メルセデス・ベンツ F125i【東京モーターショー2011】
2011/12/01
水素技術を追求したメルセデス・ベンツのゼロ・エミッションビークル
自動車誕生125周年を記念しメルセデス・ベンツから発表されたF125!は、ラグジュアリークラスの今後の技術的方向性を示すリサーチカー。多くのメーカーが「排気ガスのない自動車」を目指す中、メルセデス・ベンツはその実現に向け水素技術を追求しており、F125!は未来型エネルギー源として水素の可能性を示したモデルだ。
同社のこれまでのリサーチカーが7~8年先の未来を見据えていたのに対し、このF125!はそのさらに先、2025年以降を展望するものとなっている。
F125!における重要な技術として、「現行リチウムイオンバッテリーの改良およびリチウムサルファ技術の採用」や「水素コンポジット貯蔵装置を車体構造に一体化した革命的タンク技術」などが挙げられる。
前者のリチウムサルファバッテリーはエネルギー容量10kWhとコンパクトながら、燃料電池駆動システムを組み合わせることで航続距離は最長1000kmとなる。後者の水素タンク技術は、ボディシェル構造に初めて完全に一体化させたもので、現在使用されている高圧タンクより設置スペースを小さくできる可能性があるという。
メルセデス・ベンツはこの技術の量産化の実現を2025年以降と予測している。またファイバー強化プラスチックを多用するとともに、カーボンファイバーやアルミ、高張力鋼板を高度に組み合わせた軽量ハイブリッド構造ボディシェルにより、大幅な軽量化と安全性の改善を図っている。
これらの革新技術をもとに開発された4シーターラグジュアリーセダンF125!は、完全なゼロ・エミッションでありながら日常の足としての実用性や最高水準の快適性も併せ持っている。