従来のAT車とはケタが違うスムーズな加速感が味わえる

  • マツダ アクセラスポーツ 走り|ニューモデル試乗
  • マツダ アクセラ/アクセラスポーツ i-stopモニター|ニューモデル試乗
既存の技術を磨き上げ10・15モード燃費30.0km/Lを達成し、世の中をあっと言わせたマツダデミオ。これに搭載された次世代環境技術『スカイアクティブテクノロジー』の第2弾モデルとなるのが、今回マイナーチェンジを受けたアクセラである。

注目ポイントは高効率直噴ガソリンエンジン『スカイアクティブーG 2.0』に6速の新型AT『スカイアクティブドライブ』を組み合わせたこと。これにより2L車で20.0km/Lという低燃費を達成しつつ、走りの楽しさを両立したことにある。スカイアクティブ第1弾のデミオには、この新型ATは搭載されていない。

この新ATは、従来よりロックアップ(エンジンとトランスミッションを直結する機構)領域を拡大。前モデルが49%だったのに対し新型では82%となった。直結する領域が増えることでAT独自のスリップするような感覚(スリップロス)を抑えながらダイレクトなシフトフィールを実現するとともに、燃費や動力性能を向上させている。
  • マツダ アクセラ/アクセラスポーツ シフト|ニューモデル試乗
  • マツダ アクセラ サイドビュー|ニューモデル試乗
10km/h以上ですでに直結状態になるという点も、今までのATとはレベルが違う。またスピードが上がると従来車では、エンジン回転数がやや高めで唸るような感じになっていたのに対し、スカイアクティブは回転数が抑えられ自然な加速フィーリングが味わえる。

さらにシフトアップ時の瞬間に発生する段突き感や滑りが少なく、加速しようとアクセルを踏み込むと素速くシフトダウンする。今後登場するマツダ車はすべてこの方向性で作っていくという。

気になる燃費は、車がよく走る(走りが楽しい)のでついついアクセルを踏んでしまったが、搭載するi-stopの作動領域が拡大されたため、1時間弱の試乗で15.0km/Lをキープできた。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード アクセラスポーツ 20S スカイアクティブ
駆動方式 FF
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 4460×1755×1465
ホイールベース(mm) 2640
車両重量(kg) 1330
乗車定員 5人
エンジン種類 直4DOHC
最高出力[ps/rpm] 113kW(154ps)/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 194N・m(19.8kg-m)/4100rpm
車両本体価格 166万~267万8000円

RATING走行性能だけでは車は語れない。そこで快適装備の充実度や安全性の高さ、環境性能、燃費、バリューの5つのポイントで評価する(※点数は標準車のものです)

総合評価20/ 25
EQUIPMENT(装備)2/ 5
オーディオ&ナビは全グレード、ディーラーオプションで対応。オススメは20S/20Eスカイアクティブ&マツダスピードに設定される10スピーカーのBOSEサウンドシステムだ(7万3500円~)。
SAFETY(安全性)4/ 5
車両安定デバイスのDSCとTRCがスカイアクティブのほかに15S(アクセラスポーツ)にも標準装備。HIDはメーカーセットオプションのツーリングコンフォートI(9万円)に組み込まれている。
ECO(環境性能)5/ 5
全グレードで平成17年排出ガス基準75%低減レベルで星4つを達成。平成22年度燃費基準はスカイアクティブのみ+25%、1.5L車は+15%を達成。CO2排出量は2L車で従来より約5%低減した。
MILEAGE(燃費)5/ 5
10・15モード燃費はクラストップの20.0km/L。JC08モードでも17.2km/Lと1.5L車並みを実現。16インチ/17インチアルミホイール装着では18.8km/L(JC08モードは16.2km/L)に落ちる。
VALUE(バリュー)4/ 5
HID、ステアリングを切った方向を照らすAFS、17インチタイヤ&アルミホイールがセットになった「ツーリングコンフォートI」装着車は、中古車になっても高い価値をキープするはずだ。
写真:尾形和美 文:高山正寛