O邸・2台のガヤルドが棲む家 + 山本健太郎
カテゴリー: カーライフ
タグ: EDGEが効いている / ガレージハウス
2012/11/15
オフィスビルをリノベーション。ラグジュアリーな「男の基地」
オフィスビル風の建物とエッジを効かせたボクシーな建造物。見ただけで内部の構造に興味が沸く。そこは、男が憧れる複数の空間が次々に現れる垂涎の「基地」であった。
元オフィスビルのメリットを活かし憧れの世界を凝縮
今回ご紹介する物件は、建築家・山本健太郎さんの作品。ずいぶん前から「ガヤルド2台が収まるガレージ……」と予告されていて、ずっと楽しみにしていた。そしてやっと訪れることができたのだが、まだ一部工事が完了していない部分もあり、まさにできたてホヤホヤの状態で拝見することできた。
千葉県千葉市にあるこのO邸は、リノベーション物件。もともと企業が入っていた3階建てのオフィスビルをOさんが購入し、内装を全面刷新するとともに1階の玄関やガレージ周辺を増築している。そんな建物をベースにしているだけに、各フロアの有効面積が広い。1階から3階まで、覗くたびに取材陣全員から「おおっ」という感嘆の声が上がるほど贅沢で洗練された空間が次々に現れたのだった。
正面から見ると、タイル張りの3階建てオフィスビルと、黒光りするボクシーな建造物が組み合わされている。このガリバリウムで構築された一角が増築された部分だ。ガレージシャッターは開放され、赤いランサー エボリューションが収まっている。この風景だけだと、立派なガレージ+スポーツカーという平凡な印象。しかし、その奥にもうひとつシャッターが。
内部を覗くと、外観からは想像すらしなかった世界が現れた。ブラックのランボルギーニ ガヤルドとオレンジのガヤルド スパイダーが、薄暗いガレージ内で小さなスポットライトを浴びながら静かに佇んでいる。左手に目をやると、そこはOさんが「スタジオ」と呼ぶ音楽スペース。じつはこのガレージは、ライブハウスとしての機能ももっている。スタジオはそのままステージに、2台のガヤルドを表の駐車スペースに移動させれば立派なライブハウスの完成だ。
このガレージとスタジオは、Oさんの希望で玄関から2階へアクセスする際に眺められるように設計されている。改めて玄関からの動線をたどってみると、右手はまるで美術館かハイエンドなショールームのような景色が広がる。とても個人住宅のガレージとは思えないほどだ。
さて、ここで当初から抱いていた素朴な疑問をOさんにぶつけてみた。「どうして1軒の家に2台のガヤルドが?」。Oさんは、「ガヤルド(ブラック)は5年前に私が購入したもので、スパイダーは、わずか1週間違いで家内が購入したものなのです」。お二人が知り合ったのは3年前というから、その時点でどちらもガヤルドオーナーだったというわけだ。ガヤルドが結びつけたご縁。Oさんはアヴェンタドールに狙いをつけているようだが、そんなエピソードがあればガヤルドを手放すわけにはいきませんな……。
取材陣は2階に上がり、さらに驚いた。長い廊下の左側にはジムがあり、右側は広いバスルームとその先にウッドデッキを備えるテラスが。どちらも広いガラスウォールで仕切られているから、いっそう空間の広がりを感じる。さらに3階。なんと広さ50畳もの広大なリビング&ダイニングルーム。グランドピアノとアイランドキッチンが同居していても、なんの違和感もない。」
「この家のコンセプトは?」という質問に、Oさんは、「男の基地です。たとえば所ジョージさんの世田谷ベースのような……」。たしかにまさにどんな男でも1度は憧れた世界が、このO邸にはちりばめられている。スーパーカー、オートバイ、ミュージック。すると山本さんが、「そこに私がラグジュアリーを1滴たらしました」。なるほど、そのエッセンスこそが山本ワールドを構築する秘密だったのだ。
「O邸・2台のガヤルドが棲む家」
建築家:山本健太郎
tel.03-5788-5313 http://www.ka-design-studio.com/
所在地:千葉県千葉市 主要用途:専用住宅
構造:鉄骨造 敷地面積:224.59㎡ 延床面積:343.2㎡
設計・監理:有限会社Kaデザイン一級建築士事務所
文・菊谷 聡 text / KIKUTANI Satoshi
写真・木村博道 photos / KIMURA Hiromichi
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
あわせて読みたい
- 西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランボルギーニ ウルスの巻
- EVハイパーカーメーカー「リマック」が今熱い!従来のスーパーカーを猛追するクロアチアの新星【INDUSTRY EDGE】
- 【功労車のボヤき】「オペルとは思えないほどイカしてる!」というトホホな褒め言葉に涙した日もあったけど……。オペル一族の逆襲!?
- 【試乗】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス│”新時代の車”を堪能できるラグジュアリーセダンの最高峰!
- ドア開閉音からも分かる卓越したビルドクオリティ、空冷時代だからこそ生きたポルシェの技術力
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 今はもう中古車でしか味わえない高純度FR、国産を代表するミドルセダンのレクサス GS【Back to Sedan】
- 世界で3社しか市販していないレアなFCVの1台、トヨタ MIRAIのドライブフィールに注目! 【EDGE’S Attention】
- 【試乗】新型 アウディ A4 アバント│実用性の高いアバントボディがクアトロらしい俊敏な走りとマッチし、絶妙にバランスがとれた逸品
- アルピナ B8 4.6リムジン。それはある意味「永遠の命」をもつ希少名車だった。【NEXT EDGE CAR】