より洗練されたオンロードでの走り、フットワークも軽快

(Tester/島崎七生人 Photo/尾形和美)

コンセプト
旧型よりもサイズアップ、大胆な変身を遂げた新型

スバル フォレスター フロント|ニューモデル試乗スバル フォレスター リア|ニューモデル試乗スバル フォレスター インパネ|ニューモデル試乗
30秒TV・CFの20秒目に、滝のなかからフォレスターが発進。「ちょっとやりすぎじゃない!?」の妻の声に肩をすぼめテレるオーナーの、妙に曖昧でリアルな演技に親近感があったり・・・。往年の名作サンダーバードを模したCMで登場した新型フォレスターは、何か吹っ切れたものを感じる。とくに外観スタイルは、機能美が持ち味だった前2世代のフォレスターから一転。スバル車らしからぬ(!?)洗練された現代的なフォルムをまとった。

海外市場をカバーしつつも全幅を1780mmに抑え、ライバル他車に対抗。ミラーtoミラーでは従来型-10mm、最小回転半径の5.3mも従来より0.1m小さい。ロードクリアランスも従来型+20mmの225mmに設定(ターボ車)。より高い機動性に配慮している。

室内&荷室空間
前後席ともシートが大きく進化、居住性は大幅に向上

スバル フォレスター フロントシート|ニューモデル試乗スバル フォレスター リアシート|ニューモデル試乗スバル フォレスター サンルーフ|ニューモデル試乗
インパネは新型インプレッサのそれを独自に手直しして使う。インパネ上面に塗装がかけられ、コンソール回りは意匠が専用で、バッグが置ける深いポケットなど利便性にも配慮した。

室内高は従来比+45mm。その効果は後席で絶大で、頭上、足元、肩口の余裕が増した。さらにシートがしっかりしたサイズで、着座姿勢に無理がなくなり快適になったのも、従来型に対し大きく進化した部分。幅広のアームレストとは別に、クッション部中央に組み込まれたリトラクタブル式のトレイ&カップフォルダーも作りがガッチリとしており使いやすい。

ラゲージスペースも実用的な容量を確保する。バックドア側からスイッチ操作で後席背もたれが前に倒せるのは便利だ。

ドライブフィール
実用前提ならレベルアップしたNAモデルがオススメ

スバル フォレスター 走り|ニューモデル試乗スバル フォレスター アルミホイール|ニューモデル試乗スバル フォレスター ラゲージ|ニューモデル試乗
運転席のヒップポイントは従来型+30mmの640mmの高さ。従来型もウエストラインが低く周囲の視界は良かったが、“見晴らし感”がより向上した印象。フードがしっかり見える前方視界もいい。

走らせると、乗り心地が非常に上質でなめらかなのが気に入った。フラットライドで、路面の起伏でも車体が煽られない。またラフロードに4本のタイヤが入っても、オンロード並みのフラットで快適な乗り味を保つのが素晴らしい。

動力性能は実用前提であれば148ps/19.5kg-mのNAエンジンでオールマイティ。ただし、より積極的に意のままの走りを体感したいならターボだ。230ps/32.5kg-mの性能は十二分だし、パワー感がなめらかなこと、高回転時のエンジン音が心地いいのが魅力。

こんな人にオススメ

ターボ、NAとも試乗車は17インチタイヤだったが、どちらも乗り味は快適だった。メカ系の振動&騒音の小ささも車の質感を高めている。手頃なボディサイズで快適な乗り味のSUVを選びたい、ガレージに収めても恥ずかしくないセンスのいいSUVにしたい。そう考えるなら、新型フォレスターは射程距離内に置いていい車である。
主要諸元のグレード 2.0XS プラチナセレクション
駆動方式 4WD
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4560×1780×1675
ホイールベース(mm) 2615
車両重量(kg) 1470
乗車定員(人) 5
エンジン種類 水平対向4DOHC
総排気量(cc) 1994
最高出力[kW(ps)rpm] 109kW(148ps)/6000rpm
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 191N・m(19.5kg-m)/3200rpm
10・15モード燃費(km/L) 13.8
ガソリン種類/容量(L) 無鉛レギュラー/60
車両本体価格 2.0XT(4AT)257万2500円
2.0XSプラチナセレクション(4AT)227万8500円