T邸・マニア垂涎のリゾートガレージをもつ家+牧田美朝
カテゴリー: カーライフ
タグ: EDGEが効いている / ガレージハウス
2013/10/22
自宅と勤務先の中間に築いた夢のウィークエンドハウス
富士五湖に近い別荘地。そこに建てられた“ウイークエンドハウス”はカーフリークの心理を知る建築家がデザインしたもの。人生をより豊かにしてくれる憧れの空間がそこにはあった
建築家がデザインする車と共生する空間
富士五湖某所。湖畔から車で数分という緑豊かな別荘地が今回の目的地だ。標高1000m前後というこの土地には、緑を抜ける心地よい風が流れている。
別荘地に入ると、どの家も道路から大きくセットバックした緑美しい広い庭をもち、日本とは思えない統一感あるロケーションとなっている。そんななかに340坪という広大な敷地をもつT邸はあった。
道路から緩やかな勾配を登っていくアプローチは、美しい青空や緑に吸い込まれていく感覚。ウッディな壁と白い縁取りがされた広い窓は、周囲の自然に溶け込む柔らかさと暖かさをたたえている。ジネッタのロゴが配されたガレージの扉を開けると、広いスペースに美しく磨き上げられたジネッタとBMWのモーターサイクルが格納されていた。
ヨーロッパのバックヤードビルダーのような佇まいにピッタリのマシンが潜んでいて、思わずニヤリ。
ここはリビングスペースでもあり書斎ともなる複合空間だ。四方からは十分な自然光が入り、美しい緑に包まれているから非日常を味わうには極上の空間である。とくにテラス側の窓を開け放つと、内と外との境界線がなくなり、広大な林の中にポツンとリビングルームごと身を置いたような感覚に陥る。
施主のTさんは、埼玉県にご自宅を構え勤務先は静岡県とのこと。ふだんは静岡で過ごすことが多いそうだが、ここ富士五湖はその中間地点に位置するため、自分だけの時間を過ごすには最適のポジションなのだ。
実際にここを訪れるのは月に2回程度で、そのほとんどはTさん単独とのこと。趣味のスペースであり書斎であり…という、まさに垂涎の空間がここにある。
設計は、建築家の牧田美朝さん。Tさんとの出会いは、牧田さんの作品が紹介されている雑誌をTさんが目にしたことがキッカケ。ひと目見て大ファンになってしまったTさんは、牧田さんが手掛けるプロジェクトを知り、今回の依頼へと繋がったという。
そのプロジェクトとは、このエリア全体の景観を含めたデザインを牧田さんが手掛けるというもの。ここに建つ建物の多くも牧田さんの手によるもので、日本離れした雰囲気や家並みの一体感が実現されているのだ。
牧田さんをリスペクトするTさんは、この家を建てる際にも基本的にオマカセというスタンスを貫いた。
「Tさんの要望はシンプルで、家族との距離感を保って欲しいという1点だけでした。たまにご家族が遊びにきた際に、みんなが快適に過ごせるスペースも確保したいということです。つまり、すべてがガレージ中心というわけではないということですね」
と牧田さん。その要望に応えて、Tさんの趣味のスペースは、オフィス機能やテレビやソファを配置したリビング機能、さらに引き戸ひとつでガレージにアクセスできる寝室で構成。その奥には、家族と一緒に過ごすためのリビングルームやキッチン、バスルームやロフトタイプの寝室などを用意している。
この家族スペースとガレージは、普段は開放されて繋がっているが、家族が遊びにきたときには大きなガラス戸で間仕切りして、家族の快適性を確保できるように工夫してある。
「自宅が生活や仕事をするうえでベース(活動拠点)という役割を果たすのであれば、この“ウィークエンドハウス”は、人生をより豊かにするためのベースとして活用してもらいたいのです。そのためには、毎週末のようにここで生活して欲しいですね」
牧田さんは、T邸のような建物を別荘とは呼ばず、ウィークエンドハウスと表現する。それが、施主のライフスタイルに大きな変化をもたらしてくれることが、多くのファンを魅了する部分でもあるのだろう。T邸は築3年。今後、どのように進化していくか楽しみである。
「T邸・マニア垂涎のリゾートガレージをもつ家」
建築家:HOME&GARDEN/牧田美朝
tel.0555-65-9261
構造:木造
敷地面積:1127.72㎡ 延床面積:156.51㎡
設計・監理::HOME&GARDEN
文・菊谷 聡 text / KIKUTANI Satoshi
写真・大西 靖 photos / ONISHI Yasushi
取材協力・ジェイスタイル・ガレージ 株式会社
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
あわせて読みたい
- 西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランボルギーニ ウルスの巻
- EVハイパーカーメーカー「リマック」が今熱い!従来のスーパーカーを猛追するクロアチアの新星【INDUSTRY EDGE】
- 【功労車のボヤき】「オペルとは思えないほどイカしてる!」というトホホな褒め言葉に涙した日もあったけど……。オペル一族の逆襲!?
- 【試乗】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス│”新時代の車”を堪能できるラグジュアリーセダンの最高峰!
- ドア開閉音からも分かる卓越したビルドクオリティ、空冷時代だからこそ生きたポルシェの技術力
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 今はもう中古車でしか味わえない高純度FR、国産を代表するミドルセダンのレクサス GS【Back to Sedan】
- 世界で3社しか市販していないレアなFCVの1台、トヨタ MIRAIのドライブフィールに注目! 【EDGE’S Attention】
- 【試乗】新型 アウディ A4 アバント│実用性の高いアバントボディがクアトロらしい俊敏な走りとマッチし、絶妙にバランスがとれた逸品
- アルピナ B8 4.6リムジン。それはある意味「永遠の命」をもつ希少名車だった。【NEXT EDGE CAR】