マツダ アテンザ 23Z 【プレイバック試乗記】
2008/03/31
※この記事はカーセンサー関東版30号2003年8月7日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
■走りは爽快!進化した足回りは大人向けのスポーツモデル
◆コンセプト
開発陣の思いが伝わる’03版進化モデルの回答
↑専用チューンされたサスペンションは18インチタイヤを履いても乗り心地は良好、パワーと足回りのベストバランスな一台といえる(左)5ドア(スポーツ)にのみ、専用の2本出し大径マフラーカッターが装備される(右)
アテンザ23Zの開発テーマは、上質なスポーティドライビングであるという。目で見て、肌で触れて、五感で堪能する。基本形は何も変わってはいないが、インターフェイスやランニングギアのアレンジによって着実にレベルアップを喫している。デビューからわずか1年にしてこの対応。セダン、スポーツ(5ドアハッチバック)、ワゴンによってグローバル展開を図るアテンザとしては、日本市場はone of themにすぎないはずだが、ホームカントリーで何とか花を咲かせたい…そんな開発陣の思いがひしひしと伝わってくる。
その意気込みに応えんと気を引き締めてステアリングを握ると、これがけっこう微妙な仕上がりだったりする。1勝1敗1分けで予選通過、という感じなのである
◆室内&荷室空間
専用のインテリアは残念ながら質感不足
↑室内のカラーリングは上質感を演出するためにブラックのモノトーンで統一(左)ホールド性と質感を両立させたブラックハーフレザーシートは23Z専用装備(右)
インテリアにはレザー(本革)を多用している。センター部にスエード調クロスを配したハーフレザーシート、センターアームレスト、そしてステアリング/シフト/ハンドブレーキレバー…。直接体が触れる部位だけに、質感タッチとともに見た目の印象も重要となる。限られた開発予算の中では頑張ったほうだと思う。しかし、大人を納得させ得る上質感を得るには、中途半端な妥協など禁物だろう。腰の引けた評価など百害あって一利なしである。率直に言って、23Zのインテリアは小手先のデザインに終わっている。象徴的なのはステアリング。懸命に革の歩留まりとデザインの折り合いを図っているが、肝心のタッチ(触感)とビュー(見た目)が出ていない。素晴らしい出来の足回りとのバランスが悪いのだ。
◆ドライブフィール
極太タイヤとは思えない上質な乗り心地を実現
↑100通り以上のテストを経て完成したカヤバ製の専用ダンパーを搭載
一方、走りのデザインは絶賛モノである。2.3LのMZRユニットは相変わらず小気味良いパワーフィールを楽しませてくれる。できればMTは6速、ATは5速を期待したいところだが、現状で不足を覚えることはないだろう。感心したのはハンドリングと乗り心地のバランスだ。23Zには215/45 R 18サイズのポテンザRE010が奢られている。幅は変わらないがインチアップ。乗り心地には厳しいと思われる条件だが、開発陣は45タイヤがもっている高いケーシング(断面部分)剛性を基本に置いて、その余裕を背景に当たりの柔らかい乗り心地の確保にタイヤチューニングをシフト。サスペンションのセットアップと合わせて、意外なまでに上質な乗り味を作り上げている。これなら幅広いユーザーに胸を張って勧められる。
◆こんな人にオススメ
久々に足のいいクルマに乗ったような気がする。この場合の足のいいとは、もちろん動力性能とのバランスを踏まえてのものだ。インテリアさえわたしがリクエストしたイメージに仕上がっていれば…かなり惜しいと思ったが、行きすぎたパワーだけが売りのクルマに辟易としている大人には朗報だろう。爽快な走りが魅力のサルーン& ワゴンだ。主要諸元のグレード | スポーツワゴン23Z |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | 4AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4690×1780×1440 |
ホイールベース(mm) | 2675 |
車両重量(kg) | 1440 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直4DOHC |
総排気量(cc) | 2260 |
最高出力[kW(ps)rpm] | 131kW(178ps)/6500rpm |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 215N・m(21.9kg-m)/4000rpm |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/60 |
車両本体価格 | 245.0万円 |
マツダ アテンザ 23Z 【プレイバック試乗記】/試乗レポート
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