▲ロケットのような加速感と戦闘機のような旋回性能、最速のFFに君臨したホンダ5代目シビックTYPE R ▲ロケットのような加速感と戦闘機のような旋回性能、最速のFFに君臨したホンダ5代目シビックTYPE R

ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に就任した平成29年

プレミアム・フライデー、どうなっちゃったんだろ? どーも、一説によると働き方改革で余計に原稿〆切を守れなくなってしまったフリーライターのタバタです。

平成29年に起きた、世界に影響を与えた出来事といえば? そう、東日本での「カール」販売終了だよね。

……って違うだろぉ~! by豊田元議員。

ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領になったことかな、他にもいろいろあったけど。

トランプ大統領は就任直後から日本を批判し、「アメリカには日本車がたくさん輸入されているのに、日本ではアメリカの車が走ってない、不公平だ!」という旨の発言をして話題になりました。

日本は自動車の輸入関税を撤廃したのに、アメリカは2.5%って、ちょっと不公平な感じが……。

ちなみに不公平でいうなら、日本では普通に左ハンドルの車が走っているけど、アメリカで右ハンドルの車は原則的に走れません。

原則的に、といったのは、極端に古い車は例外なルールだから!

ちょっと話がそれましたが……そんな平成29年の私的名車・迷車ランキングをお送りします。

▲フォード フォーカスなんて、右ハンドルにして日本で適正な価格でリリースしたら、結構売れると思うんですけど。あ、でも中国製だからアメリカは嬉しくないか▲フォード フォーカスなんて、右ハンドルにして日本で適正な価格でリリースしたら、結構売れると思うんですけど。あ、でも中国製だからアメリカは嬉しくないか

復活のRはインパクト絶大!「ホンダ シビックTYPE R(5代目)」

▲限定生産ではなく、普通にディーラーで買える通常ラインナップとしているのも、ホンダ5代目シビックTYPE Rのエライところ▲限定生産ではなく、普通にディーラーで買える通常ラインナップとしているのも、ホンダ5代目シビックTYPE Rのエライところ

アメリカ・ファーストとか都民ファーストなど「○○ファースト」という言葉が流行った平成29年。

車の世界にはドライバーズ・ファーストなんて言葉がありますが、そんな思想で作られたのがコチラ(やや強引)。

ホンダの5代目シビックTYPE Rです。

ニュルブルクリンク北コースで世界最速のFFという称号を得た、驚異のスポーツモデル。

9代目が販売終了してから7年の時を経て、不死鳥のごとく蘇った10代目シビックをベースにしています。

が、スポーツパーツをアドオンしていったのではなく、初期からTYPE Rの存在を前提としながらベースモデルを開発していったそう。

カーブでステアリングをコジッたって何したって勝手にゴリゴリ曲がっていく驚くべきハンドリングは、エヴァ、ついに覚醒しちゃったか、っつー感じで、もはや神々しい。

気のせいかトランクの上に天使の輪のようなものも見えます。

ああ、あれリアウイングか。

ということで平成29年生まれ車の私的トップ3、第3位はこの車です。

蘇った古代生物「トヨタ ハイラックス(8代目)」

▲かつてのピックアップユーザーではなく、新たな顧客層を開拓したトヨタの新型ハイラックス▲かつてのピックアップユーザーではなく、新たな顧客層を開拓したトヨタの新型ハイラックス

で、その対極にある存在、といってもいいのがトヨタの8代目ハイラックスでしょう。

ラダーフレーム構造(床下にハシゴ型のフレームをもつボディ構造)、後輪なんか大昔の四駆と同じ、車軸式リーフスプリングだよ。

4WDの切り替えも昔と違って、レバーではなくダイアルになったものの、パートタイム式。

でもいいんです、だってピックアップとして働くには、世界のへき地を走るには、コンベンショナルな構造の方が都合いいんだもの。

FJクルーザーやプラドと同じ日野自動車の羽村工場で作られているのかと思ったら、ハイラックスは7代目からもうタイ生産なのね。

純然たる輸入車です。

300万円台前半~後半という、なかなか強気な価格設定にも関わらず、当初の販売目標である年間2000台を大きく上回るヒット。

まあ同モデル、13年ぶりの国内販売だからね。

でも買ったのはシニア世代となったかつての四駆ファンではなく、20代が多かったそう。

乗り出し400万円以上の車をパッと買える20代の若者が、全国に少なくとも2000人はいるってことです。

うらやましい!

先進安全装備も搭載、なのに安くて軽い不思議「スズキ スペーシア(2代目)」

▲ビビッドなカラーリングを用意するスズキ2代目スペーシア。デザインはスーツケースがモチーフ▲ビビッドなカラーリングを用意するスズキ2代目スペーシア。デザインはスーツケースがモチーフ

ちょっと悔しいから、第1位は軽自動車から選んじゃう(意味不明)。

スズキの2代目スペーシアにしましょう。

好敵手ホンダ N-BOXの大躍進を阻止すべく、投入された2代目。

外観も内装も大胆に変わりました。

デザインモチーフは、旅のワクワク感を感じさせるスーツケースなんだって。

外観は四角い箱にキャスターが付いているような感じだし、内装のグローブボックスなんか、そのまんま。

全車マイルドハイブリッド搭載で30km/L(FF)もの低燃費を実現。

リアシートを荷室側からスライド&前倒しできちゃうとか、細かな部分まで改良されて、女子ウケ要素もバッチリ。

何といっても、モデルチェンジしたのに価格はほとんど据え置き、衝突被害軽減ブレーキ採用グレードなんか、むしろ安くなっちゃってるのがスズキの凄いところ。

大丈夫? 無理してない? って心配になっちゃいます。

実は同年、N-BOXもフルモデルチェンジしているんだけど、3台のうち2台をホンダ車にするとホンダひいきだと思われちゃうから(?)今回はパス。

それにしても平成29年頃からの、軽自動車の進化には凄まじいものがあります。

ミニマムサイズの車については、アメリカ車はもちろん、欧州勢にも絶対に負けない領域。

これからも国産メーカーの楽しい軽自動車作りに期待しています!
 

文/田端邦彦、写真/ホンダ、フォード、トヨタ、スズキ

田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。