インドで三菱重工業のETCシステムが稼働開始。諸外国のETC事情とは?
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2013/12/25
三菱重工業は新興国向けのETCシステムをインドに供給し、グジャラート州の高速道路で本格的な稼働を開始した。車両のフロントガラスに添付したステッカータイプのRFID(電波個体識別)タグを、料金所に設置したリーダーが検知して課金するという、カードを使用する日本とは少し異なる形となっている。
今回提供されたのは、インド全国統一の規格に準拠しており、販売されるRFIDタグと通信することでETCとして機能する。三菱重工業は今回新たに新興国向けのETCとして機器を設計したが、ETCやERP(電子道路課金システム)の分野では既に日本国内をはじめ、シンガポールやマレーシア、タイなど海外でも多くの供給実績を持っている。
無線式の料金収受システムは、1989年にイタリアが「テレパス」という名称で世界で初めて導入した。現在は欧州や北米だけでなく、アジアや南米、アフリカでも導入している国が増えつつある。国内では1997年に試験が開始され、2001年の11月から本格導入された。
日本ではETC車載器を備えた自動車がレーンに進入すると無線で通信が行われ、異常があった場合はバーが開かずに通過できない仕組みだが、世界的にみれば料金所にバーのついたシステムは「テレパス」くらいで、あまり例がない。システムもナンバーや専用タグを読みとるだけのものが一般的だ。
利用の目的も、高速道路建設費償還のために通行料金を徴収する日本に対し、基本的に道路は国費などで建設される諸外国では、シンガポールのように都市部への交通集中を回避するロードプライシングを主眼としているところもある。またトラックなど利用頻度の高いユーザーのみをターゲットとした定額制のみの国や、アメリカや香港のように車載器を無料で配布しているところもあるなど、普及の形は様々だ。