車は単なる移動の道具ではなく、大切な人たちとの時間や自分の可能性を広げ、人生をより豊かにしてくれるもの。車の数だけ、車を囲むオーナーのドラマも存在する。この連載では、そんなオーナーたちが過ごす愛車との時間をご紹介。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?

▲アウトドア好きという上杉さん夫妻と、車から勢いよく降りる愛犬のあんず ▲アウトドア好きという上杉さん夫妻と、車から勢いよく降りる愛犬のあんず

みんな夫が選んだと思っています

公園の駐車場に入ってきた黄色のトヨタ FJクルーザー。

もともと北米向けに生産されたこの車は、デザインも色も国産車のそれとは異なり独特な雰囲気を醸し出す。

結婚して1年半という上杉さん夫妻。

このワイルドなスタイルのFJクルーザーは、もともと奥さまの千菜美さんの愛車だった。

お互い車をもっていたが、結婚を機に1台にした。

「即決でした。FJはデザインも色もとがっていてカッコいいから、妻の車を残そうってことにしたんです」

国産のミニバンに乗っていた旦那さまの大和さんは、迷わず千菜美さんのFJクルーザーを選んだ。

そんなふうに“上杉家の車”となったFJクルーザーだが、それを知らない人からはたいてい大和さんが選んだ車だと思われるという。
 

▲運転は千菜美さんがメイン。妊娠してからは大和さんが運転する機会も増えてきた ▲運転は千菜美さんがメイン。妊娠してからは大和さんが運転する機会も増えてきた

聞けば教習所に通っているころから、千菜美さんは「人とは違う車に乗りたい」と思っていたそう。

FJクルーザーはそんな千菜美さんの感性にドンピシャの車だった。

「趣味のウインタースポーツやキャンプに行くための走破性もあって、愛犬のあんずも乗せられて。とっても気に入っていたんですが、付き合っているころはFJクルーザーに乗ってることを黙っていました」

大きくワイルドなスタイルだったため恥ずかしくて明かせず、そうこうしているうちに言い出すタイミングを逃してしまったそうだ。

▲ワイドなボディにどこか愛らしいフロントデザインというギャップもお気に入りのポイント ▲ワイドなボディにどこか愛らしいフロントデザインというギャップもお気に入りのポイント

車とともに家族に加わった愛犬

結婚のタイミングで千菜美さんの愛犬だったあんずも家族に加わった。

ペットも泊まれる宿に旅行に行ったり、キャンプに一緒に出かけたりと、いつも一緒だ。

「本当に空気の読める子で、私たちがけんかをしてるのがわかるんです。そんなときはひざの上に乗ってきたりして」

せっかちな千菜美さんとおっとりした大和さんは、時たまリズムが合わずにけんかをしてしまうこともあるそうだが、積極的に仲裁役になってくれるあんずのおかげで、家は常に明るい雰囲気だ。

そして、あと数ヵ月もすれば家族も増え、上杉家はさらに賑やかになるだろう。

▲休みの日はそろって散歩へ。家族だんらんの時間だ ▲休みの日はそろって散歩へ。家族だんらんの時間だ
▲けんかの仲裁役も担うあんず。元々は千菜美さんの愛犬だったが、2人の意見が食い違っても“中立的な立場で”間に入って関係を直してくれるそうだ ▲けんかの仲裁役も担うあんず。元々は千菜美さんの愛犬だったが、2人の意見が食い違っても“中立的な立場で”間に入って関係を直してくれるそうだ

どんなクルマと、どんな時間を?

旅に出かけるときは、いつもFJクルーザーがあった

その本格的なツールのようなスタイルが、逆に遊びゴコロのある車として北米で人気を呼んだクロスカントリーモデルが、国内にも投入された。ショートオーバーハング、ショートホイールベースのディメンションや、パートタイム式4WDが採用されるなど、道を選ばない装備が充実している。

インテリアもドアハンドルおよび、スイッチ類は厚手の手袋をはめたままでも操作しやすいように、大型のものが採用された。さらに先進のスリップ制御技術であるアクティブトラクションコントロールや、相互連携ショックアブソーバーシステムのX-リアスなどもオプションで用意される。パワートレインは、全モデルが4LのV6DOHC+5速ATの組み合わせとなる。
 

▲4WDの走破性は雪山やオフロードのような場所でも安心して走ることができる旅の友 ▲4WDの走破性は雪山やオフロードのような場所でも安心して走ることができる旅の友
▲FJクルーザーは元々、北米専売のモデルであったが、その人気から2010年に日本市場に投入されたモデル。カクカクしたボディに力強さを感じるデザインは、男性のみならず上杉さんのように女性の心もつかんでいる。しかし、今年1月に販売を終了し絶版モデルとなった。良質な中古車を求め、FJクルーザーの争奪戦が始まるのも時間もの問題だろう ▲FJクルーザーは元々、北米専売のモデルであったが、日本でも人気があり2010年に日本市場に投入されたモデル。カクカクしたボディに力強さを感じるデザインは、男性のみならず上杉さんのように女性の心もつかんでいる。しかし、今年1月に販売を終了し絶版モデルとなった。良質な中古車を求め、FJクルーザーの争奪戦が始まるのも時間もの問題だろう
text/編集部 今泉翔太
photo/三木崇徳