カープのヘルメットとマツダのソウルレッドは同じ色!? カープとマツダにその真相を聞いてみた
カテゴリー: トレンド
タグ:
2015/10/07
カープのヘルメットはマツダ車のソウルレッドメタリックを「イメージした」色
現在、佳境を迎えているプロ野球のペナントレース。筆者が愛してやまない広島東洋カープは、本稿執筆時点(2015年10月1日現在)で4位。クライマックスシリーズへの出場権(3位以上)がわずかに残された、ギリギリの状況にある。もうちっと打線は奮起してくれんかのう……。
という話はともかく、カープと強い関わりのある車といえば、やはりマツダ車だ。本拠地の名称(マツダスタジアム)もさることながら、ヘルメットにソウルレッドプレミアムメタリック(以下ソウルレッド)を「イメージした」色が使われていることでも有名である。
……と、思っていた。でもそれは自動車業界の中だけの話らしい。野球好きの編集部員、若菜君も知らなかったし、熱烈なカープファンとして知られる某芸人さんも、今年のオープン戦の中継で「カープのヘルメット、テカテカしてますけど特殊な色なんですかね?」てなことをおっしゃっていたので、おそらくご存じないのだろう。
うーん、カープファンにも知られていないのはいかん。ソウルレッドがヘルメットに使われていることを、カープファンとしてもっとアピールせねば! という使命感のもと、採用された経緯を広島東洋カープに問い合わせてみると、意外なことがわかった。
きっかけは松田オーナーと金井会長の会話だった
広島東洋カープの広報曰く「マツダ アテンザの発表会の際に、弊社社長(広島東洋カープの松田元オーナー)が車体の鮮やかな赤に興味を示したところ、マツダの金井副社長(マツダの現会長)が、ヘルメットに採用してみてはと提案されたことから実現しました」とのこと。
そう。ソウルレッドメタリックがカープのヘルメット色に採用されるに至ったきっかけは、まさかのトップ同士の交渉だった。いわば、鶴の一声ともいえる。もちろんソウルレッドという色がカープのチームカラーに合わせて作られたわけではないし、カープがオーダーしたわけでもなかった。
しかしながら、そこからがまさに急転直下だった。この発表会、つまりきっかけとなった会話があった翌日には、ソウルレッドのボディカラー開発に携わったマツダの篠田雅史さんのデスクに同年で引退した石井琢朗選手(現コーチ)の背番号「25」が入ったヘルメットが置いてあったという。
篠田さんは当時を振り返り、こう語る。
「“このヘルメットに、ソウルレッドを塗りたい。”という話でした。ただ、材質も形状も車とは違うので、そのまま同じ塗料を塗装しても同じ発色はでません」。
そこで、光を設計する技術や塗膜設計を総動員し、色の配合も塗装の塗り方も一から見直すことに。さらに鋼板とプラスチックという素地の違いも考慮した。ソウルレッドという「色」をヘルメットの「素材や形状」に合わせ、グラウンドという「環境」に適合するよう専用に再開発したのが現在のカープのヘルメット色なのだ。
つまり厳密に言うと全く同じ塗料ではないのだが、ヘルメットの形状を考慮したうえで、塗料の発色をオリジナルのソウルレッドと同じにしたというわけだ。ヘルメットがマツダ車のソウルレッドを「イメージした」色と
発表されているのは、そんな理由があったのである。さて、普段からカープを身近に感じたいカープファンは、ぜひ愛車もソウルレッドのマツダ車にこだわってみてはどうだろう。そして愛車がソウルレッドのマツダファンは、ぜひ広島カープを応援していただきたい!