「でんきパンダ」を飼って半年、ロマンチックが止まらないのだ
2018/10/24

半年経ってわかった、でんきパンダの不具合とは?
フィアットパンダを電気自動車にするというロマンを叶えて、はや半年。「でんきパンダ」と暮らす日々が始まった後もまた、ロマンチックが止まらないのであった。
例えば「命に関わる危険な暑さ」と気象庁に言われるまでもなく、夏に「でんきパンダ」を走らせるのは、まるで“危険を承知のうえで時限爆弾を積んだ車を走らせるアクション映画の主役”気分だ。何しろエアコンがないので、ハンドルを握りながらあっという間に意識が遠のきそうになる。
というわけで、7月以降は数えるほどしかでんきパンダに乗っていない。
また、ある日ドアを開けようとキーを差し込んだら、グニュッとするだけで回らなかった。
さては悪の組織が我がでんきパンダのキーを回すと爆発する……いやいや、そんなことあるかい!
と、力任せにエイッと回してみたら、今度はクルクルと無限に回るようになった。
ドアはまったく開く気配がない。
壊れた(壊した)。
後日、同様にバックドアも……。取り急ぎ運転席側だけは修理したが、バックドアの交換パーツは面倒くさくてまだ探してもいない。


と、半年間でのでんきパンダの不具合は、電気自動車化によるものよりも、20年以上も前のフィアット パンダ由来のトラブルがほとんどだ。以下、この半年間での不満点を挙げてみよう。
(1)エアコンが使えないので、酷暑は無理。厳寒が心配。
(2)ドアのキーの故障など、20年以上前のイタリア車相応の、マイナートラブル続出。
(3)原因不明だが日産製急速充電器が使えない。
(4)満充電の走行距離が80kmのため、長距離ドライブの際に「充電=休憩時間&回数」がガソリン車より増える。
(5)30分という充電時間の使い方が見つからない。食事には短すぎるし、コーヒーを飲むには長すぎる。
(6)充電1回ごとの料金は安い。高くても500円だ。しかし基本料金が毎月4200円かかるので、ガソリン代より安いとは言い切れない。
※普通・急速充電対応の日本充電サービス(NCS)カードを使用している。
(1)と(2)は、クーラーのないクラシックカーと同じだろう。これは並みいる先輩諸兄を見習って、やせ我慢するほかない。
(3)は明らかに改造電気自動車らしい不具合だが、こればっかりはいかんともしがたい。確かに使えないのは不便だが、他に急速充電器がたくさんあるので何とかやっていける。
(4)(5)(6)は電気自動車ならではの苦労。(4)の航続距離問題は三菱 i-MiEVや日産 リーフ(旧型)とそんなに大差はないし、(5)の充電時間30分は電気自動車なら現状どうしてもつきまとう問題だ。
一方で(6)は三菱 i-MiEVや日産 リーフならメーカーが用意してくれるお得なカード(日産の場合なら月会費2000円で全国の急速充電が使い放題)を利用できるので、めちゃくちゃうらやましい。


充電器のない賃貸マンションでも十分飼っていける
よくある質問に答えると今のところ下記のような感じだ。
(Q 1)充電設備のない賃貸マンションで「でんきパンダ」を飼えますか?
A:近くに急速充電器があるので、特に不便は感じない。確かに自宅で充電できれば、出かける前に急速充電する必要がないため時間が省けるが、利用している急速充電器は24時間対応。あなたがもし私のように売れないライターなら30分くらいいつでも作れるはずだ。

(Q 2)駆動系などのトラブルはないのでしょうか?
A:もともと抱えている「日産製急速充電器で充電できない」以外に、充電のトラブルは2回。いずれも200Vの普通充電で充電しようとしたらエラーが出た。原因は不明だが、2回とも数km離れたところに急速充電器があったので、ロードサービスに頼ったことはない。
(Q 3)電気自動車にしたことでメリットはありますか?
A:今年度は間に合わなかったが、来年の自動車税が軽減される。東京都の自動車税の場合、95年式のパンダの年額は3万9600円だが、改造電気自動車にしたことで2万9500円に減免される。大喜びするほどではない微妙な額だ。
よくある質問は以上だ。
予想外なことで言えば、当初はどこでもチヤホヤされると本気で思っていた。
「え! 何ですかこれ!?」
「いや、ちょっとパンダを……」
「うわっ、すげー!」
とか声かけられちゃうのを何度も頭の中でシミュレーションしたのだが、まだ4回しか声をかけられていない。
……とまあ、でんきパンダだとの半年間を振りかえればいろいろとあるが、今一番頭を悩ませているのは、上記に述べたように「バックドアのキーをどうしようか」問題だ。こちらについては、後日お伝えしたいと思う。
秋になり、クーラーのないでんきパンダで過ごすには絶好のシーズンとなった。「電気自動車のパンダ」はまだまだロマンチックが止まらない。

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