毎年この時期になると各自動車メーカーから「わが社のエンジンがエンジン・オブ・ザ・イヤー2部門で受賞しました!」的なニュースが多数届く。今年はフォードの1L 3気筒ターボエンジン「1.0エコブースト」が総合1位に輝き、そのほかフォルクスワーゲンの1.4L TSIエンジンやBMW-PSAの1.6L 直噴ターボなどが各部門賞に輝いた。

そもそも「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」とはどこの誰が主催し、誰が各賞を決定しているのか?

結論から言うと主催はイギリスのUKIPメディア&イベント社という企業で、審査は世界中の現役モータージャーナリストによる投票で行われる。1部門あたり25点の持ち点を持つ各選考委員が、1部門につき5機のエンジンに、自らの試乗経験と知識・見識に基づいて投票する。

選考委員は世界35ヵ国のモータージャーナリスト79人と、International Judges(国際選考委員)と呼ばれる5人の計84人。平均年齢52.2歳とベテラン揃いで、最年長は南アフリカ共和国のJake Venter氏と日本の山口京一氏の78歳。逆に最年少はトルコのモータージャーナリストVolkan Demirkusak氏の29歳で、Demirkusak氏は地元トルコの週刊自動車誌「Otohaber」で健筆をふるっているようだ。

日本からは前述の山口京一氏のほか河村康彦氏と岡崎五郎氏の計3名が選考委員として参加しており、日本在住のピーター・ライオン氏とピーター・ナン氏もInternational Judgesとして名を連ねている。

国ごとの選考委員数はさすがにバラつきがあり、失礼ながら自動車的にはマイナー国であるウクライナと自動車大国アメリカの選考委員数が同じであるはずもない。最大の人数を誇るのはやはりアメリカの9名で、その後にドイツ、イギリス、フランスのヨーロッパ勢が4名で続き、日本は中国および韓国のアジア勢と同じ、そしてなぜかイタリアとも同じ3名。

このあたりの人数配分は予想される範囲だが、意外なところではブラジルが5名と、アメリカに次ぐ人数の選考委員を送り出しており、インドも本場ヨーロッパ勢と並ぶ4名。このあたりはその国の人口などに比例させているのだろうが、ともかく欧州やアメリカ、そして日本などの自動車製造国だけではない様々な国で、自動車というものがアツく語られていることがよくわかるエンジン・オブ・ザ・イヤーでありました!

「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」公式サイトのトップページ。「Judges」をクリックすると日本人選考委員の雄姿(?)も見れる

「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」公式サイトのトップページ。「Judges」をクリックすると日本人選考委員の雄姿(?)も見れる

総合1位に輝いた「1.0エコブースト」を搭載するフォード フォーカス。残念ながらこのエンジンを搭載するグレードは今のところ日本への正規輸入はない

総合1位に輝いた「1.0エコブースト」を搭載するフォード フォーカス。残念ながらこのエンジンを搭載するグレードは今のところ日本への正規輸入はない