盗難数最多はあの車……「実は車両保険が使える」など、これを機に知っておきたい対処法
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2015/04/08
最も効果的な対策はイモビライザーと言われているが……
2015年3月31日、日本損害保険協会が「第16回自動車盗難事故実態調査」を発表した。これは損害保険会社が2014年11月に保険金を支払った事案を対象にした調査。調べによると、最も車両盗難の被害にあったのはプリウスで、2007年から7年連続で“ワースト”1位だったハイエースは2位になった。
ハイエースは2012年からイモビライザーが搭載されたためか、車両盗難の被害が148件から40件へと減少している。一方、プリウスは被害件数が前年度と変わらなかったため、車両盗難数が最多になった。
これまでハイエースが狙われやすかった理由として「耐久性があり海外で人気」「部品の汎用性が高い(海外ではエンジンが船舶や発電機などにも使われる)」などが挙げられている。また運送業などでも使われる車だけに、荷室にいろいろな道具が積んであることも理由だろう。
ただ、イモビライザーがつけば安心かというとそうとも言えない。そもそも1位のプリウスにはイモビライザーが全グレード標準装備となっているからだ。窃盗犯は様々な手口で愛車を狙ってくる。万が一の際に備え、盗難に遭ったときの対処法を覚えておこう。
盗難被害に遭ったら、すぐに警察に連絡を!
まず、愛車が盗難被害にあった場合、気付いた段階ですぐ警察に連絡を。事情聴取をされた後、被害届が受理される。このとき、被害届の受理番号が発行されるので大切に保管しておこう。被害届を出すことによって、犯人は盗んだ車の名義変更などができなくなる。
警察への連絡と合わせて加入している保険会社への連絡も忘れずに。一般、エコノミー問わず車両保険に加入していれば、車両の盗難は保険金支払いの対象になる。ただし車両保険の金額を抑えるために「契約自動車の盗難事故対象外特約」を選んでいた場合は補償対象外なので要注意。一方で、「車両積載動産特約」に加入していれば、車内にあったカメラやゴルフ道具なども補償の対象となる。
施錠してたのに数分で持っていかれた……
今回、実際に車両盗難の被害にあったAさんに話を聞くことができた。
編集部:Aさんが被害にあった車両と場所は?
Aさん:車は日産 スカイラインGT-R(R33)です。場所は新宿区の富久町交差点そば。大通り沿いなのに、数分で回線をいじってスターターを回し、自走していったということが警察の捜査で分かりました。時間は平日の夜11時くらいでした
編集部:盗まれたとき、鍵は閉めていたんですよね?
Aさん:もちろん。でも解錠なんてあっという間だったみたいですよ
編集部:その後、車は見つかったんですか?
Aさん:盗難にあうとまず車は出てこないと言いますが、私の場合は運よく見つかりました。ただ車はナンバーが付け替えられ、ホイールも変わっていました。自分の車だと分かったのは、私が貼ったステッカーがあったからです
編集部:発見後、その車は戻ってきたのですか?
Aさん:いえ。私は車両保険に入っていたため被害にあった後、保険金が支払われたんですよ。そのため見つかった車は保険会社が引き取っていきました。後日わかったのですが、私と同じようにR33を盗まれた人がいて、その人もホイールが変わっていた。犯人は私のとその人のホイールをつけ替えて乗っていたんです。その人はご丁寧に私のところにホイールを返しに来てくれたのですが、私はホイールごと保険会社に渡してしまったので受け取ることができませんでした
編集部:被害に会って大変なことはありましたか?
Aさん:大変だったのは事務処理ですね。保険金受領後に車両が出てきたことで、状況を聞きたいと保険会社が会社まで来てたっぷり面談されたんです。車内には財布やビジネス用のカード、領収書などが入っていたため、結構な被害が出てしまったんです。私は始末書を書くはめになりました……
「STOP THE自動車盗難」によれば、盗難被害に遭った車のうちオーナーの手元に戻ってくるのは2割ほど。運よく車が手元に戻ってきても何かと大変なことが多い。まずは被害にあわないよう、なるべく個々人で対策をとっておきたい。
【関連リンク】
- 第16回自動車盗難事故実態調査結果発表(一般社団法人 日本損害保険協会)
- STOP THE自動車盗難(自動車盗難防止に関する官民合同プロジェクトチーム)