新エンジンは低燃費だけでなく、静粛性も向上!

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  • 三菱 RVR エンジン|ニューモデル試乗
三菱のコンパクトSUV、RVRにマイナーチェンジが実施された。今回の改良の最大の目玉は、1.8Lエンジンを刷新し、新開発のアイドリングストップ機構である「AS&G」を組み合わせたことだ。

新エンジンは、同社がもつ連続可変バルブタイミング機構「MIVEC」を搭載。またカムシャフトを従来のDOHCからSOHCに変更(最廉価のEのみ従来エンジンを継続搭載)。備品点数が減少し軽量化が図れるだけでなく、燃費悪化の原因となるポンピングロス(空気吸入時の損失)も低減することができる。

このシステムは、同時期に一部改良されたギャランフォルティス&ギャランフォルティススポーツバックにも搭載されている。
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試乗したのは、最上級グレードであるGのFF車(224万円)。走り始めてまず最初に感じるのは、ステアリングの操舵力が他社の同クラスのSUVに比べると明らかに重いことだ。電動パワーステアリングのセッティングを変更することでしっかりとしたフィーリングを出したとのことだが、切り返しの多い駐車場などでは、この重さは女性には厳しいかもしれない。

一方で直進時は、従来までの直進時におけるやや頼りなかった操舵感は改善。特に高速走行時でのしっかりした走行感、また乗り心地が向上した点は高く評価できる。

注目のAS&&だが、停止~始動時のショックは大きくも小さくもなく、標準的といったレベルだ。ただAS&Gが作動中でもエアコンはきちんと動いており、再始動までしっかりと冷気が出るセッティングがされていた。気温が高く、車内の温度がすぐに上がる夏には効果的だろう。

アイドリングストップ機構は各社とも作動条件が細かいのだが、AS&Gはエンジンとの協調制御を行っているとはいえ、もう少し積極的に作動してもいいと感じた。いずれにせよ実燃費向上には効果があることは間違いない。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード G
駆動方式 FF
全長×全幅×全高(mm) 4295×1770×1615
ホイールベース(mm) 2670
車両重量(kg) 1330
乗車定員 5人
エンジン種類 直4SOHC
最高出力[ps/rpm] 102kW(139ps)/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 172N・m(17.5kg-m)/4200rpm
車両本体価格帯 171万8500~246万6000円

RATING走行性能だけでは車は語れない。そこで快適装備の充実度や安全性の高さ、環境性能、燃費、バリューの5つのポイントで評価する(※点数は標準車のものです)

総合評価18/ 25
EQUIPMENT(装備)2/ 5
4スピーカーとルーフアンテナのみ標準装備。7インチディスプレイをもつMMCS(HDD)ナビ(地デジ付き)とプレミアムオーディオは、Gグレードの場合48万8250円でメーカーオプション設定される。
SAFETY(安全性)4/ 5
通常のHIDに比べ約1.4倍明るく、広範囲を照射するスーパーワイドHIDはGに標準装備。ニーエアバッグとASC(車両安定デバイス)はFF、4WD問わずGとMにヒルスタートアシストとセットで装着される。
ECO(環境性能)5/ 5
GとMは今回の新エンジンとアイドリングストップ機構の採用で環境性能を向上。平成17年排出ガス基準75%低減レベルで☆4つに適合。平成22年度燃費基準は+25%、最廉価のEのみ+15%を達成した。
MILEAGE(燃費)3/ 5
10・15モード燃費はFF車で17.0km/L、4WD車で16.8km/L。これは従来の15.2km/L(FF車)に対し、約12%の向上になる。より実走に近いJC08モードでも15.8km/L(FF車)と同クラスのSUVの中では優秀だ。
VALUE(バリュー)4/ 5
Gグレードは5万2850円のアップ。しかし新エンジン&AS&Gのほか、FF車へのASCとヒルスタートアシストの標準装備化(4WDは元々標準装備)などが入っており、トータルでは買い得感が向上した。
写真:篠原晃一 文:高山正寛