5月16日、ホンダは緊急記者会見を開き2015年よりFIAフォーミュラ・ワン世界選手権(F1)へパワーユニットサプライヤーとして復帰し、マクラーレンとのジョイントプロジェクトのもと再びF1の頂点を目指し挑戦することを発表した。

ホンダは2014年からの新レギュレーションに合わせた1.6リッター V6直噴過給エンジンとエネルギー回生システムを開発&製造、車体の開発&製造とチーム運営を行うマクラーレンに供給し、マクラーレン・ホンダとしてF1に復帰する。

ホンダの伊東社長は「ホンダは創業期よりレース活動を通じて技術を研鑽し、人材を育んできた。自動車メーカーとして環境領域をはじめ一層の技術進化が求められる中、F1という四輪レースの頂点にも環境技術が大幅に導入されることを踏まえ、自らの技術を世界で試し磨くために、この度、参戦を決断した」とコメント。

マクラーレンのマーティン・ウィットマーシュCEOは「マクラーレン・ホンダという栄光の名前は、我々双方にとって大変名誉であると同時に重い責任を伴うもの。この名を再びF1の頂点で輝かせ、それを継続していくことに、ホンダも我々も同じ決意である」と語った。

マクラーレン・ホンダは、1988年から1992年までの間、44勝、53度のポールポジションを獲得、30回のファステストラップを記録。1988年にはマクラーレン・ホンダ MP4/4を駆ったアイルトン・セナとアラン・プロストが全16戦中15勝という大記録を打ち立て、ホンダF1の黄金時代を築いた。

今年10月に鈴鹿サーキットで行われるF1日本グランプリでは、1991年のF1日本グランプリでマクラーレン・ホンダ MP4/6を駆り優勝を決めたゲルハルト・ベルガー氏が来日。当時のマシンのステアリングを再び握りデモ走行を行う予定。今年はマクラーレン・ホンダの復活を祝い、ぜひ歴史的マシンの走りと世界最高峰のレースの迫力を堪能してほしい。

Text/石川茂幸

F1史に刻まれる圧倒的な強さを誇ったマクラーレン・ホンダが再びサーキットに戻ってくる。2015年のF1が今から楽しみだ

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ホンダV10エンジンを搭載した1989年のMP4/5。2015年には新レギュレーションに合わせた1.6リッターV6ターボでF1に復帰する

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記者会見で再び頂点を目指すことを誓い固い握手をかわしたホンダの伊東社長とマクラーレンのマーティン・ウィットマーシュCEO

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