CHEVROLET FAN DAY 2023」では、F1のピットとしても使われる富士スピードウェイに自分の車を入れて写真撮影ができるなど、様々な催しものが用意されていた
ランボルギーニビジネス▲会場にはC5型やC6型など、歴代コルベットが多数参加。ピックアップトラックやエルカミーノといった名車も展示されていた

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文/編集部 写真・ゼネラルモーターズ・ジャパン、編集部