▲軽自動車よりも車幅はあるものの、5ナンバー規格いっぱい(全幅1700mm)に比べれば70mmも全幅が狭くなるフィアット 500C。細い道を通る際も安心感が高くなりました。ちなみにハッチバックの500ではなくオープンタイプの500Cを選んだ理由は、万が一両脇のブロックが崩れるような事態になったときに屋根を開けて逃げるため(という言い訳で奥さんに納得してもらいました) ▲軽自動車よりも車幅はあるものの、5ナンバー規格いっぱい(全幅1700mm)に比べれば70mmも全幅が狭くなるフィアット 500C。細い道を通る際も安心感が高くなりました。ちなみにハッチバックの500ではなくオープンタイプの500Cを選んだ理由は、万が一両脇のブロックが崩れるような事態になったときに屋根を開けて逃げるため(という言い訳で奥さんに納得してもらいました)

数字上は通れるからと言って油断は禁物! 狭い道に本当に合う車選びを

車を選ぶ際、諸事情から小さな車しか選べない人も多いはず。例えば「駐車場のサイズ(長さ、幅、高さなど)」や駐車場までの(または駐車場から出ていく)道が狭い場合です。

みなさんは「2項道路」という言葉を聞いたことがありますか? 建築基準法第42条において道路とは「幅員4m(一部地域では6m)」以上のものと定められています。しかし建築基準法の規定が適用される前から建物が建っている場合は細くても道路とみなすと第42条第2項に書かれています。これを「2項道路」あるいは「みなし道路」と呼びます。

2項道路といっても実態は幅員4mにわずかに足りないものから、人がすれ違うのもやっとというさらに狭い場所まで様々です。なんとか車が通れる2項道路だと、そこに駐車場を作るケースも多くなります。そうなるとどれだけ駐車場が広くても車幅に制限が出ます。

このような場合「5ナンバーサイズがやっとだけど、安全策で軽自動車にするか……」と悩むことも。筆者の自宅前の道路がまさにこのパターンで、最も細いところは幅員1.8mほどなのです。「だったら3ナンバーでも平気じゃん」と思った人もいるでしょう。紙の上での理論値ではそのとおりですが、いくつかトラップがあるのです。

・道路は雨水がたまらないよう斜めになっているため、車も左右どちらからに傾きます(500Cの写真で車体が右に傾いているのが分かるはず)。道が細いとこれが命取りに(全高の高いモデルだとルーフ付近を塀にこすってしまう)。
・雨水を受ける側はそこに接する敷地に雨水が入り込まないよう5cmほど高くなっている(500Cの写真の路面右下の状態)ためそこでホイールをこすってしまう。
・車の全幅はボディの左右幅。ミラーは含まれないため、形状によってはミラーを畳んでもボディの外側にはみ出してしまう(ホンダ N-ONEの全幅は1475mmですが、ドアミラーを含む車幅はミラーを閉じた状態で1630mmになります)。

わずかな幸運でトラップを避けることができ5ナンバーサイズが通れるとしても、少しでも油断したら他人の家をこすってしまう……という状態を運転のたびに続けるのは精神衛生上よくありません。そこで筆者が出した結論は「軽自動車より幅は広いけれど、5ナンバーフルサイズよりは幅が狭い車を選ぶ」ことでした。

たった数cmの違いですが、筆者はこの差が走行面でも精神面でもゆとりにつながることを実感しています。超個人的なネタですが、2項道路が多いエリアでは同じような状況で苦労し車選びに迷っている人もいるはず。筆者の実体験に基づく、2項道路に駐車場がある人にオススメモデルを紹介しましょう! ただし条件は道路により大きく異なるので、最終的には必ずご自身で道幅等を確認したうえで車を選んでください。中には本当に軽自動車しか無理という道もあるはずですからね。

