ホンダ CR-Z 【ニューモデル試乗】
2012/11/07
いたずらなパワーアップにとどまらず、走りの質も向上
“S+”とデザインされているPLUS SPORTSシステムのボタン。走行中にボタンを押しアクセルを少し踏み足せば、モーターアシストを最大化し力強い加速が得られる
今回のマイナーチェンジは、外観よりも見えない部分で大幅な改良が行われていた。エンジンは摩擦低減とクランクシャフトの素材を見直すことで高回転化を図り、6psアップを実現。これにより元来スムーズなエンジンに厚みが増し、高級感が感じられるようになった。
またハイブリッドのバッテリーをニッケル水素からリチウムイオンに変更し、出力を従来よりも4割以上も向上させている。この恩恵は大きく、ステアリングに付けられたボタンを押すだけで、3Lエンジン並みのトルクを発生させるPLUS SPORTシステムの採用も可能にした。このシステムよる力強い加速は、MT仕様で体感するにはそれなりのテクニックがいるが、CVT仕様では瞬時に驚きの加速を体感できる。
偏平率の高いタイヤでも乗り心地はすこぶる良好
ブラック×レッドのコンビシートは新グレードの専用装備
シャーシはその出力に十分対応する高い剛性をもち、サスペンションの性能もしっかり引き出している。17インチで偏平率45という、薄く幅の広いタイヤでも乗り心地はすこぶる良い。スタビライザーとダンパーを変更したというが、実際にはバネも含めたゴムブッシュもチューニングされているのではないかと思われる。路面への追従性は抜群で、“ねっとり”と安定感のあるリアのセッティングは高速コーナーでも安心感がある。それでいて俊敏な動きにもしっかり反応する。
デザインは大きな変更はないが、ボディのプレス金型を再調整することによって、細かなプレスラインが忠実に再現されている。またガラスをギュッとはめ込んだフロントスクリーンの形状は、Aピラーを細く見せスタイリッシュにするだけでなく、ボディ剛性の向上にも一役買っている。この手法を量産車の単一モデルに採用するのは非常にまれだ。価格は最上級モデルでも263万円。これだけの大人っぽくクラスレスなモデルとしてはバーゲンプライスだ。
SPECIFICATIONS
グレード | β | α | α Master Label | |||
駆動方式 | FF | |||||
トランスミッション | CVT | 6MT | CVT | 6MT | CVT | 6MT |
全長×全幅×全高(mm) | 4075×1740×1395 | |||||
ホイールベース(mm) | 2435 | |||||
車両重量(kg) | 1170 | 1140 | 1160 | 1140 | 1170 | 1140 |
乗車定員(人) | 4 | |||||
エンジン種類 | 直4SOHC+モーター | |||||
総排気量(cc) | 1496 | |||||
最高出力[kW(ps)rpm] | 87(118)/6600 +15(20)/2000 |
88(120)/6600 +15(20)/2000 |
87(118)/6600 +15(20)/2000 |
88(120)/6600 +15(20)/2000 |
87(118)/6600 +15(20)/2000 |
88(120)/6600 +15(20)/2000 |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 144(14.7)/4800 +78(8.0)/1000 |
145(14.8)/4800 +78(8.0)/1000 |
144(14.7)/4800 +78(8.0)/1000 |
145(14.8)/4800 +78(8.0)/1000 |
144(14.7)/4800 +78(8.0)/1000 |
145(14.8)/4800 +78(8.0)/1000 |
JC08モード燃費(km/L) | 23.0 | 20.6 | 23.0 | 20.6 | 21.6 | 19.4 |
ガソリン種類/容量(L) | レギュラー/40 | |||||
車両本体価格(万円) | 236.5 | 257.5 | 263.0 |
ホンダ CR-Z 【ニューモデル試乗】/試乗レポート
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