▲リーフ NISMOは少し強く吹雪けばすぐにホワイトアウトしかける極限のコンディションでの試乗となった ▲リーフ NISMOは少し強く吹雪けばすぐにホワイトアウトしかける極限のコンディションでの試乗となった

舞台を北海道に移しクローズドの雪上コースと公道を試乗

例年であれば日産の冬の試乗会は長野県の女神湖による氷上試乗が定番だが、今年は北海道での雪上試乗会となった。

会場は札幌市街地から北東に30分ほど走った石狩川に近い“モータースポーツパーク札幌”を中心に行われた。

広大な敷地にツィスティーなクローズドの雪上コースが作られ、日産車の中心的なモデルを試乗した。

また、雪で覆われた周辺の公道試乗も同時に行った。
 

▲普段使い以上に雪上での安定性が光ったノート e-POWER 4WD、低速でもしっかりと進むことができるモデルだ ▲普段使い以上に雪上での安定性が光ったノート e-POWER 4WD、低速でもしっかりと進むことができるモデルだ

ツィスティーなクローズド雪上コースに見る主要モデルごとの走りの特徴

まずは変化に富んだコースをリーフ NISMOで試乗。

アクセルをラフに開けてもリーフ自身がこまかくコントロールをして、路面ときちんとコンタクトを取りながら前に進む。

以前氷上で乗った際にも良好だったが、ストレートのスタビリティは雪上でも変わらずに良い。

コーナーでは滑りが生じるとモーターにより制御され、安定性を確保するという意図が見られる。

タイトなコーナーが連続すると、固めのサスペンションと重量により、車体が外に膨らみそうになってしまう。

それでもアスファルトでの試乗に比べるとシャシーの弱さは露呈せず、雪上でのスタッドレスタイヤとの相性も良好であった。

次はフェアレディZ。しかもMT。これは直感的に楽しそうだ。

FRで雪上を走行する場合は、特にアクセルコントロールで曲がることが重要となる。

ラフなスロットルワークではスタビリティコントロールが装着されていてもスピンしやすいが、丁寧に運転すればスムーズに走れることがわかる。

その後トラクションコントロールをオフにしても走ってみたがかなり楽しい。

ステアリング操作を最小限に保ちつつ、よりアクセルでのコントロールに集中する。

雪上では車体の動きの変化を敏感に感じながら運転をする必要があるため、めったにないよい勉強の機会になる。

テクニカルなコースで3台目に乗ったのは、公道試乗での試乗イメージが良好なノート e-POWER 4WD。

e四駆なので積極的に後輪に動力をかけるというシステムではないが、通常のFF仕様とは違いスムーズな発進が可能である。

発進から低速へ動力が移り変わるときの安定感も非常に高い。

ステアリングを切ったまま発進するときは特に不安定になりがちだが、それでも安心感が得られる点が印象的だった。

最後は、スラローム状に雪で作ったコースをGT-Rで走る。

GT-Rは後輪の動力を大きくしているので、スポーティなドリフトでスラロームを抜けることができる。これはめちゃくちゃ楽しい。

コーナー入口から流して、次のコーナーへ向きを変えながらドリフトで進入できるのでスムーズに出ていけるのだ。

さすがスポーツカーを名乗っているだけあって、車の動きがとてもわかりやすい。

バケットシートの柔らかいホールド性も、日産車の中では最も高級さを感じる。
 

▲スポーツカーらしい走りとシートのホールド性とで、雪上でもスポーティな走りを楽しめるのがGT-R ▲スポーツカーらしい走りとシートのホールド性とで、雪上でもスポーティな走りを楽しめるのがGT-R

日産人気3モデルを雪深い公道で試乗

続く公道で乗った3台については、それぞれのポイントを簡単にまとめた。

■ ノート e-POWER 4WD
安定した発進と扱いやすさは公道でも同様。

■ セレナ e-POWER
雪道ではシャシー剛性の弱さは露呈しずらく安定感はあるが加速したときのエンジン音が気になった。

■ JUKE
発売されてから時間が経ち熟成が進んでいるせいか、走りは古さを感じさせない仕上がり。
 

▲公道、と言ってもクローズドコースと変わらず雪深い景色が続く北海道の試乗コース ▲公道、と言ってもクローズドコースと変わらず雪深い景色が続く北海道の試乗コース

雪上運転ワンポイントアドバイス

滑りやすい路面では、ステアリング操作を最小限にするのがセオリー。

それでもアクセルの踏み方いかんで、リアが流れるような動きをすることがある。

そんな場合でも慌ててステアリングを回してはいけない。

収拾がつかない車の動きとなってしまうからだ。

もし、リアが外に出てきたら慌てずにステアリングを真直の状態に戻して、アクセルを離せば良い。
 

text/松本英雄
photo/日産