どデカい「サバーバン」「チャレンジャー」をとにかく“カワイイ!”と愛でるアメ車女子 ~クルマ “女子” き:Vol.9~
2019/12/26
自動車に移動手段以上の価値を見いだし、時間もお金も費やする、いわゆる「車好き」はほとんどが男性である。ゆえに大変貴重な「女性の車好き」、しかも男性顔負け(?)の偏愛ぶりを見せる女性を取材する企画。カーセンサーは車好き女子を、応援しています!
元レースクイーンは車ガチ勢?
レースクイーンや、車関係イベントにていわゆるキャンギャルをやってらっしゃる女子の皆さん。彼女らは車系の仕事をやってはいるものの、「しょせんは“お仕事”であって、別に車のことなんて特に好きではないんでしょ?」と筆者は思っていた。
だが今回ご紹介する立花未来さんは、元レースクイーンで、現在は車関係のイベントや雑誌企画などへの出演を主な業務としているモデルさんであるにも関わらず(?)ガチの車好きで、しかも猛烈な「アメ車好き」だとの噂を聞いた。
「ホントかよ……?」と半信半疑でありつつもお話を聞くため、取材班は某県某市を訪ねた。
ということで、あそこにある猛烈にカスタマイズされてるダッジ チャレンジャーが立花さんの愛車なんですね? 借り物とかではなく?
そうなんですよ~。4年前に買ったんですが、いろいろあって(笑)気がついたら「EDGE CUSTOMS」のパーツとかがフルに付いた仕様になっちゃいまして。
(そんなブランド名言われてもオレはアメ車のカスタムに詳しくないからわかんないけど、この人はガチだ……と思いつつ)で、あのチャレンジャーが立花さんにとって最初のいわゆるマイカーだったんですか?
や、最初の車は19歳のときに買ったシボレー サバーバンです。
なんと! あのバカでかい……と言ったら失礼ですが、フルサイズのSUVであるサバーバンですか! なんでまた?
最初は車なんてぜんぜん興味なくて、免許も、18歳のときに母から無理やり「絶対取れ!」って言われて仕方なく取ったぐらいだったんですが……。
繰り返しになりますが、なんでまたそんな人がサバーバンを?
母がアメ車に乗ってたんですよ。といっても、ちっちゃいフォード エクスプローラーですけど。
(エクスプローラー、日本の道路ではぜんぜんちっちゃくないですから! という心の声を押し殺しつつ)……で?
で、最初は嫌々ながら母のエクスプローラーを借りて乗ってたんですが、乗ってるうちになんだか楽しくなっちゃって(笑)、「もっと大きいのが欲しい!」って思っちゃったんですよね。
それでサバーバンを……。
はい。当時は渋谷にある服飾系専門学校の学生だったんですが、某県から渋谷までサバーバンでトコトコ通ってましたよ。お金ないから高速道路じゃなくて下道で。それでもガソリン代と駐車場代がかかるじゃないですか? だからお昼ごはんもまともに食べられないし、学校の友だちからは「服飾を学んでるくせに、お前3年間同じブーツ履いてるなwww」とかバカにされるし。
なのになぜ、サバーバンに乗り続けたんですか?
だって、カワイイじゃないですかサバーバン! おっきいのにモタモタしてて、「ああ、コイツはわたしがいないとまともに動かないんだなぁ……」なんて思うと、ひたすら愛おしいじゃないですか!
はあ、そんなモンですか……。
そうですよ! で、そんな感じで3年ぐらい気に入ってサバーバンに乗ってて、売るつもりもなかったんですが、今から4年ぐらい前に「サバーバンが欲しい」っていう知人が現れたんですね。
なるほど。人生何事も、そういうタイミングってありますよね。
はい。スポーツカーとかマッスルカーにも一度乗ってみたい……とは思ってましたので、思いきって乗り替えることにしたんです。
乗り替えてみたチャレンジャーはどうでしたか?
これもカワイイですね。
また「カワイイ」ですか!
カワイイですよ! サバーと違ってチャレは私の言うこと聞いてくれるんです! キーをひねるとちゃんとエンジンかかるし! あと、速いから約束の時間に遅れることもないし! ららぽーととかの駐車場にもちゃんと入るし!
(チャレンジャーじゃなくても普通の車はエンジンかかるし、普通にまあまあ速いし、ららぽーとの駐車場にも止められるんですけど……とのコメントを飲み込みながら)まあサバーバンのモタモタっぷりもカワイイし、チャレンジャーのシュッと動くところもまたカワイイ、ってことなんですね。普段はどんな感じでチャレンジャーを使ってるんですか?
え~、仕事も買い物もコンビニもほぼ全部チャレで行くので、特に「使い方」っていうのはないですね。走行8万kmで買ったんですが、4年たった今は16万kmになっちゃいましたし。
つくづく「ガチで好き」なんですねえ。
アメ車以外に興味も趣味もない自分のことは「我ながらどうなんだろう……?」って最近は思ってるんですが(笑)、それでも、やっぱりアメリカ車が自分でもなんだかわからないけど大好きだし、これの次も、やっぱりアメ車を買います。具体的には、新型になったチャレンジャーに興味津々なんですよ……。
「なぜアメリカ車なのか?」という根本部分については正直、このインタビューでは解明できなかったと思っている。そこはインタビュアーとしての筆者の力量不足として陳謝申し上げたいが、同時に「まあ別にそんなことはどうでもいいじゃないですか!」とも、決して開き直りではなく思っている。
人が人を好きになったり、何かの物事を愛する理由やメカニズムをこと細かに解明することも、もちろんある種の人にとってはエンターテインメントであり、場合によっては「不必要な学問領域」になるのだろう。
だが「まぁそんなことは置いといて、とにかく自分が好きなことやモノを楽しもうよ。人生は短いんだしさ!」という態度も、ときに理屈っぽくなりがちな(筆者を含む)自動車愛好家には大切なのではないかと、ダッジ チャレンジャー(と、のろまなところが逆にカワイイというサバーバンを)やみくもに愛する立花未来さんを見ていて気づかされた、不肖筆者であったのだ。
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
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