ランドクルーザー70▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、2023年に再々販されたトヨタ ランドクルーザー70に試乗した際のレポートをお届け

ヘビーデューティたるゆえん

トヨタが世界で展開する伝説的なモデル、それがランドクルーザーである。

その名が付くモデルはいくつか存在し、大きく3つのタイプに分けることができる。

1つは大きなボディで、乗り心地と存在感を表したステーションワゴン的なモデル。現行モデルではランドクルーザー300がそれにあたる。

2つ目が都会から牧場、山岳まで網羅するライトデューティモデル。こちらはランドクルーザープラドからランドクルーザー250のように時代とともに装備を改良して、乗用車らしさを演出してきた。

ランドクルーザー300▲こちらは2021年8月に登場したランドクルーザー300
ランドクルーザー250▲こちらは2024年に登場したランドクルーザー250

そして最後に、ランドクルーザー史上最強のオフロード性能を示すヘビーデューティモデルがある。この3つを軸にランドクルーザーが最強のデューティ(義務、任務)を果たしてくれるのだ。

今回試乗するのは、3つ目のリアルオフローダー御用達のランドクルーザー70である。70系は本物だけを追求した「信頼のトヨタ」を作り上げた立役者であり、伝説を作り続けているモデルだ。

ランドクルーザー70

現在の70系は3世代の歴史がある。私は運がいいことに第1世代の1984年から98年まで作られた前後リーフスプリングモデルと99年からのフロントコイルモデル。2007年からフロントの意匠変更された第2世代モデル、そしてこのたび再々生産される第3世代目のランクル70のすべての新車を試乗したことがある。

どれも時代に合ったまぎれもないヘビーデューティ仕様だった。

ランドクルーザー70
ランドクルーザー70

長く作られていると部品の共用性が高く、万が一の場合でも修理できる可能性が高くなるというメリットがある。それによって購入、維持のハードルが下がる。

この第3世代モデルは、第2世代のものと比べて本質的な大きな変更はないものの確実な改良が進められた。継続性とたゆまぬ改良、これが長期間にわたって製造されるヘビーデューティモデルには欠かせない条件だ。

ランドクルーザー70は1984年からボディの形状を大きく変更していない。パワートレインやサスペンションの変更はあるものの、ボディの雰囲気は80年代そのままである。

ランドクルーザー70
ランドクルーザー70
ランドクルーザー70

ドアを開けて乗り込むと視認性の良さに驚く。センサー類が装着されていない頃のモデルは、性能面で見やすい形状が大切だったことが理解できる。

最新の4気筒 2.8Lの1GD-FTV型ディーゼルターボは、低速の粘りやすさだけではなく高速走行でも嫌な振動を抑えており、連続走行でも疲れない。

一定速度で走るには最適なパワーユニットだ。6速ATとの相性も良い。スムーズなシフトアップ、シフトダウンで乗りやすくマナーも上々だ。

ランドクルーザー70

あらゆるスイッチ類やレバーがボタンレスではなく物理的で、どんな状況でも手探りで操作できそうだ。強いて言うなら、以前よりも乗り心地を重視したセッティングになっているのでフワフワ感は否めない。

しかし、リジッド式で動きの良好なサスペンションによって一定の安定感と路面とのコンタクトは増しているので、オフロードやすべりやすい路面でもトラクションは良好だろう。

ランドクルーザー70

どこにでも行けて、どこからでも帰ってこれる信頼性

最も気に入った装置は前後デフロックである。最強の走破性を約束してくれると言っても過言ではない。

トランスミッションはATだが、手で行う操作すべてがマニュアルによって行うことを求められる。ただ乗るだけではなく、アメニティーに依存するのではなく、キャビンでも車と対話を可能にしてくれるのだ。

ランドクルーザー70
ランドクルーザー70

ブレーキフィールも独特だが基準を満たした仕様である。昭和、平成、令和の3世代を超えた70はその使命を確実に完了してきた。どんなときでもどの時代でも世界的に対応してきたランクルは鉄人と形容できるだろう。

今、世の中で必要なことの一つに安定と信頼があるのではないだろうか。それがまぎれもなくここにある。

70はそういった意味では最高で最強のパートナーである。疑う余地はない。
 

ランドクルーザー70

▼検索条件

トヨタ ランドクルーザー70(初代) × 2023年~ × 全国
※紹介したモデルとは異なるグレードのものもあります。
文/松本英雄、写真/篠原晃一

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【試乗車 諸元・スペック表】
●2.8 AX ディーゼルターボ 4WD

型式 3DA-GDJ76W 最小回転半径 6.3m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.89m×1.87m×1.92m
ドア数 5 ホイールベース 2.73m
ミッション 6AT 前トレッド/後トレッド 1.56m/1.46m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.76m×1.44m×1.24m
4WS - 車両重量 2300kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 2575kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.2m
マニュアルモード
標準色

ベージュ、スーパーホワイトII、アティチュードブラックマイカ

オプション色

-

掲載コメント

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型式 3DA-GDJ76W
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 6AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ベージュ、スーパーホワイトII、アティチュードブラックマイカ
オプション色 -
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 6.3m
全長×全幅×
全高
4.89m×1.87m×1.92m
ホイール
ベース
2.73m
前トレッド/
後トレッド
1.56m/1.46m
室内(全長×全幅×全高) 1.76m×1.44m×1.24m
車両重量 2300kg
最大積載量 -kg
車両総重量 2575kg
最低地上高 0.2m
掲載用コメント -
エンジン型式 1GD-FTV 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 軽油
過給器 ターボ 燃料タンク容量 130リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 2754cc 燃費(WLTCモード) 10.1km/L
└市街地:8km/L
└郊外:10.5km/L
└高速:11km/L
燃費基準達成 -
最高出力 204ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
500(51)/2800
エンジン型式 1GD-FTV
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 2754cc
最高出力 204ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
500(51)/2800
環境対策エンジン -
使用燃料 軽油
燃料タンク容量 130リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 10.1km/L
└市街地:8km/L
└郊外: 10.5km/L
└高速: 11km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は馬場馬術。