ペット関連ビジネスが盛況だ。年齢別のペットフードはもはや当たり前、専用温泉やエステサービスもあったりと、人間並みのサービスが存在。富士通では、歩数計で集約したデータをもとに犬の健康管理ができる専用のクラウドサービスも展開している。

それもそのはず、「一般社団法人ペットフード協会」の発表によると、犬猫の推計飼育頭数は2154万2000頭にのぼる。これは全世帯の約27%、4世帯に1世帯以上が犬または猫を飼育しているといった計算。総務省統計局が発表している15歳未満の子どもの数が1665万人と考えると、その市場規模がわかるだろう。

総合マーケティングビジネスを手がける富士経済の発表によると、2011年のペット関連全体の市場規模は3946億円。なかでも、成長が著しい分野が保険。2011年のペット保険契約件数は60万8850件で、前年比で18.2%も増加しているのだとか。

そんななか、共栄火災海上保険が新たな保険商品を発表した。それが『くるまるペットくん』。個人向け総合自動車保険『KAPくるまる』の特約で、自動車搭乗中のペット(犬、猫)のケガや、被保険者入院時のペット預託費用を補償する。

年間保険料は800円で、被保険自動車同乗中のペットが、自動車事故により被保険者と同時に死傷し、被保険者が人身傷害保険金の支払い対象となる場合に、ペットの治療費用(実費5万円限度)、葬祭費用(実費10万円限度)が支払われる。

また、葬祭費用保険金が支払われる場合は、墓石代、墓地代などのための臨時費用3万円が追加される。加えて、被保険者が人身傷害保険金の支払い対象となる事故により受傷し、入院した場合には、ペット取扱業者に世話を委託することによる負担費用(実費10万円限度)が支払われるとのこと。

共栄海上火災保険によると、『くるまるペットくん』を設置したきっかけは2つ。ひとつは、簡便に、かつ低廉な保険料で加入できる補償を求める契約者ニーズ。ふたつめは、ペットの葬祭を執り行うことは心を整理する上での区切りとなるので、葬祭費用補償を通じ、“ペットロス症候群”が少しでも軽減できればという思いからだとか。

もはやペットは愛玩動物ではなく、家族の一員として位置づけられているといえる。今後、人間が対象のサービスが続々とペット用にモディファイされていくことも考えられるだろう。

最後に、道路交通法第55条(乗車又は積載の方法)では、正常な運転の妨げとなる状態でペットを同乗させることは禁止されている。ペットのためにも、「ペットゲージ」や「ペット用ハーネス」を利用した安全運転を心がけよう。

販売は2013年4月1日始期契約より。ペットの死傷を補償する自動車保険の特約は国内損保では初めての試みだとか

販売は2013年4月1日始期契約より。ペットの死傷を補償する自動車保険の特約は国内損保では初めての試みだとか