まだ運転免許を取れない学生時代。車雑誌を読みながら「大人になって免許を取ったらあの車を買って…」と夢見ていた人たちは多いはず。そして憧れを現実にするために、寝る間を惜しんでアルバイトをし、節約を重ねて車を買った経験がある人も、40代以上には多いもの。

では、車離れが言われる今の若者はどう考えているのだろう。ソニー損保が「2014年 新成人のカーライフ意識調査」を発表。ここから現代の若者の興味深い実態が見えてくる。

まず「車に興味がある」と答えたのは46.3%。昨年より4ポイント少なくなっている。さらに「同年代で車を所有している人はカッコイイと思う」(47.0%)も昨年より4.6%減っている。理由として「車を所有する経済的な余裕がない」と答えた人が66.9%もいたのに対し、「車に乗る必要性を感じない」人は28.6%にとどまっている。つまり「本当は欲しいけれど、余裕がないから興味を持てない」というのが現状のようだ。

では、彼らは車を買う余裕ができたら何が欲しいのか。結果はなんと5年連続で日産キューブがトップになった。

新成人が考える「はじめての車選びのポイント」は、価格、デザイン、燃費、運転のしやすさが上位に。たしかにキューブはこれらをすべて満たす車。とくに左右非対称のリアデザインや自分の部屋にいるようなインテリアなど、他の車にはないオリジナリティが若者の心をつかんでいるようだ。また、男性の回答に注目すると、BMW 3シリーズやトヨタ86など、走りを楽しめる車も上位に入っている。

興味深いのは新成人が欲しい車ベスト10のうち、5台が日産車であること。なぜ日産がここまで若者の心をつかんでいるのだろう。アンケートには「メーカーにもっと若者向けの車を作ってほしい」という設問があり、45.0%がそう思うと答えている。とくに女性でこの傾向が高い。

現在、女性をターゲットにしたモデルでは、開発陣に女性が名を連ね、女性目線での開発も積極的に行われている。若者向けの車開発も同様に行われているが、今以上に若者が「これに乗りたい!」と思える魅力的なモデルが多く登場することを期待したい。

5年連続で新成人の人気ナンバーワンとなったキューブ。唯一無二のデザインと使いやすさが女性を中心とした若者の心を捉えている

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中古車だと手が届きやすいハッチバックはもちろん、走りに定評のある輸入車や国産スポーツカーなど憧れの車も上位にランクイン

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男性と女性では車選びの嗜好が大きく異なる。男性は車に乗ったらカッコいい、女性はこの車が可愛いという視点で選んでいるのがわかる

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設問にはこのようなものも。軽でデート、軽でアウトドアだってアリという人が多数。来年以降、スズキハスラーが上位に入ってくるかも!?

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