10月14日から第20回ITS世界会議が東京ビッグサイトで開催され、最先端の情報通信技術による交通システムが展示された。国内外の数多くの自動車メーカーも参加し、話題の「ぶつからない車」に代表される運転支援技術などの最新技術が披露された。

ITSとは、最先端の情報通信技術を用いて人と道路と車両とをネットワークすることにより、交通事故、渋滞などの道路問題の解決を目的とした高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems)のこと。

ITS会議は、アジア太平洋地域、ヨーロッパ、アメリカの世界を代表する3地域が共同で、ITSの普及による交通問題の解消とビジネスの創出を目的に1994年から開催されている。

各社が発表した展示の中で特に注目を集めたのはホンダの駐車支援システム「自動バレーパーキング」。駐車場の送迎エリアで人が降りると、車が駐車場の監視カメラと無線通信で連携し、場内の空きスペースに無人で走行して自動で駐車。運転者が送迎エリアに戻ると、車が自動で送迎エリアまで迎えにいくというシステムだ。

実用化されれば、ショッピングモールなどの大型駐車場での利便性が大きく向上しそうだ。

自動車メーカー以外にも、カーナビやスマートフォンなどを活用した最新の情報通信技術に関わる多くの企業や団体が参加する世界ITS会議。実際に最先端の技術を目の当たりにすると、これらが環境や安全だけでなく、車のある生活そのものを便利で身近なものにしてくれることがひしひしと感じられた。

ホンダの自動バレーパーキング。駐車場内の監視カメラが障害物の情報を把握して車に伝達。障害物などとの衝突を避けることを可能にする

ホンダの自動バレーパーキング。駐車場内の監視カメラが障害物の情報を把握して車に伝達。障害物などとの衝突を避けることを可能にする

自動バレーパーキングでは監視カメラと車載のリアビューカメラが連携。リアビューカメラが白線を感知することでスムーズな駐車が行われる

自動バレーパーキングでは監視カメラと車載のリアビューカメラが連携。リアビューカメラが白線を感知しすることでスムーズな駐車が行われる