▲今回初観戦のフォーミュラEってだけでなく、サウジ初の世界レベルのレースってのにも興味シンシン ▲今回初観戦のフォーミュラEってだけでなく、サウジ初の世界レベルのレースってのにも興味シンシン

なぜかサウジで初観戦! フォーミュラE第2世代は一体どこが“E”~の?

『フォーミュラE』ってみなさん知ってますか? そう、昨今のEV(電気自動車)シフトに合わせて5年前の2014年にスタートしたFIA主催による世界初の1人乗りフォーミュラEVレースですよ。

当初は参戦チームも少なく、インドのマヒンドラ以外はルノーとアウディがプライベーターをサポートするだけでしたが、毎年のようにワークスチームが増えて昨年12月に始まったシーズン5は前述マヒンドラ、フランスPSAグループのDS、ジャガー、アウディに加えて今回BMW、そして日本からついに日産が初参戦。ついでに来シーズンはメルセデスとポルシェも増えて7ワークス体制になりいよいよ本気モードに。

ってなわけで昨年12月15日、なぜかサウジアラビアの首都リヤド郊外で行われた初戦『ディルイーヤE-PRIX』に小沢も行ってみましたが、最大の焦点はぶっちゃけホントに面白いのか?

なんせこれまで「エンジン音がなくて刺激が少ない」「スピードはF3レベル」「距離を走れずマシンを途中で乗り替えるから不思議」とかいろいろいわれてたので。

最も逆に「マシンが静かだから都会で走れて凄い」利点も確実にあり、開催地の香港、ローマ、パリ、モナコ、ベルリン、ベルン、ニューヨーク他はすべて市街地コース。いわば街中で走るプロレスが見れるわけでこれはとんでもないメリット。

しかもこのシーズン5からマシンはGEN2こと第2世代に入り、タイヤを独立して覆う新エアロデザインに。

そして、予選とフリー走行時の最高出力が200kWから250kWに上がり、バッテリーも28kWhから54kWhに倍増、マシン交換がなくなり45分+1周のロングディスタンス一本勝負になった。

最高速も225㎞/hから280㎞/hに上がってエンタメ性は確実にアップしてるわけです。

ってなわけで論より証拠、小沢が見た初生フォーミュラEですけど、予選時は確かに衝撃的な迫力のなさ。

音は通りすがるときに「♪ヒュイーン」と甲高いモーターだかインバータの音が聞こえるだけで、かつて某アナウンサーが「女のうめき声みたいですねぇ」といった耳を突き刺すようなF1サウンドが懐かしい限り。

ところがコースサイドで見た決勝はひと味違いました。まず市街地コース、しかもF1ほど速くないこともあって、その間近で見れる「リングサイド効果」が半端ない。

途中でスタンドから離れて、コース脇で見てましたが、気分的には「手を出せば届くんじゃね?」って近さ。

さらなる驚きはその抜きつ抜かれつ度合で、そもそもマシン性能差が少ないうえ、ボタンを押せば本戦中でも225kWのハイパワーモードが使え、オマケにSNSでファン投票上位5位に入れば250kWを5秒間使えるファンブーストなるモードもあって目まぐるしく順位が変わる。

マジで最後の1周まで目が離せないレース展開で、特にラストは毎週トップが変わる勢い。

今回はひいきの日産エースドライバー、S・ブエミが6位と振わず残念でしたが首位争いだったらかなりシビれたのでは? という印象。とにかく一度見てくれフォーミュラE! なんですって。
 

▲初参戦の日産のドライバーはシーズン2王者のセバスチャン・ブエミとGP2からきたオリバー・ローランド ▲初参戦の日産のドライバーはシーズン2王者のセバスチャン・ブエミとGP2からきたオリバー・ローランド
▲金網越しに5mぐらいのところまで寄れ、そこをフォーミュラEが数台バトルしてると結構なド迫力 ▲金網越しに5mぐらいのところまで寄れ、そこをフォーミュラEが数台バトルしてると結構なド迫力
text&photo/小沢コージ

※カーセンサーEDGE 2019年3月号(2019年1月26日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています