軽トラック▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム

軽なら4ナンバー車でも車検は2年に1度

トヨタ ハイエースや日産 NV350キャラバンなど、趣味の道具として商用1BOXバンが人気なのはご承知のとおり。

だがここへ来て、軽トラや軽1BOXバンでアウトドアを楽しむ人の姿を、YouTubeやSNSで見かける機会が増えてきた。

軽1BOXバンなら4人乗れるし車内で雨風をしのげるが、2人乗りの軽トラは荷物の運搬に特化したいわば究極のプロ仕様。

いくら道具に凝るとはいえ、さすがにやりすぎだろうと思ったが、これがなかなかカッコイイ。アウトドアシーンでのその存在感たるや、流行のSUVがかすむほどだ。
 

リクルート自動車総研グラフ

グラフ①にあるとおり、2020年は中古で軽自動車を購入した人が増加している。コロナ禍で先行きが不透明ななか、車にかかる購入費用や維持費を抑えたい人が増えたのだろう。

また、カーセンサーnetに掲載された物件1台あたりの問い合わせ件数を見ると、軽自動車でも絶大な人気を誇るホンダ Nシリーズでは、2020年の春以降、軽乗用車のN-BOXより軽貨物車のN-VANの方が伸びている(グラフ②)。

これらのデータからも、維持費を抑えられて、趣味の道具としても活躍してくれる軽貨物車への興味が高まっていることがわかる。

小型貨物自動車の中でも軽貨物車は、重量税こそ軽乗用車と同じだが、自動車税は安くなる。加入する任意保険にもよるが、軽貨物車は軽乗用車より維持費が安くなるケースもある。

また、軽自動車以外の小型貨物車は毎年車検だが、軽貨物車は軽乗用車と同じ2年ごと。従って貨物車でも、軽のメリットはしっかり享受できるわけだ。

昨今流行のSUVは、デザイン性の優れたモデルや低燃費を追求したモデルなど、好みに合った1台を選べるくらい選択肢が広がっている。一方で、例えばアウトドアの道具としてSUVを考えたとき、1台で何役もこなせる多機能さが、万人向けの汎用品に見えしまう人もいるだろう。

そうした人たちが、余計な装備を排し、荷物を積んで運ぶという機能に割り切ったプロ仕様の軽トラや軽バンをチョイスするのもわかる気がする。

購入費用も維持費も抑えられるメリットを追い風に、ハイエースやNV350キャラバンに続く趣味の道具車として軽貨物車の時代が来そうな予感濃厚だ。
 

趣味の道具としても最適な軽トラ・軽1BOXバンの注目モデル3選

1:ホンダ N-VAN(現行型)
 

ホンダ N-VAN ▲趣味の道具向けとも言えるグレード「+スタイルファン」も設定されているのが◎。新車が納車待ち状態となっているためか、グラフ②にあるように相場は上昇中だ
 

2:ダイハツ ハイゼットトラック(現行型)
 

ダイハツ ハイゼットトラック ▲2014年9月登場の現行型は標準ボディの他、キャビンが広いジャンボ(写真)も設定されている。カジュアルなボディカラーが選べるのも◎。中古車相場は高値安定状態だ
 

3:スバル サンバー(2代目)
 

スバル サンバー ▲1999年2月~2012年3月に生産されたシリーズ2代目。リアエンジン&後輪駆動のスバル製最後のモデル。WRブルーをまとった特別仕様車(写真)はマニア垂ぜんの希少モデル
 
文/編集部、写真/ホンダ、ダイハツ、スバル、photo AC