▲現行型日産 マーチの全幅は1665mm。5ナンバー規格いっぱいに近い現行型ノート(1695mm)より、30mm狭くなっています。「たったそれだけ?」と侮るなかれ! 一回り小さいボディは気持ちの余裕につながりますよ ▲現行型日産 マーチの全幅は1665mm。5ナンバー規格いっぱいに近い現行型ノート(1695mm)より、30mm狭くなっています。「たったそれだけ?」と侮るなかれ! 一回り小さいボディは気持ちの余裕につながりますよ
▲軽自動車のジムニーに1.3Lエンジンを搭載し、余裕ある走りを楽しめるようにしたのがスズキ ジムニーシエラ。ワイドフェンダーで外観の迫力を増していますが、それでも全幅は1600mm。ジムニー本家も魅力が高いですが、黄色いナンバーは嫌という人はこちらを! ▲軽自動車のジムニーに1.3Lエンジンを搭載し、余裕ある走りを楽しめるようにしたのがスズキ ジムニーシエラ。ワイドフェンダーで外観の迫力を増していますが、それでも全幅は1600mm。ジムニー本家も魅力が高いですが、黄色いナンバーは嫌という人はこちらを!
▲国産車は5ナンバー枠がある分、逆に制限内でなるべく広くするためフルサイズ車が多くなってしまいます。でも輸入車はそうした概念がないため、1700mmギリギリでない車がけっこうあるんです。欧州Aセグメントに入るフォルクスワーゲン up!の全幅は1650mm。筆者が住む付近の通りでも時折見かけますよ! ▲国産車は5ナンバー枠がある分、逆に制限内でなるべく広くするためフルサイズ車が多くなってしまいます。でも輸入車はそうした概念がないため、1700mmギリギリでない車がけっこうあるんです。欧州Aセグメントに入るフォルクスワーゲン up!の全幅は1650mm。筆者が住む付近の通りでも時折見かけますよ!
▲筆者が選んだのは屋根が開くオープンタイプのフィアット 500Cですが、ハッチバック(非オープン)の500も全幅は同サイズ。全幅1625mmでも室内は思いのほか広いです。2ドアしかないのはファミリーにとってネガ要素ですが、慣れれば案外気になりません。うちも3人家族で使っていますからね ▲筆者が選んだのは屋根が開くオープンタイプのフィアット 500Cですが、ハッチバック(非オープン)の500も全幅は同サイズ。全幅1625mmでも室内は思いのほか広いです。2ドアしかないのはファミリーにとってネガ要素ですが、慣れれば案外気になりません。うちも3人家族で使っていますからね
▲車は買い物などに使うのがメインなら思い切って2人乗りのスマート フォーツークーペを。全幅1560mmの2代目はネーミングどおりどんな道でもスイスイ走るコミューターです ▲車は買い物などに使うのがメインなら思い切って2人乗りのスマート フォーツークーペを。全幅1560mmの2代目はネーミングどおりどんな道でもスイスイ走るコミューターです
▲昔からの車好きなら駐車場の悪条件を逆手にとって思い切り趣味に走るのはどうでしょう。BMW製になって以降の現代のミニは初代で全幅1690mm、3代目となる現行型はより大きな3ナンバーサイズ。でもクラシックミニ(ローバー ミニ)は1440mm! オーバーフェンダーで武装もできそうです。国産車も80年代~90年代初頭のモデルだと大きく見えても全幅1600mm台前半のものが数多くあります。「幅が狭い車だとこういうのになっちゃうんだよ……」と奥さんを説得してみませんか? ▲昔からの車好きなら駐車場の悪条件を逆手にとって思い切り趣味に走るのはどうでしょう。BMW製になって以降の現代のミニは初代で全幅1690mm、3代目となる現行型はより大きな3ナンバーサイズ。でもクラシックミニ(ローバー ミニ)は1440mm! オーバーフェンダーで武装もできそうです。国産車も80年代~90年代初頭のモデルだと大きく見えても全幅1600mm台前半のものが数多くあります。「幅が狭い車だとこういうのになっちゃうんだよ……」と奥さんを説得してみませんか?
▲筆者は現在の場所に引っ越してきたとき、全幅1735mmの初代アウディ A3に乗っていました。細心の注意を払い両脇の家にこすらないよう頑張っていたものの、数ヵ月後にこすってしまいました……。そこがたまたま親戚の家だったので平謝りで事なきを得ましたが、他人の家だったら大変です。これがフィアット 500Cへの買い替え動機となりました ▲筆者は現在の場所に引っ越してきたとき、全幅1735mmの初代アウディ A3に乗っていました。細心の注意を払い両脇の家にこすらないよう頑張っていたものの、数ヵ月後にこすってしまいました……。そこがたまたま親戚の家だったので平謝りで事なきを得ましたが、他人の家だったら大変です。これがフィアット 500Cへの買い替え動機となりました
text/高橋 満(BRIDGEMAN)
photo/日産自動車、スズキ、フォルクスワーゲン、フィアット、メルセデス・ベンツ、BMW、高橋 満(BRIDGEMAN)